第23部 乱闘の市場にて
最後まで読んでくださるとうれしいです!
ー注意ー
このお話には、少し残酷な描写(乱闘でけがをしてしまい出血するシーン)がありますので、少し苦手な方、心配な方は、この話を飛ばして次の話をみてくださるとありがたいです。
ーーーー
市場に鳴り響く不穏な鐘の音。
平和だった空気は一変し、人々が悲鳴を上げて逃げ惑い始めた。街の入り口付近では、真っ黒な煙が立ち上り、何かが爆発したような轟音が響いている。
「タケ! あれは……『虚無の軍勢(ならず者)』の襲撃か!?」
ゆいが鋭い目つきで杖を構える。せっかく買ったばかりの新しい服が入った袋を、彼女は落とさないように強く握りしめていた。
「ゆい、危ないから下がってろ! せっかくの服が汚れちゃう!」
僕はゆいの前に一歩踏み出した。相手は大きな斧や棍棒を持ったガラの悪い男たち。普通の人間なら足がすくむような光景だけど、不思議と怖さはなかった。
「何を言っている! 護衛対象が前に出てどうするのだ!」
「いいから! 俺の取り柄は、このメンタルだけなんだ。 どんなにピンチでも、なんとかなるって思えちゃうんだよ」
ゆいめがけて、斧を振り上げながらガラの悪い男が、走ってきた。その前にそっと立ちふさがる。
「ひゃっはー! 邪魔だぜ、小僧!」
「…黙れ」
僕は斧の柄を素手でガシッと掴み、そのまま強引に引き寄せた。
「てめぇ、ゆいに手出そうとしたな。」
「なっ、なんだこの馬鹿力は……!? てめぇ、怖くねぇのか!?」
「無駄口たたいてないで、とっととくだばれ腐れ外道。」
そのまま、石臼を軽々と持ち上げる要領で男の襟首を掴むと、片手でひょいっと放り投げた。男はゴミ袋のように吹っ飛び、積み上げられた空の樽に突っ込んで動かなくなった。
「タ、タケ……貴様、本当にただの従者なのか……?」
後ろでゆいが驚愕の声を漏らす。
「あ、ごめんね!ちょっと頭に血が上っちゃた」そう僕は、陽気に言った。
「さて、次は誰かな?」と言いさっきの男の取り巻き達を睨み付けた。
睨み付けられて、顔が一気に青ざめて、逃げ行ったが、その先で衛兵に取り押さえられていた。
「手が熱い」そう呟いてふと手を見たら、手は、真っ赤に染まり血が絶えることなく流れ続けていた。
「あぁああああああ」
それに気づいたとたん、頭が割れるように痛くなり、視界がぐるぐると回ったと思えば、気を失ってしまった。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
また別の作品も読んでくださるとうれしいです。




