第1部 始まりの村にて
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「あ!どうも、ただのどこにでもいる村人です。俺の名前はタケ、14歳。ご覧の通りの至って平凡な村人だ。農作業を手伝い、夜は星を見て、特別なことなんて何もない毎日を送っている……はずだった。こんな、村人でも他の人とちょっと違うところがあるんですよ!」
(タケが、咳払いをして耳元に手をやり、小声で囁くように)
「魔法使いと友達ということです!!」
その言葉を締めくくった瞬間、背後から、大げさな溜め息とともに、声が飛んできた。
「フンッ!凡庸なる従者よ、何をブツブツとくだらない独り言を垂れているのだ?」
振り返れば、そこには友人であるゆいがいた。どう見ても真夏なのに、ダボダボの黒いローブに身を包み、片目には装飾過多な眼帯を装着している。彼女は、近くに生えていた小さな雑草に向かって、右手の手のひらを突きつけていた。
タケは額に手を当てる。
「ゆい、あんま、藪から棒に話しかけるなよ。あと、そのローブ、絶対暑いだろ。脱げよ」
ゆいはタケのツッコミなど聞こえていないかのように、芝居がかった声で叫んだ。
「貴様のような俗世の住人には理解できまい!この『深淵の闇のローブ』は、我が魔力を封じ、世界の均衡を守るための聖衣!それに、この目の奥には、世界を滅ぼすほどの爆炎の魔力が宿っているのだ!フフフ……」
「いや、単なる中二病の衣装だし、その眼帯の下の目、さっき見たとき普通に充血してたぞ」
「――ッ!」
ゆいは、タケの言葉に一瞬だけ素に戻りそうになったが、すぐに体勢を立て直した。
「うるさい!貴様は爆発の美学を知らない愚か者だ!いいか、タケ!この世界で最高の魔法とは――究極の破壊と、それに伴う圧倒的な閃光! すなわち爆発なのだ!」
そう言うと、彼女は手のひらを向けた雑草に、指先から小さな火花を散らした。
「我が魔力の開放を許せ!」
「やめろゆい、その雑草は家のヤギのエサになるやつだ!」
タケが叫ぶ間もなく、バァン!!という、やけに派手で大袈裟な音とともに、ゆいの手のひらの前で小さな火花が爆発し、雑草は焦げ付いた。
村人と魔法使い(ゆい)の、騒がしくも平凡な日常が、また始まった。
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