フラーテルのソロルに対する壮絶な愛(結局はシスコン)
う………頭がガンガンと痛む。
「ここどこ…………?」
「おきたぁぁぁぁああああ!!!夜継!ほら!起きた!」
「耳元で叫ぶんじゃねぇよ!アホ!」
「え?俺がアホだって?」
「なんでもねーよ!」
「夜継、お…僕がアホって言ったよね?なんで?一応定期テストの時は勉強せずに頑張って底辺維持して3学期の学期テストでSクラスの生徒以上の点数取って最後の最後で上から目線するのが趣味だった僕がアホだって?」
「あーそうだったな。そうだった。お前はそういうやつだ。でいきなり一人称グフッ!」
知らない部屋の長椅子で寝させられていたらしい。
唯一の出入り口であろうドアのガラスが割れる程激しくドアが開いた。
割れる音と共にドアが軋む音もした。
おかしい。
なにがおかしいってドアを軋ませてガラスを割った人が絵具まみれのよれたつなぎで尚且つ、かなりお姉ちゃんに似ている男の人だったからだ。
多分恰好さえ良ければ絶対にモテるよこの人。
でもね、言っとくけど私のお姉ちゃんこんな乱暴じゃないからね。
お姉ちゃんを男にするとこの人になるって断言できるぐらいにはそっくりだ。
でもドアを壊して目の前で漫才されるとかなり困る。
つなぎの人と言い争いをしているのはクズ臭漂う白衣のメガネの人。
ドアの奥からは真っ白な部屋がのぞいているので、ここは保健室にでも隣接しているかな。
「あの……」
「あぁ、ごめんね。寝起きなのにね」
「い、いえ……」
片手で白衣の人の口を塞いでこちらに笑顔を向けるのはちょっと怖いです。
しかも鼻も一緒に塞いでるのか段々顔が青くなっていく。
大丈夫なのかな…
「あの、その人呼吸困難になりますよ」
「え?あぁ、大丈夫。こいつ水泳部で肺活量凄かった気がする」
「ふっざけんな!いつの話だ!いつの!」
「何年前だっけ?僕は覚えてないよ?あぁ、自己紹介が遅れたね。僕は弓納持奏。今日から美術講師としてココで働くんだ。一年生は美術は必修だしよろしくね」
「は、はぁ…私は「知ってるよ?毛利的ちゃん。僕の事は気兼ねなく奏先生と呼んでくれ!」さいですか…よろしくお願いします…」
なんて面倒な人と知り合ってしまったんだ。
顔は似てても性格は全く似てない。
お姉ちゃんはどちらかというと………いや、似てる部分もあるか。
なにかしら裏がありそうな言い方はそっくりだ。
…………いやいや、顔と性格が少しだけ似てるってだけでその線は無い。
「あぁ、あとこいつは仙波夜継。クズな保険医だから休み時間以外に保健室にきちゃダメだよ?的ちゃんにはまだ早い世界だから」
「誰がクズだ!夜継と呼んでくれ」
どうやら本当にクズだったようだ。
なるだけ保健室には近づかないでおこう。
うん。
こんな危ない人間の近くにいてたまるか。
いや、奏先生もだいぶ危ない人ではあろうけど!
今日から美術講師って、普通は入学式前になるものではないだろうか…
いや、細かいこと突っ込んだら負けな気がする。
ん?……………あ。
「入学式…!」
「「あ」」
大人2人はやらかしたみたいな顔をして夜継先生は慌てて保健室の方へ行った。
向こうで話している様なので多分電話だろう。
「あぁ、忘れてた。そういえばクラスは何クラスなの?」
「私はS?クラスのはずです。友達が言ってたので多分そうかなと」
「……Sクラス?本当に?」
「まぁ、多分ですけど…高校蹴られて無理矢理ここに入れられたのでクラスの事なんて全くわからないです。どんな人がいるのかな…」
不安。
もうこの学園先生はキャラ濃いし、生徒は生徒でなんかおかしいし…
うわ…すっごく不安でしかない…
奏先生が無言になった。
え…なんか怖い…
「あの野郎………なんも知らないこんな子まで巻き込んだんだ…」
え。身の危険をすごく感じる。
なんだろう。
奏先生から発せられる怒気がすごい。
そしてつなぎのポケットから煙草を取り出してジッポーで火をつけた。
かなりイライラしている。
学校の中は喫煙禁止だと思ってたんだけどな。
「はぁ~……春樹に連絡しといた。入学式出なくて大丈夫だってよ。誰だっけ?いかるがって奴も心配してたらしいぜ?ってタバコくっさ!お前学校では一応禁煙だぞ!」
「うるせぇクズ」
さっきと人が変わっているというか奏先生の様子が変わってる。
目が据わってる。
生命の危機を感じる。
「おまっ…!タバコ止めてちょっとこっち来い!あーあと入学式終わったら春樹…担任が迎えにくるらしいからここで待ってていいぞ」
「あ、はい……」
なんだか目付きの悪い奏先生をクズ…じゃなかった夜継先生は保健室へ連れてった。
………なんだろう。
情緒不安定な先生なのかな?
ガシャーンッ!!!!!
うっわ……なんかガラスが割れる音と怒号が聞こえるぞ!
なんかすっごい事になってるだろうな…
予定より一時間遅れましたすみません……
今夜もきちんと更新します