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いつのまにかほっぺの広げあいは決着が着かずに終わっていた。

二人とも睨み合いは終わっていないけど。



「はぁ……早く着替えたらどうだ、的。流石に動きにくいだろう。それじゃあ」

「あ、うん……」



確かに、葵ちゃんはダサいと言っていた制服に腕を通している。

どんな格好をしていても足がすらっと長いことが丸見えだ。

あぁ羨ましいなぁ……私に数センチでもいいから下さい。

悪いようにはしませんから。



「じゃあな、物好き」



葵ちゃんは勝ち誇った顔で私を背後から抱きしめる。

ドキドキするんだけど。

え、葵ちゃんからミント系の香りがする……



「ちぇっ、ワタシずっとSクラスにいればよかった」

「今さら後悔しても遅いな。一学期は一緒にはなれないからな」

「ほんとーコーカイしてるよ……じゃあね、縁があったらまたねー」



そう言ってジャラジャラと熊やウサギや蛙のキーホルダーを鳴らして、レオノーラは去っていった。

もう少しお話したかったなぁ……



「お前ほんと物好きというか変わった奴に好かれるというか……」

「物好き?」

「アイツが誰だかわかっていれば……はぁ……」

「え。レオノーラ何者」



葵ちゃんと一緒に更衣室に向かう。

そういえば葵ちゃんに連絡しておいたと言っていたし、それなりに親しいのかな。



「レオノーラは……Sクラスから《落ちた》奴だ。しかもあいつ自身が《落ちたい》と言っていた」

「落ちた……?」

「あぁ、学期ごとのテストで何もせずに全教科0点を取ってな。中等部の3年の時にSクラスから《最底辺》のKクラスに行った。Kクラスは学園が抱え込む問題児の……まぁ肥溜めの様なクラスだ」

「なんでそんなクラスがあるの?」

「詳しくは知らない。撫子は知っているだろうが、遠回しに言うだけで肝心な答えを言わないからな。噂の範疇(はんちゅう)だが…Kクラスは………姫や王子を選抜するのに必要らしい」

「必要って………」



ふとロリータ幼女と小豆色のジャージを着た二人を思い出した。

それと、見覚えのある迷彩服。

三人とも撫子の名前を知っていて、さらに私がSクラスであるかどうか聞こうともしていた。



「それ以前に《落ちた》せいで周りの目はかなり冷たいモノにはなったな。本人は言葉で黙らせるかケロっとしているが。なるべく上のクラスには媚を売る。媚を売っていた相手が自分より下の地位になれば罵るだけだ」



ここは昼ドラでも繰り広げられるの?

………慣れないとダメかな?



「素晴らしいだろう。腐りきってて」

「そこは誇るところじゃないと思う」

「そこぐらいしか誇れるものがないからな」



葵ちゃんが苦笑いしながら更衣室のドアを開けると、撫子が突進してきた。

そして私が床ドンされる形で撫子を止める。

背中痛い…

目の前の撫子は気にする素振りも見せずに息を荒くしながら私を見つめてくる。

取りあえず退いてほしい。



「あぁ!!!的!!!よかった!!!レオノーラと一緒にいると聞いてもう……!あの新しい王子といい………なんで私の的になれなれしいのかしら!」

「いや、一応薙ちゃんは幼馴染みだから」

「そんな設定私の前では通じません!」

「設定!?」

「えぇ!そんな幼馴染みという名の美味しいポジション私が掻っ攫ってあげますわ!」

「いやいや、覆せない事実だし…」

「それより何かされてません?学園長とかレオノーラとかから」

「切り替え早いなぁ」

「勿論です。この様子だと大丈夫みたいですね。安心しましたわ」



撫子は立ち上がって私に手を差し伸べる。

その手を取って立ち上がろうとした時に目についた撫子の服装。

まさかの朱色の着物。

着物だ。日本の伝統的な服装だ。

しかし、ここは現代日本。

服装がほとんど自由とはいえ、流石にココで着物を着るというのは撫子だけだろう。

手を取らずに固まった私の顔を伺う撫子。



「どうかしました?やはり何かされました?」

「き、着物………」

「私、基本的に着物じゃないと落ち着かないんです。なんかこう…洋服を着ていると…イライラしますの。着れないことはないのですけど、私物で洋服なんてあまり持ってないですわ。和服の方が多いんです」



洋服を嫌ってる人初めて見た。

普通、洋服を着慣れているから浴衣とか着物とか歩きにくかったりすると思うけど、多分撫子は逆だ。

着物に着慣れているから洋服は着慣れていないんだ……



「逆に私は着物が着れない。あんな胴体圧迫する服装慣れるものか」

「まぁ、普通は葵ちゃんみたいな考えの人が圧倒的に多いよね」

「的まで言います?洋服の様な華やかさはありませんけど、奥ゆかしさはありますわ。それに……」

「それに?」

「なんといっても脱がしやすく、はだけだ時の露出か「黙れ」あらこれからがいいところでしたのに。ロダンも言っています。着物を脱ぐ女性は雲を貫く太陽だ、と」

「しるか、お前は変態すぎる。少しは控えたらどうだ。その部分」

「私の辞書にはセーフティという言葉はありません」

「今すぐ作れ」

「善処しますわ」

「あーハイハイ!私着替えるね!」

葵ちゃんみたいなイケメン女子(?)が友達に居て、いっつも心の中であぁ……今日もイケメン……とひっそり思いながら過ごしています

ちょっとしたネタバレなんですが、葵ちゃんから香る匂いがミント系なのは訳があります

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