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「多分俺らが呼ばれたのは毛利以外の候補についてだろうな」

「俺は絶対ほかの人間に票なんて入れないよ。どれだけ裏で入れろって言われてもね」

「女の情報網は怖いぞ」

「俺に何かあったら俺の親衛隊がなんかするから大丈夫。結構楽しいよ?泥沼の女のイザコザ見てるの」

「嫌な趣味だな。俺には同意できない」



エレベーターはとうの前に5階に着いている。

だが俺も零囗も足を踏み入れたくはなかった。

目の前には埃を体中に付けて涙目のクラスメイトが一人。

こんな奴が俺と同じ王子だとか思いたくない。



「なにやってんの、小日向」

「………白銀さんに会う為にエレベーターに乗ったら候補の女子が一緒に会わせろって言って勝手に5階で降りた……そして俺なんか突き飛ばされてお尻打って……地味に痛い…」

「あーもうこれだから!候補なんて嫌いなんだよ!」



ガスマスクを付けた零囗はイライラした様子であの引きこもりの部屋に走って行った。

俺はため息を吐いて、女子みたいに涙目になってるクラスメイトを立たせ零囗の後を追う。

引きこもりの部屋に入ると、女が一人白銀さんの前で醜態を晒していた。

自分が一番姫にふさわしい。だから自分を姫に指定しろと。

綺麗な顔してやっぱり考えることは平凡以下。

白銀さんは素知らぬ顔で女の方を向きながら本を読んでいる。

そして女の話に区切りがつくと、白銀さんは本を閉じて女に笑顔を向けた。

女の顔もパッと明るくなる。



「そうですか、そんなに姫になりたいんですか。いいでしょう。貴女を候補から外します」

「なによそれ……!」

「貴女の様な人が金剛石の姫を超えると軽々しく言ったのが候補から外す理由です。それにSクラスの寮に無断で入り私の許可がなければ入れない5階に入ってきましたよね?程度の低い人間を候補に入れたのが間違いでした。ここまでした貴女を候補に入れているのは私が恥ずかしい」

「あなたが候補の取り消しなんてできるわけがないわ!」

「できます。貴女は姫をなんだと思っているんですか?私はこの学園で貴女の事をどうとでもできるんです。候補だからといって行き過ぎた行動は……身を滅ぼすだけですよ?よくお分かりになりました?またこのような事になれば今度こそ荷物を纏めて学園から出て行ってもらいます。零囗、外までお連れして」



うなだれた女を零囗が外へ連れ出した。

笑顔のまま人を崖から突き落としそうだ、この人は。



「漸く来ましたか~マリアは諸事情で来れないそうよ。零囗が戻ってきたら始めましょう。3人の候補に出会ってどう思ったのか。皆教えてください。特に私が知りたいのはモウリイクハさんの事です。イカルガ君を含めた一年生の王子と関係のあるイクハさんの事をね」



似合いもしない気持ち悪い笑みを浮かべる。

あぁ、新しい玩具を見つけたようで。





錦木side 終了

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