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「今からご案内するのはSクラスの生徒のみしか入れない施設です」
「まぁたまに変態が逢瀬の場として使っているが……遭遇しなければいいだけだ」
「ほんと目立つとこでやりたがるバカが多いから親衛隊なんてできるんですよ……ほんと」
「なにそれ。気持ち悪」
聞いただけであまり足を運びたくはないがそれさえなければ素晴らしい所だと二人が口を揃えて言うので仕方なく進む。
そこは食堂のさらに奥。
ガラス張りの教会のような建物の中には様々な植物と花。
「ここは植物園です」
「ココがSクラスの人しか入れない施設なの?」
「えぇ。ですが、この中にアルモノが展示されてますの」
「?」
「見てみればわかる。今までの王子と姫が関与している物だ。ただの展示品でしかないが、見る価値はある」
「明治時代に建てられた貴重な建物でして、王子の元となった«君»と姫の元になった«浄光院»様の願いによって建てられたと伝えられています」
「じょうこういん?」
「清める光の院と書いて«浄光院»様です。もっとも、«浄光院»様の情報は当時呼ばれていた称号のみしかわかっていないのです。学園の生徒であったのは確かなのですが、それ以外の情報は全くと言ってわからないのです」
「大戦で資料のほとんどが焼失したというのもあるが、元から資料なんてないという説も出てきている………っとここだ」
二人の話を聞きながら進んでいくと、畳二畳ほどの少し狭い場所に出た。
その真ん中を陣取るように石の台座がある。
台座の上には赤・青・緑・黄色・紫・白の細長い布が、頑丈そうなガラスに守られている。
「綺麗な色……」
「色の王子や姫が多いことも、この刀袋が由来なんですの。明治時代の、といえば聞こえはいいですが100年近く経って尚、ここまで美しいのは中々ありませんわ。私、ここがとても好きなんです。たまに葵とお茶もしますの。的も如何ですか?美味しい緑茶をご馳走しますわよ?」
「うん、楽しみにしてるね」
「今は茶も何も飲みたくないがな」
「あぁ…あーして欲求不満を解消しないと人はパンクしてしまうのですよ。あまり気にせずにいましょう?」
葵ちゃんが指差す先には、植物園の外で男女が対面している。
対面というかキスしてる場面。
はい、アウトー。
鳥肌が立つ二の腕を摩っていると、男子の方と目が合った。
なんとなく見覚えのある茶色い瞳とワックスで遊ばせた茶髪。
一言で言うとチャらい。
死語だろうとしらない。こいつはチャらい。
奴は目を細めて見せびらかすかのように更に熱いキスを見せびらかしてきた。
笑顔で中指を立ててあげる。
うわぁ、右ストレートかましたい。
んーでもどっかで見たことあるよな……何処だ…?
「的、流石にそれはいけませんわ」
「声じゃ伝わらないから体で表現しただけだよ」
「あんな馬鹿は捨て置け。王子の一人があんなんだから私達は困るんだ……」
「え?」
王子?あんな公然猥褻物ゴリラが王子だって?
冗談じゃない。
お仲間になった薙ちゃんが穢れる!
なんで王子と姫というものが出来たのか、までは分からなくても起源だけははっきりさせてしまおうと友達に泣きついて訳わからん設定詰め込んだんですが、もうこの際«君と浄光院»の話を書いてしまおうと、執筆してます。
明治時代の学生事情とか調べていると滅茶苦茶楽しくてはかどらないんですけどね!
あ、金曜日に上げる新作は«君と浄光院»じゃないですすみません




