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【たとえ約束を忘れていても…僕は絶対に忘れたりなんかしない…】


「なんで!?疾風君ともう一度会いたくて編入してきたのに!」

「お前には首元にほくろがない。それに、互いに名前は知らない」



偶然にも私の首元にはほくろがある。

わぁ、運命的!とか思うわけないでしょ。

なんだかなぁ……


【来年の夏も…………ちゃんと待ってるから…】


苦しい。

凄く苦しい。

大切に宝箱に仕舞ったのに、鍵が見つからなくて宝箱の中身がわからなくなったみたい。

あぁ、息苦しい。



「……………どっか行こう…」



自分に言い聞かせる。

でないと壊れてしまいそうで。

嫌なものを思い出しそう。

なんとかその場を離れようとするけど体がうまく動かない。

ほんの少し歩いた所で脚に力が入らなくなってしまった。

まだ…まだ私は………!



【お願い!お願いだから…生きて…!】


「思い出、しちゃ…いけない…」



あぁ…………

この感じ………

暗い……暗い海に…

溺れていく感覚にそっくりだ…






「ん?おやおや、こんな所で女の子が寝てるだなんて前代未聞だね〜美術室と美術準備室は汚いし……そうだ保健室があるか。よし、保健室。保健室に行こう。今いるのは春樹かなぁ。いや、夜継(やつぎ)かな?どっちもいそうな予感。でも春樹Sクラスの担任だったはずだから夜継か。嫌だなぁ…夜継嫌いなんだよねぇ」



寝癖だらけの髪を無造作に伸ばして、ヨレヨレの絵の具や粘土で汚れた作業着で眠りこける的をおぶって1人ブツブツ呟く人物。

格好からして大変怪しい。

しかし、こんな怪しい人物が臨時の美術講師だと知ると大抵の一般人は一度否定に入る。

そこまで怪しいのだ。



「やべ。寝てる女子高生おんぶとかまた変な噂立つけどまぁいいや。役得役得。あ。生徒手帳落ちちゃった」



絵の具で本来の肌色が見えない指で的の制服から落ちてしまった生徒手帳を拾う。

片手で器用に生徒手帳を捲りつつ、もう片方の腕で的をおぶっているその姿。

異質かつ異常。



「へぇ~!毛利的っていうんだ~あいつのお姫様時代にそっくりだとは思ったけど…まさか妹がいたなんて…さっさと教えといてほしいもんだ…」



生徒手帳をつなぎのポケットに仕舞い、片手に持つ的を起こさないように歩き出す。

薬品臭い保健室。

片手に的を担いだ男は足で乱暴に扉を開ける。

乱暴すぎたために扉は扉らしくない音を立てる。



「おっす。可愛い可愛い女の子連れてきたよ~気を失ってるみたいだから診てあげろ、クソ夜継」

「…………おっす…じゃねぇ!おめーよ!静かに開けられねぇのかよ!」

「知らんー。それよりほれほれ」



かなり広い白い保健室。

カーテンで仕切られたベッドからかなり苛々している白衣を纏うメガネの男性。

着衣が少し乱れている。

ベッドの中から小さく短い悲鳴が聞こえた。

男はため息を吐いて、保健室に隣接するカウンセリング室の扉を開いて、中の長椅子に的を下す。

保健室側からは男の怒号と女子の泣き声が聞こえる。



「全く持ってうるさいメガネだ。的が起きる。おーい!仙波夜継(せんばやつぎ)!うるせーぞ!」

「おめーにだけは言われたくねぇよ!ほら!さっさと行け!急患だ!邪魔だからさっさと出てけ!」



これまた乱暴に扉は開かれ閉じた。



「ったく……イイトコだったのによ…オメーの所為で台無しだ!あの子《姫》になれるくらい可愛かったのに…あー残念」

「とか言いつつ使い捨てにするんだろ?これだから性欲に従順なクズは嫌いだよ」



的をカウンセリング室に残し、保健室で話し込む2人の男。

クズすぎる保険医と身元の知れないよれよれのつなぎ男。



「クズ?クズねぇ……はっ…世界旅行の旅から戻ってきたと思ったら人をクズ呼ばわりするとは…目立ちたがるあいつの後ろで楽しんでたお前のほうが…よっぽどクズじゃあないのか?」

「俺は堂々と楽しんでたつもりだよ?それをこそこそなんて…言わないでくれる?それにお前は元からクズ」



冷え切った視線を向けられ夜継と呼ばれた男は目を見開く。

外見的には汚らしい容貌ではある。

夜継は口に運びかけた珈琲を一度置いて笑い出す。



「ははははっ!爆笑もんじゃんか!お前のそーゆーとこ大好きだぜ?奏」

「爆笑するのもいいけど的が起きるでしょ。静かにしてくれない?あとお前の事嫌いだし」

「いくはぁ?お前が担いで来たコ?あの子いいねぇ~…狙っちゃおっかな。あとお前が俺の事嫌いなの良く知ってるし」



その瞬間保健室内の空気が凍った。

奏と呼ばれた男は薄く笑ってる。

瞳は全くと言っていいほど笑ってない。



「そんなに死に急ぎたいんだ…あの子が僕の妹だと知ってる?」

「冗談…「通じないから。このままだと絶対僕の妹が危ないから美術教師になる」は…?おいおい…それこそ冗談だろ、奏」

新キャラフィーバーが当分続きそうですね(適当)

あらすじにも書いてある通り別のサイトで書いてあるものを改編しながらの投稿で、そちらのサイトでもだいぶキャラの濃いぶっ壊れたキャラが登場して作者本人がワクワクしてます

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