小休憩
誰もが浮かれる週末金曜日。
今は美術のお時間です。
もちろん私も休日前ということでウキウキしている。
それなのに薙ちゃんは顰めっ面で私が話しかけてもそっぽを向いている。
溜息しか出てこない。
ミロのヴィーナスの腕を想像で描くという何処ぞのシチュエーションCDの様な授業。
どちらかというと現代文の教科書に載ってそう、なんて思っていると鉛筆の動きが止まっているのが見えたのか奏先生が近づいて来た。
「どうかした?考えに行き詰まった?」
「いえ、そういう訳では無いんですが…別の考え事をしていたもので…」
「そう?なんだか真剣そうな顔してたから特別な考え事でもしてたのかなっと思ってね。毛利さんは腕をどう想像した?」
「他の誰かと手を繋いでいるんじゃないかな~と思ってます。手を繋いで行進、みたいな」
「ミロのヴィーナスに自由の女神を重ねたみたいな考え方だね。斬新でいいね。そういう考えの人は初めてだよ。皆大抵籠か何かを持っているのしか描かないからね」
やれやれと言いたげに撫子の方へ行ってしまった。
隣で顰めっ面をしていた筈の薙ちゃんを見てみると、薙ちゃんの視線は奏先生に注がれていた。
撫子の描いている絵をべた褒めしてハイタッチしている大人げない人に薙ちゃんが興味持つなんて珍しいなぁ。
「奏先生ってお姉ちゃんとそっくりだよね」
「そっくりどころか同じにしか見えない。腹の底見えない辺り楓さんより悪質だけど」
「そうかな?」
「楓さんの悪い所は不幸体質だけでしょ」
「ちなみに自慢じゃないけどその不幸をホームランで打ち返すのがお姉ちゃんだからね」
「知ってる。そして俺達にデッドボールで来るのも知ってる」
身を持って知っている私達は思い出すだけで身震いしてしまう。
あ、間違って変なところに線描いちゃった。
なんだか騒がしい。
よく見れば撫子と奏先生が葵ちゃんに足蹴りされて罵倒されてる。
仲いいなぁ。
黙々と絵に集中していたるいるいは遊んでいるようにしか見えない3人を見ながらため息を吐いている。
疾風とちーちゃんはいない。
2人とも朝から学校に来ていないのだ。
「貴様らァ!こそこそと何かしていると思えば気持ち悪いもの描いて…!」
「ごめんてば!大和泉さんがなんか面白いの描いてるからちょっと乗り気になっただけで…」
「そうです!ただの遊びです!女子高生のくだらないお遊びなんです!ですからその人を殺めるような視線を向けないでください!」
「無理だ。すまないな、撫子。お前とは長い付き合いだった。多分明日ぐらいまでは忘れない」
「恒例のチャンバラごっこだったら外でやってよ~僕の美術の時間邪魔しないで」
「類も道連れです……」
「はぁ!?ちょっと!無関係だから!」
わいわいやあやあと楽しそうに葵ちゃんに命乞いをしている。
なんだか笑えてきた。
笑いは止まらなくなって涙さえ出てくる。
薙ちゃんも呆れながら笑っている。
笑えるって素敵だよね。
遅くなりましたほんとすいません。
BLの方が楽しくなってきたとかじゃなくって書いてる暇がないですやばいやばい。
更新は停滞気味になっているのはストックがほぼない状態だからです……
全然話が進んでいない………




