第3話 まさかの再会
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チャイムが鳴る。二限目のゼミか終わった。今日のゼミで何人か友達ができた。教室を出たタイミングでとなりの教室でゼミを受けていた智が出てきた。
「よぉ。雪貴、昼飯くいにいこうぜ」
また智か。
「うん行こうか」
なんで高校ではちっとも絡んでこなかったくせに今になって友達ぶって近づいてくるんだよこいつ、、、。
まぁお腹はすいてるし行くけどね。
お昼時とあってやはり学食は混んでいる。決して有名大学のようなおしゃれなレストランやカフェとはいかないがレトロな木目調のテーブルにイスがたくさん並び落ち着いた雰囲気で俺は割と気に入った。
「雪貴〜席ここでいい?」
「どこでもいいよ」
とりあえず先に荷物を置いた。
さて、なに食べようかな。
とビュッフェがならぶ方向に顔を向けたはずの俺だが、目だけは別の方向を見ていた。
「っ!」
この前電車で見た彼だ。
美しい彼。
俺をバカにした彼。
ドキッとしたのかと思ったが、これはイラッだとすぐに自分の心を訂正した。
同じ大学だったのか。
あの日は確かバカにされた勢いで電車を先に降りて足早に、、、
迷子になったんだった。。。
美しい彼は友達と歩いてた。
連れていた友達の雰囲気が大人びすきて見えたせいか、美しい彼が子供に見えてしまった。
やはり身長小さいな。
「おい雪貴。どこみてんだ」
美しくない彼、智に呼びかけられ我にかえった。
「あぁ。ごめんなに食べようかな」
結局、豚キムチとサラダとスープと麦ご飯を手に取った。
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「今日バド18時半集合だったよね。智はそれまで何してる?」
「俺は一回家に帰るよ」
「連れてけ。」
「別にいいよ笑」
学食ではあれ以降、美しい彼のことは見失ってしまった。
というか慣れない学食で周りをキョロキョロしながら食べるなんて恐ろしくてできなかった。
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夕方。
練習地となる大学の近くにある中学校の体育館前にはすでに人がたくさん集まっていた。
部活終わりの中学生が茶髪やピアスをつけた大学生を横目にしながら帰宅していく。
「都会の中学生メンタルつよいなぁ。俺が中学生の時なんて大学生はみんなヤンキーに見えてたよ。」
「田舎と都会じゃ大違いだな」
俺と智はそんな会話をしていた。
すると、
「お〜い!一年生!中入っていいぞ!」
あ、石川先輩だ。目があった。
「お、田舎者コンビ!ちゃんと来てくれたんだな!嬉しいぞ!」
同郷の俺と智を”田舎者コンビ”そう呼ぶ石川先輩は嫌いだ。
「なんか今年は人気みたいだな!一年生めっちゃきたぞ小口!」
「こんなに多いんだからイケメンの1人や2人いないかなぁ〜」
そうだ。昨日部室にいたあの女の先輩は小口先輩だ。
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ざっとみて全体で80人くらいはいるのだろう。
こんな人数でどうやってバドミントンなんかするのだろうか。
「1年生とりあえず着替えたら適当に集まっててね!」
この感じ、石川先輩はメガホン役なのだろう。
しばらくして全員が着替え終わり体育館の端に集まっていて会長の挨拶からはじまった。
「えぇ。一年生の皆さんこんばんは。俺がこのサークルの会長の葉山です。まさかこんなに集まってくれるとは思ってなかったから本当にありがとう。で、早速バドミントンやるんだけど、俺たちはいつもダブルスを組んでやってるので、君たちにもこれからペアをつくって欲しい。」
とすると智しかいないか。と俺が智のことを見る頃には智もこっちをみていた。
が、会長の話は終わってなかった。
「でもせっかくこの大学に入って、このサークルに来たからには友達をつくって欲しい!だからこれから俺が君たちをだいたい半分に分けてランダムで君達に番号を振っていく。その番号が同じ人同士でダブルスを組んでくれ。そゆことでよろしく。じゃあ君から1..2..3...4」
ひと通り番号を振られたあと、いざペアを探すことに。
俺は24番。
それぞれ
「18ばーーん!!18ばんのひとぉおおお!!」
と大きい声を出したり
5、、と手のひらをただ上にあげて5番アピールをする人もいる。
俺に24本の指なんてないから地道に声を張るしかなかった。
すると、
「あ、君も24番ですか?」
背後から声をかけられ、振り返ってみると
美しい彼。
あらわれたな。美しい彼。