夜空錬 別名:森羅万象の錬金術師・灰塵の錬金術師
『校舎ボロっ!』錬金術科の校舎を見たとき、最初に出た言葉はそれだった。外装は木造で所々腐り落ちており、壁も床も穴だらけ。校舎の中は水も灯りも無く、昼とは思えないほどに暗かった。「しょうが無いのよ、錬金術科に入ろうとする人なんてかなり前から居なくて、去年入ってきた私で50年ぶりの生徒だそうよ。」校舎の中を案内しながら彼女は言う。『えっと…百鬼依姫さん?』「依姫で良いわ。」『もしかして…寮も?』「ええ、同じような感じでかなりボロボロね。」『…ちょっと学園長に話をしてくる。』そう言うと全速力で学園長の元に向かった。
【学園長SIDE】
…彼が窓から飛び込んできていきなり『いくらなんでも校舎と寮がボロボロ過ぎませんが!?』と言ってきた。そんなこと言われても改築する費用が無いと言うと『じゃあ、校舎と寮を住みやすいように改造させて貰うけど良いか?』と、言われたので許可すると窓から飛び降りていった。「ここ、一応4階なんだけど。…そう言えば彼は一体何者かしら?」ふと気になり、学園のデータベースにアクセスして過去に存在した錬金術師を片っ端から調べる。「…これね、【夜空錬】」数分後、彼と思わしき錬金術師のデータが見つかった。「夜空錬:彼の出生については多くの謎がある。五百年前にヨーロッパで錬金術師として活動していたとされるが、その三百年後にも目撃されている。現在、博物館に保存されているが専門家によると彼は死んでいるのでは無く、眠りについているだけと言われている。彼の特筆するべき能力は錬金術で彼の錬金術は無から有を生み、森羅万象を創り出すと言われている。戦場でも目撃され多種多様な魔術や森羅万象を変化させて戦っていたとされ、彼の戦いの後には灰だけが残ったとされる。その事から彼は別名:森羅万象の錬金術師、または灰塵の錬金術師と呼ばれていた。」…私は呆然としていた。この情報が正しければ少なくとも彼は…個人で世界を破壊できる。
【依姫SIDE】
『始めるよ。』彼が戻ってきた後、一言『許可貰ったから改築する。』これを聞いて不可能だと思った。錬金術はそこまで大規模な事はできない。更に材料も無いのに錬金術は発動できない。それがこの世界の常識…だと思っていた。『万物錬金』彼がそう呟くと建物が変化していった。ボロボロだった廊下や壁は穴が消え材質も新品のようになり外装も今にも崩れそうだったのが新築のような見栄えで更に魔術的な保護もかかっていた。「貴方…今、何使ったの!?」『錬金術に決まってるよ。』そう答える彼の顔は得意げだった。