2
「錦木匡だよ。前々から言ってるのに…いい加減覚えてほしいなぁ」
「誰がお前みたいなクズの名前を覚えるんだよ」
「俺だってさ、正直に言うと君みたいなこの腐った学園に入学したばかりの人に王子なんてやらせちゃダメだと思ってたんだよ。目星つけてた奴は早々に中等部で卒業するし……どう考えてもどう転んでも君以外に適任はいないと思ったからね。何年ぶりかの«緑の王子様»なんだから胸を張ってもらうと嬉しいなぁ」
「知るか。俺は的が無事に過ごせると約束をしたから引き受けただけ。それ以外どうでもいい」
「そんな~…これでも学園設立当初からあるんだから少しは気にしてよ~………久々だね、火久。君はいつも白銀さんと一緒だからメッキリ姿を現さなくなったし…元気にしてたかい?」
「………」
「そんなあからさまに無視しなくても…まいっか。さてさて…元々斑鳩君も用事があったんだろ?正直君の用事を優先したいところだけど今日は諦めてくれ。ごめんねぇ、最後の仕事があるもんだから時間がなくって。わかるよ、斑鳩君の用事は。いつでも受け付けてるから大丈夫。あ、ただし女の子の前以外で殴ってね」
錦木は余裕を持った笑みを浮かべ、無視をする火久を気にすることなく、茶色く年季の入った封筒を薙に渡す。
イライラと顰めっ面の薙は腕を組み受け取ろうとしない。
錦木は苦笑いを零しつつも無理矢理薙の制服のポケットに封筒を入れた。
「それは俺からのプレゼント」
「返す。こんなもの要らない」
「そんな心底嫌そうな顔しないでよ…なかにはかなり大切なものが入っているから。絶対に封筒ごとなくしちゃダメだよ。それに学園長が良しって言うまで開けちゃダメ。あともう一つ…あーそうそう…君の幼馴染みだっけ?新入生歓迎会の時に面白そうだねって白銀さんが言ってたよ」
「…………」
「俺が居たとこからは見えなかったけどあの大和泉と王寄が両脇陣取ってたらしいじゃん。撫子ちゃんに睨まれるーって言ってどっか消えたけど。多分今頃コンニチハしてると思うよ」
「…………的…!」
「まぁまぁ焦らずとも何もしないと思うから大丈夫だよ。火久もここにいるし、何かあったら教えてくれるから……だから白銀さんには気をつけなよ…あの人、斑鳩君の幼馴染みさんを学園のお姫様にするつもりらしいよ。王子となった君ならわかるだろう?……この役割がどれだけ汚れてて薄暗くて気持ち悪いか」
余裕のある笑顔から一変、真顔になり真面目な顔で囁く錦木の姿。
流石の薙でも余裕が無くなる。
彼らは白いお姫様…雛罌粟枳の素顔を垣間見ているのだ。
それと共に、王子と言う名の役割の酷さと醜さを知っている。
「自分の大切な人が白いお姫様の玩具にされたくなかったら……まぁ頑張ってね。それじゃ俺はこれで」
錦木が先ほど同様に余裕のある笑みを浮かべながら去っていく。
火久もいつの間にか居なくなっている。
薙は暫くその場に留まっていた。
俯いていた顔を上げ、城のような校舎を仰ぎ見る。
「絶対に……………ない…そんな事は俺が…させない」
そう言って校舎に向かって歩き始めた。
«第三者side end»
どうもこんにちは、怒涛の更新2回目です。
新キャラの名前判明しましたね。
何時ぞやか、暫くは薙のターンとか言ってたのは嘘ですすみません
いや、ずっとイケメンのターンとか誰得なんだと削り節の如く削りました
薙は分かってないんですよ……主人公の周りでフラグが乱立しているのを…まぁ、片っ端からKamehame波で焼いていくんですけどね




