双子と巻き込まれる絵描き
部屋に戻って私服の入っている段ボールをあさる。
どうせエレベーターに乗って薙ちゃんの部屋に行くだけなんだからラフな格好でいいやと思い、適当に黒いショートパンツと犬の絵がプリントされたTシャツと灰色のパーカーで部屋を出る。
鍵を掛けようとしたときに電話が鳴った。
どうせ薙ちゃんからだろうと名前も見ずに電話に出てしまった。
「はい、もしもs«いいいいいいくはああああああ!!!»………………」
«あれ?返事がない!どうしよう!雷!»
「聞こえてるから耳元でそんなに大きな声を出さないで…零にぃ…」
«にぃって言った今!?零ねぇでしょ!って、あ!雷!………久しぶり、学園に入学したんだって?おめでとう»
「あ…うん………ありがと」
電話の主はパリとフィレンツェに居るはずの兄達だった。
こうして直接会うんじゃなくて電話をしてくるのは久しぶり。
何か用でもあるのかな?
「どうしたの?」
«入学したって楓ねぇさんから聞いたから。今零と合同で仕事請け負ってるから一緒なの»
「楓ねぇも知ってるの!?」
«うん。直接会って入学祝いをしたいって言ってた。ちょっと、零邪魔……………で!用事があって行けないらしいからアタシ達が行こう!って話になったの!»
「へ?日本に帰ってくるの?」
«そういうこと!後輩から仕事頼まれたからそれも兼ねて日本に帰ります!ついでに母校にも行きたいしね!»
「えぇ…………」
«的にも薙坊にも仕事に付き合ってもらうよ。ちゃんとした対価はあるから»
「ひぇ……まさか色々弄られるの?また?」
«うん。金曜日の夜に日本に着く予定だから。土曜日に迎えに行く。薙坊にも伝えといて»
「わかったよ…拒否権はないんだよね…薙ちゃんには言ってはみるけどあんまり期待しないでよ?」
«大丈夫!あの子アタシ達には逆らえないんだから!じゃあね!週末楽しみにしてるよ!»
なんだか一方的に予定を詰め込まれたけど正直に言うと、あの二人には私も逆らいたくないので、重い体を引きずって薙ちゃんの部屋に向かう。
部屋の番号を確認してチャイムを鳴らす。
すると黒いスエットを着こなしていない薙ちゃんが出てきた。
「うわ、薙ちゃんそれはダサい」
「黙って。俺のオフ姿に口を出したら塞ぐから、その口」
「息しずらくなるからやめようか。お邪魔しまーす」
「邪魔するなら帰って」
「呼んだのは薙ちゃんでしょ!」




