始まる
転校生が来た。
でも僕には関係ない
どうせ、僕をいじめるだけだから・・・。
「どもっ!!奇跡学園から来ました、東條千景です!ちなみに美光中学出身です!よろしくっす!!」
可愛いな、とか
偏差値高いところいたなー
とか
そういう歓声が聞こえた
「質問とかあるっすか?」
「はいはーい!!!今フリー!?」
飯嶌直人。
いじめグループの中心だ。
「生まれてこの方ずっとフリーっすw」
「マジで!?じゃー候補しちゃおっかなw」
この二人は絶対に手を組む。
僕の味方なんて、いないんだ。
「じゃー、東條は如月の隣な。」
「了解でーす」
僕の隣・・・。
窓際の一番奥だ。
「よろしく!!名前、なんだっけ?」
「如月・・・、如月琉威。」
「如月くんね!!」
休み時間
「東條さん、奇跡学園ってどんな感じだった!?」
「すっごい楽しかったよ!」
「千景ちゃん、今日の夜は空いてるかい?遊ぼうよ」
「ごめんね、今日は合気道があるんだ」
「合気道!?」
「うん。小学低学年からやってるよ!」
「今何級?」
「3段ですwもう指導者とかになっても大丈夫みたいだから、今度は師範初段目指してますw」
すげえぇぇぇええ!!!!
教室にその言葉が次々と溢れた。
彼女は苦笑いしたままこちらを見ていた。
「如月くん、ここっていつもそんな感じなんだ?」
うなづくと
「へぇ、なんかキセ学と変わらないなw」
「東條、そんなゴミクズなんかと話してないでこっちこいよ!!!」
彼女は顔をポカンとさせていたがなにかを囁かれたときは目が出るほど大きくさせ、
こちらを向いていた。
あぁ、また僕は一人ぼっちか。
そう思ったが、
「如月くん、私課題やってないからちょっと見せて!」
昨日は話してなかったのに次の日、また話しかけてきた。
飯嶌達は、驚いている。
「東條、こいつ・・・頭洗ってないんだぞ?」
「いやいやwwwwwwまさかwwwだって昨日からずっとメリ●トの匂いがプンプンするもんww」
その会話が続くことはなく、そのまま授業の始まりのチャイムが、沈黙した教室に鳴り響いていた。