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僕の親友は爆炎を愛する厨二病  作者: 春風拓也
第3章 終わりと始まりは共に
24/25

第24部 英雄の帰路と揺れる馬車の中で

最後まで読んでくださると嬉しいです!

「……ん、……ここは?」

重い瞼を開けると、視界に入ってきたのは見慣れない白い天井だった。鼻を突く消毒液の匂いと、清潔なシーツの感触。どうやら僕は、大通りで気を失ったあと、病院に運び込まれたらしい。

「タケ! 気がついたか! 貴様、この私をどれほど動揺させれば気が済むのだ!」

ベッドのすぐ横から、聞き慣れた、でも今にも泣き出しそうな声がした。

そこには、僕の手を両手で包み込むように握りしめているゆいがいた。彼女の眼帯は少しずれていて、その下にある瞳は赤く腫れている。


「ゆい……。ごめん、また心配かけたな」

「当たり前だ! 私の魔力でも治せない『出血』などという原始的な現象で倒れおって……! 本当に、ただの凡庸なる従者だな……」

ゆいは毒づきながらも、握った手を離そうとはしなかった。

そこへ、カツカツと足音を響かせて、数人の衛兵たちが病室に入ってきた。

「目覚めたようだね、少年。……君たちの勇気ある行動には、街の全員が感謝している。あのならず者たちは、君がひるませてくれたおかげで全員捕縛できたよ」

衛兵の隊長らしき人が、深々と頭を下げた。

「これは街からの感謝の印だ。君の治療費はもちろん、村までの帰路も手配させてもらった。」


数日後。

僕たちは街の人々に見送られながら、立派な幌馬車に揺られていた。

「すごいな……。行きはあんなに苦労した道を、こんなに快適に進めるなんて」

僕は、包帯が巻かれた自分の手を見つめながら呟いた。痛みはもうほとんどない。

「ふ、ふん。当然の報いだ。魔王(ならず者)を退けた勇者には、これくらいの供物が相応しい」

ゆいは隣でふんぞり返っているが、その手には、あの喫茶店でもらった「漆黒のザッハトルテ」の残り(お土産用)が大事そうに抱えられている。

ガタゴトと馬車が揺れる。

ゆいは時折、僕の怪我をした方の手をチラチラと見ては、何か言いたげな顔をしていた。

「……タケ」

「ん?」

「その……今回の旅は、私の『魔力の暴走』のせいでもあったが……貴様がいなければ、私は……」

ゆいはそこまで言うと、急に黙り込んで僕の肩に頭を預けてきた。

「……村に着くまで、寝る。……起こしたら、爆破だ」

「ああ、ゆっくり休めよ」

窓の外には、懐かしい村の近くにある森が見え始めていた。

今回の大冒険。怪我もしたし、怖い思いもしたけれど、隣にいる彼女の体温を感じながら、僕は「この旅に出て良かった」と心から思っていた。

最後まで読んでくださりありがとうございました!

また別の作品も読んでくださるとうれしいです!

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