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徒然 その10 聖歌 讃美歌

リハビリの専門学校から退学勧告を受けて、寝込んだ。

そして確か、5日目か6日目の夜。6日目としておく。切りがいいので。


時間は心霊体験で金縛りにあった時と同じちょうど深夜の2時ぐらい。


どこからともなく、讃美歌が頭の中に響いて来た。

讃美歌というのか、聖歌というのか良く分からないけど、とても綺麗な歌声だった。


もう直ぐに死ぬんだと思った。


動く気力が全く無かった俺はその頭の中に響く歌声が聞こえなくなるまで、ぼんやりと聞いていた。


その頃は気力も尽きて思考する事もままならなくなっていたと思う。


次の日は迎える事が出来た。


そしてまた動く事すらできずに夜が来て、同じ深夜の2時頃。


また再び、昨日聞いたのと同じ美しい歌声が響いて来た。


でも昨日とは違う事があった。


聞こえる歌声、頭の中からじゃない、、耳から聞こえる、、、。


そう分かった時にハッとした。

どこだ?どこから聞こえるの?


重い体、上半身を起こして耳を立てる。

・・・確かに現実に聞こえてくる。


俺は1週間ぶりに立ち上がった。

本当に体が重くフラフラし、何かに掴まらないと思うように歩けなかった。


それでも聞こえてくる声を追うように家のドアを開けて外へ出た。

同時は公営住宅のマンションの5階にいた住んでいた。


エレベーターで下に降り、歌声のする方へ向かって行く。


響く歌声はとても近くなり、本当に聞こえる事にも驚いた。


家の近くには黄色い電車が特徴的な南武線が走っている。

その線路に沿うように続く歩道に1人の女性が歩いている姿が目に入った。


大きな声で美しい声で聖歌を歌いながら。


自分も線路横の歩道まで来て、歌いながら歩いていく女性の後姿を見送った。

良くは思い出せないが、おばさんと呼べるくらいには年配の女性だった。


その歌声を聞きいていると、感情が湧いて来た。



生きなきゃ


ただそれだけ。


家に戻ると俺は土下座してオカンに謝った。


ごめんなさい。もう一度、頑張るから。

頑張って生きるから。


それだけ泣きながら伝えたと思う。

次の日からは起き上がって、ご飯を食べた。


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