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「佐怒賀さん………」
「その人達になんてなれっこないんだよ、私たちは。できるとしてもそれはモノマネだもん。オリジナルには、到底かなわない」
「そう、ですよね……追いついたとして僕が逢いたいと思っている人には再会できませんよね……自分なりに頑張ってみます」
苦笑いを零しながらチョコを堪能し続ける。
ちーちゃんは頑張る人だ。
こんな人が人生諦めている訳ないよ。
るいるいは嘘つきだね。
「私に言われたくないと思うけど、会いたいって思っている人に会えればいいね」
「長い間探していますが、なかなか見つからなくて諦めようとしていたんです。でも、あなたの言葉で気が変わりました」
ふわりと笑った顔は夕日に照らされて眩しかったが、どこかさみしいような、そんな気がした。
でもその瞳は決意をしたようにまっすぐ私を見つめていた。
そして思い出したように瞬きをする。
「そういえば苛立った疾風を見かけませんでしたか?植物園の方から親衛隊を引き連れて歩いていたのを見かけたのでまた類が茶化したか何かをしたのかと思ったのですが…」
「………ん~見てないかな」
「疾風も疾風で色々と抱えているんです。本人はそれに触れられたくなさそうですけど」
「あのお猿さんが色々と抱えてるねぇ……」
「なんでも約束の為に疾風は王子になって街中探しているみたいです。元々目立つ顔だからなのか、短気だったからなのか、喧嘩をよくふっかけられるって面倒そうに話していました。それが問題になりつつあるんですから学園長も頭を抱えているらしいので早く見つかればいいのですか……」
「そーなんだ。ちーちゃんは特権使って探そうとは思わなかったの?」
「言ったじゃないですか。佐怒賀さんに出会って気が変わったって。王子になったときは諦めていたので特権はまた別のものに使っちゃったんです」
「………聞いてもいい?」
困った顔で視線を彷徨わせて唸っている。
なんとなくかわいい。
「すみません…お話しすることはできないんです……時が来ればお話させていただきますね…っとこんな時間だ…約束事があるので失礼します」
「なんかごめんね、長話させちゃって」
「いいえ、謝られるほど長話はしていませんよ。今度……会った時はちゃんとした本名、教えてくださいね」
目が点になる。
苦笑いしか出てこない。
綺麗な演技してたはずなんだけどなー
やっぱり薙ちゃんの言う通り私に演技は向いていないみたい。




