表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/10

sparkling morning 〈side 心〉

「…はい。それで、入隊希望の新入生が来てしまいまして…」


(それどんな子ー?)


「中学から楽器を続けており、大事な楽器を教育委員会に壊された…なんか殺気がすごい子です。」


(えー、だいかんげーい!楽器も絶対上手だし…いいよ!入隊をきょかするぅー!)


「ありがとうございます、本部長。」


(いえいーえー。にしても、心はいつもお仕事真面目に頑張ってるねぇ〜。マジSUGOI☆いつもありがとねぇ〜。じゃ、またなんかあったら連絡よろー♪)


「はい。失礼します。」




なんであの人はあんなテンション高いんだろう…。なんだろう、めっちゃ美希に似てる。もしかしてあれか、トランペットか。


いやぁ…ちょっと分かり合えない気がする…。




第三部隊部長、心は、猛烈に困っていた。


顧問が上機嫌だったことによる一瞬の入隊OKに、唐突な本部長からのいつもありがとねの言葉。本部長って感謝できたんだ…の驚きにより、心は数秒フリーズしてしまった。


そして、今の、秒で終わった入隊許可取り。正直、え、そんなゆるくていいの?と思ってしまった。


そして、予想外に早く終わってしまった、が重なり…。


(やばい…音ちゃんの分の譜面、譜面台、練習機材、名前…なんにも確保できてない…。)


圧倒的危機に陥っていたのだ。


一応いろんなパートに聞きまわってみたが、どこも余りはないという。トランペットは主戦力で人数も多いため、練習場所など余ってないだろう…。


BrassBandの練習場所は、少し特殊だ。専用のパソコンを開き、ヘッドホンを装着すると、仮想世界、sparkling morningに通じる。ここでは視覚、聴覚、触覚が仮想世界に移り変わり、吹いた感覚、音は感じられるが、実際はその場から動いておらず、ただ動画を楽しんでいるようにしか見えないという優れものだ。


(まあ、一応トランペットなんだし…聞いてみるか。)


たしかトランペットパートは3階のつきあたりの教室…だよね。


「…美希ちゃーん?…いる?」


「あ、部長、こんにちは!…先輩なら、さっきどこかに…」


「あ、そう…。うん。わかった。ありがとう。」


えー…いないのかぁ…めんどぉ…


(…歩いて探すかぁ)



「ホルン、美希知らなーい?」


「知りませーん」



「フルートぉ、美希知らない?」


「…わかりませんねぇ…」



「クラリネット?美希知らない?」


「ちょっと見てませんねぇ。」



「美希知らない?」「うーん…」



「美希見てない?」「見てないなぁ…」




(ぜんっぜんいない…疲れた…。いったん自分のパートもどろ。)


ガチャ


「ただいま…。疲れた…。…え?」


「あ、ここちゃーん!!いたぁー!ずっと探してんだよ?」


…それはこっちのセリフ…

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ