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「昨日ハシビロコウから逃げてるって全力で逃げてなかった?」

「うん」

「途中で転びかけて助けてもらったでしょ」

「うん」

「それがちーちゃん。蒼い王子様」

「うん……………うん?」



マジですか………

あの時の好青年なイケメンがるいるいの言うちーちゃんなんて呼ばれてるのか……

似合わな過ぎて笑いそう。

それよりも、なんでるいるいはあの時の私と今の私が同一人物って分かったんだろう?

撫子や葵ちゃんでさえもビフォーアフターに絶句してたのに。

あれが素顔なんだけどね。変なの。



「ねぇるいるい。一つ聞いていい?なんであの時転びかけたのが私だって気づいたの?撫子と葵ちゃんでさえ同一人物とは思えないみたいな感じだったのに」

「なんでだろうね?勘?だって今の的ちゃんには何かを隠さなくちゃいけないって感じがするから。僕、これでも人の事良く見るし。その人が自分になにを求めているのか察して生きてきたからかな」



彼は渦巻のぺろぺろキャンディを口にしながら遠くを見つめている。

口のちょっと悪い美少年ってだけかと思ったら、案外哀愁漂う側面持ってるじゃん。



「そんなのってつまんなくないの?」

「さぁ?金持ちの家に生まれた宿命なんじゃない?堅苦しいパーティーに呼ばれて例文通りの挨拶をして、他人の顔を窺いつつ不幸の蜜啜ってるような人間ばっかだし」

「そんなんなの?ほんっと無駄な事に時間と金を使うね。君達」

「そりゃそうだよ。限られた時間で金をどれだけ集めて使ったのかが唯一誇れるようなもんだよ?まぁ僕には限られた時間が他の人より少ないし、何よりお金が嫌いだからね。自分の作ったものに他人が勝手に価値を付けてお金に換えられるなんて、想像するだけで嫌になる」



るいるいの言ってることは間違ってはいないと思う。

昨日今日で痛感する。

もう慣れたよ、こんなこと。

でも誰かの苦しそうな顔なんて見たくないよ。

薙ちゃんも、さっきの野郎も、そしてるいるいも。



「…………話重かった?まぁ忘れ「るわけないじゃん。そんなの。皆が忘れても私は忘れない。…多分だけど。あーやっぱり今の言葉なし。私昔の事思い出せないの今思い出した」……………………思い出せないの?」

「うん。思い出せないの。だから何って話になるけどね」

「そんな人生に関わるような重要なもの、だから何ってものに分類しちゃダメでしょ?」

「るいるいはそうでも私にとってその程度だもの」



るいるいは飴を落として私を凝視する。

あー3秒経っちゃったから食べられないや。

本当にそんなことどうでもいいと思ってるわけじゃない。

思い出さないといけないけど、思い出して薙ちゃん達が悲しい顔をするんだったら思い出さなくてもいい。



「そんなものより、るいるいの事だよ。人生諦めちゃダメ。じゃないとさっきの馬鹿野郎みたいになっちゃうよ。それに、どうしてるいるいの限られた時間は短いの?そっちの方が大事」

「………的ちゃんって自分の事より他人の方優先するの?僕の時間が短い理由は簡単。あんまり長生きできない。生まれたころから心臓が弱い。早ければ20代前半で死んじゃうってさ」



あれだけあったお菓子は残り3つで、チョコしか残っていない。

だけどるいるいは手を付けるでもなく、携帯を取り出して弄り始める。



「入退院を小っちゃい頃から繰り返してて、今は何ともないけどまた何時発作が出るかわからないってさ。発作が出れば僕死ぬかもしれないし」

「よし、病院行こう。レッツゴー病院」

「嫌だよー注射とか点滴とか大っ嫌いだもん」

「わかるー点滴取った翌日の痣酷いもんね」

「わかってくれるー?一週間ぐらい取れないから困るよねー」

「うんうん……じゃないよね!何話逸らしてるのもう!」

「いや、絶対逸れたの的ちゃんのせいだと思う」



るいるいは私を苦笑いで見つめながら立ち上がる。

携帯の画面をちらっと確認して制服のポケットにしまう。



「まぁお菓子も食べ終わったし、僕帰るね」

「え?まだ残ってるよ?」

「それは的ちゃんにあげるー胃もたれ起こしそーだし。そーだ、最後に一言」



るいるいの背後では橙色に染まり始めた空で、雲が足早に過ぎ去っていく様がガラス張りの天井を挟んで見えた。



「昨日初めて見て、今日まともに話してみて、やっぱりちーちゃんの思考がイマイチわかんないや。友達としては面白いけどそれ以上は考えられないなぁ」

「不細工ですって?」

「そこまで言ってないって。それにね、的ちゃん。僕も含めて…ちーちゃんと疾風は人生諦めながら生きてるような«こころの先生»みたいな人間だから、人生諦めちゃダメなんて通じないよ。残念ながら。まぁ言われたのは二度目だけど。あーそうだ。多分ちーちゃん来ると思うから、来たら適当に言っといてー」

「え!ちょ、待って「らんなーい。制作途中の作品あるもん。あ、あとちーちゃんの前ではサヌガコウを演じるんだよーん」………あー…行っちゃったし」



そう言い残して鬱蒼と茂る植物の中に消えてしまった。

言いたいことや伝えたいことはまだまだあるのに、るいるいはそれから逃げてしまった。

何もできないし、言葉にできそうにない自分が恥ずかしかった。



――――――無理矢理話を切り上げる人間ってね、怖がって逃げてる証拠。怖がりな人には怖がる理由があるのよ。

だから大きな一歩よりも小さく歩み寄ってみなさい?

そうすれば…人類にとっての偉大な一歩以上の物を得られるから。―――――――



……少しなら…頑張ってみようかな。

だってるいるい達絶対損してるもん。

鎖に繋がれた犬みたいな人生、まっぴらごめんみたいだし。

私だったらそんな人生断ち切ってでも変えてみせるけど。

お久しぶりです。

刀剣が乱舞するゲームをして、テスト勉強をして、面接練習していたら一週間すぎていました……申し訳ないです……

類君が本格的にしゃべり始めましたね。

一番出したいバカ野郎もとい、疾風を喋らせたいんですけどね。

中々うまくいかないものです…そうだ……忙しさと和睦してまいります。

もしくは999式で封印してきますね。

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