王子様と植物園
「猿かあんたは。よくもまぁ人の前で濃密なキスができますね気持ち悪い」
「どっちかってーとお前のそのくそダサい髪型とメガネが気持ち悪い」
「んだとテメェこら。もう一遍言ってみろや」
「何度でも言ってやるよ。ダッサイ髪とダッサイメガネだなぁ?取ればちったぁマシな顔なんじゃねぇか?」
「普通に繰り返すなこの野郎」
本当に二度言いよったコイツ。
今すぐにでもコイツのお綺麗なお顔をグーでビンタしたい。
いや、ココには誰もいないし、今ならできるかもしれない。
だけどどっからか視線が来ている。
バレバレっす。素人にばれるほどの視線の内容ってなんだと思う?
答えは憎悪だよ。簡単だよね。
「じゃあ気持ちが悪い私はここから立ち去った方がいいですよね?そりゃあそうだ。だって気持ち悪いんですし。私も気持ち悪いんですよ。どこか人生ごと諦めているその目」
「!」
「嫌い。大嫌い。ほんと嫌い。そんな人生、長く生きることができない人にくれてやればいいじゃん」
「……………………ねぇよ…………」
何かぼそっと言ったみたいだけど全く聞こえない。
「何。さっきまで威勢良かったのにもうしっぽ丸めるわ「俺の事を知った風にいうんじゃねぇ!お前に何がわかる!わかんねぇだろ!俺だってさっさといなくなりてぇよ。だけどな…生きなきゃいけねぇんだよ!俺は………っくっそ………思い出したくもねぇもの思い出させやがって……死ね、クソアマ」……………なんでそんな事言ってくのよ………」
眉間に皺を寄せて、どこかへ立ち去った。
痛い視線ももうない。
あー………怖かった……
「ほんとどうなるかと思ったけど……なんとかなったぁ~」
視線の主は少し遠い場所から見ていた。
となると、この植物園の外から見てたのかも。
そうなるとちょっとやばい。
もしかしたら頭のおかしい親衛隊の人かもしれない。
「ちょっとまってそれほんとヤダ…………」
「どうかしたのー?」
「うお、びっくりしたー」
先行き不安すぎて泣きそうになってると後ろから声を掛けられた。
栗色のまん丸い瞳を持つザ・美少年という風貌の男子が、両手にたくさんのお菓子を持って立っていた。
可愛いな。
「?あれーもしかして、昨日黒いセーラー服着てた子?」
「え?あ、うん」
「俯いてたから顔わかんなかったけど、地味だね~」
「笑顔でわかりきってること言わないでもらえます?」
こいつサラッと地味って言った。
もう私のHP1だよもう。
「気、悪くした?ごめんね?この植物園に知らない女の子いるなーって思って声掛けたの。食べる?ちーちゃんと食べようと思ってたんだけど、肝心のちーちゃんが昨日から上の空だから一緒に食べたくても食べられなくなっちゃったから」
「ちーちゃん?」
「うん。氏家千春」
「というか誰?」
私の横に腰を下ろして風呂敷のような大き目の布にお菓子を置く。
スナック菓子を口いっぱいに詰め込んでリスのようになるながらこちらを見上げる。
「僕?来栖類。皆基本的にるいるいとか類とか結構適当に呼ばれてるよ」
適当に呼ばれてるよってそれでいいのかそれで。
「君の名前聞きたいけどお腹減ったからお菓子食べながら話そう?はい、チョコ。隣にどうぞ」
「どうも…むぐ」
口に板チョコのかけらを入れられる。
こ、これはあーんに入る…?
美少年にあーんされるなんて貴重な体験。
「で、君の名前何?」
「名前?毛利的。この学園の事なんも知らずに入っちゃった哀れな子」
「自分で哀れっていう辺りそれほど困ってるわけでもなさそうじゃん。僕の事は適当に呼んで。代わりに君の事的ちゃんって呼ぶから」
「じゃあるいるい」
「うわー馴れ馴れしい」
「適当に呼んでって言ったのるいるいじゃん」
「ごめんわざとー!」
「何この子殴りたーい」
「僕これでも王子だから顔だけはやめてね?」
……………まじかよ。
るいるい王子なんだ………
心地よい日差しがさす。
冷や汗が再び出てくる。
「別に身構えなくたっていいんだよ?ここはSクラスしか入れないし、親衛隊は原則近づいちゃいけないとこだし。あ、僕とちーちゃんの親衛隊はね。疾風の親衛隊だけは言うこと聞かないんだ。というか疾風がなんも言わないもん。何してようと放置」
「じゃあこの植物園に近づける生徒はSクラス以外ダメなんだね?」
「そーゆーこと。Sクラス以外に近づくのは疾風の親衛隊だけ。あ、チョコがビター・マイルド・ホワイトあるけどどれがいい?」
「ふーん。じゃああれはあの猿の親衛隊かぁ…面倒だなぁ…ホワイトチョコ食べたい」
「一番カロリーあるやつ選んで…太るよ?」
「食べる前に言わないでよもう……」
と言いつつ私はチョコを食べる。
色々考えると糖分足りなくなるから困っちゃう。
というか私以上に高カロリーなチョコ食べてるよね?
「というか疾風のこと猿って呼ぶんだー面白いねー的ちゃんは」
「白昼堂々ヤってるとこ見てあれを猿と呼ばずに何と呼ぶ」
「っぷ…………ちーちゃんが惚れた意味がイマイチ分かんない」
「そのうじいえちはるって人ことちーちゃんは何者なの?」
「え?昨日会ったじゃん。漫画みたいな一目ぼれされちゃってたじゃん。何言ってるの?」
「ごめん、記憶にないよるいるい」
チョコのスナック菓子を口に運ぶ動作を止めてこちらを見つめるるいるい。
本気で?と言わんばかりに瞳で語ってる。
本当にすみません…一週間も経っちゃって……(土下座
活動報告見ていただければわかりますが、一週間に一回更新が限度です……
別サイトの方も更新ができていないので、そちらを優先的に更新します…




