血の道
血の道
俺は再び鎌を構えて剣の兵士に向かっていく。 剣兵士が構えた時俺は右腕を差し出すように前に出す。
剣兵士は何の躊躇もなく右腕の肘から先を切り落とした。 鎌は手から離れ、地面に落ちると同時に砂に姿を変えて雨で掻き消された。
燃えるような痛みを耐え、切り落とされた腕を掴んで剣の兵士に投げつける。
剣兵士は軽々と剣で腕を弾いた。 弾かれ腕は地面に落ち、腕の傷口から血が流れ噴水広場の石畳の溝に血が落ち、どんどん枝分かれしていった。
残った手で鎌を出し、杖のように使い、立ち上がりもう一度鎌を構える。
「来い!」
俺が力一杯叫ぶと剣兵士は小走りで水溜りを踏み水しぶきを上げながら近づいてくる。
鎌を支えにして体を弓のようにしならせ、体に力を溜める。 剣兵士が釜の射程に入った瞬間切り落とされた方の腕を振り、血しぶきを剣兵士に向かってかける。 剣兵士が怯んだ隙に渾身の一振りを放つ。
だが再び鎌の切っ先は剣兵士を捕らえられずに空を切る。 そして鎌の反動で片腕がない俺は坂の下に向かって転げ落ちていった。
剣兵士は転げ落ちた俺にすぐに追いつき、胸にゆっくりと剣を下ろした。
「サナト!」
意識が落ちていく前に駆け寄ってきたセピアの手が体に触れて意識が完全に戻る。 まだ完全に死んでなかったのか体の傷は戻らない、だがこれで計算通り後は耐えるだけだ。
すぐにセピアが俺を回復させている間は手を出してこなかった剣の兵士が俺が生き返った瞬間に再び胸に剣を下ろす。 そしてすぐにセピアが意識を呼び戻す。
途中セピアが兵士に殴りかかったり抵抗はしたが、意味はなく俺は何度も胸を刺され続けた。 辺りは次第に血溜まりになり、セピアは半狂乱の状態で俺を回復するだけになっていた。
段々と大きくなっていく血溜まり、さっき剣兵士に向けて投げつけた腕から伸びる血はタイルの溝に沿って枝分かれし、街の傾斜によって無数の血の枝になる。
そして大きくなる血溜まりと血の枝が触れた瞬間、俺は切られた腕から伸びる血と、この血溜まりを1つの体と認識し切られた方の腕から鎌を出して鎌を坂の下の俺の体に向かって投げつけた。
その鎌を振り遅れも対象を外しもせずしっかりと鎌の真ん中に剣兵士を捕らえ、逃げられない死へと剣兵士を誘い、鎌はそのまま地面に落ち、兵士は膝をつきゆっくりと雨で濡れた冷たい地面に倒れた。




