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見習い魔女リズは悩んでいた。
使い魔が決まらない。
薬学をはじめとする魔女必修は終了し、あとは使い魔を選ぶだけ、しかしこれが悩ましい。
一口に使い魔といっても、一般的なネコやカラスから爬虫類、両生類、幻獣等々。
超一流魔女になれば好みの人間を複数使い魔にしたり、竜、鵺といった高難度、高燃費、高性能な三高使い魔を使役している。
並でごくごく平均的魔女のリズはほどほど便利でお手軽な使い魔を求めていた。
リズの工房には様々な動物が列をなしていた。
動物にとっても魔女から魔力をもらい使い魔になるのは生活の保障とステータスであった。
労働は必須だが、基礎能力の向上、変身能力の付与等、他と格段の差がつく。
生粋の魔女なら生まれた時に決まるのに。
友人のアリサはヒキガエルのゴードンでとても仲がいい。
ヒキガエルだけど。
リズはモフれる使い魔がいい。
リズは動物たちを面接してみることにした。
一番火トカゲのロロ。
「これはこれは魔女様。お会いできて光栄ですー。我ら火トカゲを使い魔にしますーと便利で有効ですー。まず冬室内にいれば暖房要らず、暖炉に棲みかをいただければ調理の火力調節はお手のもの。薬湯をじっくりコトコト煮込むことも可能ですー。聞けばお薬作りがお上手とのこといかがですーか。」
火トカゲのロロは事前調査をしてきたようだ。
小さな炎のついた尻尾が得意気に揺れる。
暖房要らずもひかれる。
「夏はどうですか。」
ロロは固まった。
尻尾の炎も小さくなった。
「室内は熱くなります。」
夏力を増した火トカゲに猛暑が合わさると暑いではない熱くなる。
「結果は後日連絡します」
二番カラスのグー。
「黒白カラスのグーともうしますっ。わすと契約していただくと何でも運びまっす。ホウキで飛ぶ時に先導、誘導できまっす。」
使い魔率ネコについで二位さすがの安定感。
汎用性がいい。
しかし用途としては薬作りに活躍してもらいたい。
「薬作りに対しどのような貢献ができますか?」
「配達や羽であおいで冷ましたりてきまっす。」
微妙、もう少し押しがほしい。
「結果は後日連絡します。」
三番一角馬のピクル
「お初お目にかかる。それがしピクルと申す。まずこれを受け取っていただけないだろうか。」
ピクルは紙包を持ってきた。
中を確認すると一角馬の角粉末。
「某の角粉末でござる。それがしがおれば困ることはない。」
かなりいい。高級材料の一角馬の角粉末がかなり安価で使える。
「他にも騎乗していただければ早く移動でき、かつ荷運びもできます。」
もっといい。
「私に求めることはありますか。」
ピクルがまってましたと言わんばかりに言った。
「処女でいてくだされ。性行為は駄目でござる。異性との交流は手紙ならよいでござる。触ると臭いがつくので。あとは、」
「結果は後日連絡します。」
そうだった一角馬別名処女好馬使えるのに使えない幻獣だった。
紙包だけもらっておこう。
その後も何匹か面接をし最後にコウモリのヴィルがきた。