斑鳩薙の哀しくない葛藤
«第三者side»
的が雛罌粟枳と会っている同じ頃、斑鳩薙は的が迷っていた森の中に足を踏み入れていた。
伊達眼鏡の奥の瞳は怒りが満ちている。
自分をこんな身に、且つ的と離れるように細工をした人物に会うために。
鬱蒼と茂る森の中。
道のない森の中、道がわかりきっているかの如く薙は進む。
暫く進んだところで、目の前にゴスロリの様な恰好をした幼い少女が進行を阻んだ。
薙は苛立ち、舌打ちをする。
少女はそんな薙を見つめ続ける。
沈黙を破ったのは幼い少女だった。
「怒りは…無謀によって始まり、後悔に終わる……」
「五月蝿い。黙れ。お前に……お前らになにがわかる」
「ぜんぶ………しってる…………わたしたち………全員…」
「恥知らずな奴らだなお前ら。腐ってやがる」
「くさってるうんぬん…………どうだっていい………あなたが……これから…しようと……してることは…まちがってない…………?」
「間違ってない。間違っていたら俺が正しいと証明する」
「しょうめいして………なにに…………なるの」
少女の虚ろな瞳は薙の瞳を見つめる。
居心地が悪そうに視線から目をそらす。
薙は一目見た時からこの少女が面倒だと本能的に悟っていた。
「あなたがソレのやくわりをおしつけられて…やくわりをかいだくしたから…あのこはあんぜんなんでしょ…?あのこじしんは………ねがいをきいて……なっとくしてないみたいだけど……ふふっ………あなたのおもいはとどいていないみたい……かわいそうに…」
「黙れ……」
「わたし……火久。あのこのおもりをまかされちゃったの…あなたのせいで」
「引き受けたのはお前だろ」
「そうよ…?でもあなたがねがって……こうなっているのが嫌だわ」
虚ろだったはずの瞳に光が射す。
火久が時たまに見せる意思の強そうな瞳も薙は大嫌いだった。
あぁ、何故なのかわかった、あのブスを思い出すからだ
薙は1人納得して視線を火久から外す。
「イカルガさん……もしも罪滅ぼしのつもりでこんなことしているのなら…それは有難迷惑になると思うの……聞いてる?………あれ、聞いてない………しょうがないか……勝手に傍観者しましょっと」
有難迷惑だろうが、今の当の本人はそんなことはどうでもよかったのだ。
ただ目の前にいる人物を睨みつける。
「こんにちは、いいお天気だね。寒い4月上旬のいい天気だ。俺の事覚えてる?」
「覚えてるも何も俺にクソな役割を押し付けたクズだろ」
明るい茶髪で片目を隠し、苦笑いをこぼす青年。
灰色のネクタイを緩くしている。
毎度恒例評価いただいた時の怒涛更新一回目です
今回は1日だけじゃなく3日程続けますよ!
ヤバい!別サイトも進んでいないのにこっちばっかり更新してるからストックがなくなってきたぞ!
最後のヤツは次回にでも名前が出てきます。
それなりに重要人物だからこうご期待




