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僕の親友は爆炎を愛する厨二病  作者: 春風拓也
第1章 爆炎魔女の隣は忙しい
3/25

第3部 タケは闇の教団に入信したらしい

最後まで読んでくれると嬉しいです!

あの爆発から半日後、タケは村の端にある、少し古びた石の壁の前にいた。昨夜、ゆいが「闇の神殿の結界を破る実験」と称して爆破した跡の、すすと焦げ跡を消す作業をしているのだ。

「ちくしょう、本当に爆発力だけは無駄にあるんだよな、あいつの魔法は……」

タケは濡れた雑巾でゴシゴシと壁を擦る。ゆいは『聖衣ローブ』の汚れを気にし、こんな地味な作業は絶対にやらない。結局、後始末は全て『凡庸なる従者』であるタケの仕事だった。

「なんで俺がこんな地味な爆発処理班みたいなことやってんだ……」

ため息をつきながら、タケがふと顔を上げたとき、数メートル先に村のおしゃべり好きで有名な、おばちゃんが立っているのに気がついた。

おばちゃんは、タケの手に持たれた焦げた鉄屑(エサ皿の残骸)と、彼が擦っている壁の黒い焦げ跡、そして何よりタケの暗い顔を交互に見つめていた。

おばちゃんの目が、ゆっくりと大きくなる。

「あら、タケちゃん。あんた、そんなところで何してるんだい?」

タケは焦りながら、とっさに言葉を探した。ゆいの魔法のことは絶対に秘密だ。もしゆいが魔法使いだとバレたら、村で大騒ぎになる。

「え、あ、おばちゃん。これはその、ええと……」

タケは焦げたエサ皿の残骸を咄嗟に隠そうとしたが、時すでに遅し。おばちゃんの推理力は、ゆいの爆発魔法よりも強力だった。

「あらまぁ、大変だねぇ。それ、やっぱり……」

「やっぱり?」

「闇の魔導教団の儀式の痕跡を消してるんだねぇ」

「……は?」タケは素っ頓狂な声を上げた。

おばちゃんは声をひそめ、さらにタケの耳元に囁くように言った。

「あんた、最近、あの黒いローブの怪しい子と、コソコソやってるの、みんな知ってるんだよ。夜な夜な森の奥で、大声を上げて火を吹いてるって。あれはきっと、生贄の儀式か、魔導の契約だよ」

「ち、違いますって!あれはただの……」

タケが口ごもると、おばちゃんはタケの背中を、同情するようにポンポンと叩いた。

「大丈夫だよ、タケちゃん。今の世の中、みんな悩みがあるからね。教団に入るのも仕方ない。でもね、あんな黒焦げになるまで熱心に『入信の儀』をやるなんて、本当に真面目な子だねぇ、あんたは」

「入信してないです!俺はどこにでもいる村人です!」

「あんなすごい火を、手から出してたんだろ?タケちゃんも、もう幹部クラスなんだね。村人代表の顔が汚れるって、心配しなくていいんだよ。おばちゃんは、秘密にしとくから!」

おばちゃんは、そう言って一方的に納得し、ニッコリ笑って踵を返した。タケが何を言おうと、もうおばちゃんの頭の中では『タケ=闇の魔導教団の幹部』で話は完結しているようだった。

「タケちゃん、体、大事にね!魔力は体に毒だからね!」

そう言い残して去っていくおばちゃんの背中に、タケは絶望的な気持ちになった。

(なんだこれ……。なんでエサ皿の残骸一つで、俺のキャリアが闇の宗教家に変わるんだよ……)

その瞬間、遠くの茂みから、ゆいの得意げな声が聞こえてきた。

「フフフフ……タケよ!我が闇の力が、ついに俗世の住人に誤解ミステイクを与え始めたようだな!これも終焉への序曲プレリュード!」

タケは、焦げた鉄屑を握りしめ、叫んだ。

「ゆい!出てこい!てめぇのせいで俺の村での信用が、闇の教団レベルに落ちたぞ!」

今日も、村人タケの平穏は、爆発魔法使いゆいによって見事に爆散していた。

最後まで読んでくださりありがとうございました!

また別の作品も読んでくれると嬉しいです!

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