出発
翌朝、コボルト達を集めて話をする事にした。
「はいはい。みんな集合!」
レンの言葉にコボルト達が素早く集まってきた。
「え〜、俺とアインスとフンフとツェンは『朝焼けの光』のみんなと一度街に戻る事にした」
「ワォン?」(戻って来ないのワン?)
フラットコーテッドレトリバーのコボルト・フィアが俺に尋ねる。
「勿論、直ぐに戻って来るよ。その間、ドライがリーダーになってみんなをまとめて欲しい。ツヴァイとフィアはサブリーダーだ。ドライを補佐するようにね。その下にゼクス、ズィベン、アハト、ノインがついてくれ。それから、ヘレナもここに残るからヘレナの言う事は聞くようにね」
「ワンワン」(一緒に行きたいワン)
「ツヴァイとフィアとドライがみんなを守ってあげるんだよ。君達の力に期待しているんだ。ゼクス、ズィベン、アハト、ノインもね」
「ガウガウ」(マスターがいない間、皆を守ってやれば良いのかワン)
「ドライ、皆でゴブリンなどから防衛するんだ。それから俺達がいない間は村の片付けと並行で訓練もしてね」
「ワォンワォン」(コボルトが来たら仲間にしても良いのワン?)
「フィア、逃げて来たコボルトやここに住みたいって言うコボルトが来たら仲間にしてもいいよ。クリーンで綺麗にしてあげて、食事も食べさせてあげなさい」
「ワォン」(了解だワン)
「ゼクス、ズィベン、アハト、ノイン、俺が戻るまでに更に成長している言葉を期待するぞ」
「アフ」(任せてワン)
「ウワン」(了解だワン)
「ガフ」(期待してワン)
「ウォン」(頑張るワン)
「それから、みんなで集めた武器も好きに使っていいから。槍の穂にしたり、マチェットの代わりに使ったりして良いよ」
「ガフガフ」(俺はこれを使うぞワン)
ワイマラナーのコボルト・アハトが鉈を手にするとアイリッシュウルフハウンドのコボルト・ゼクスとグレートデンのコボルト・ズィベンも鉈を手にした。
「アインス、もしもの為に回復薬は置いて行こう。それからいつもの謎肉はマジックバッグにはいってるのか?」
「ワフワフ」(そうだワン)
「じゃあ、回復薬と謎肉も置いていかないと駄目だから、マジックバッグごとドライに預けるか」
「ワフ」(分かったワン)
「ああ、そう言えば。ツェンまで名前をつけたが、数も増えたので頭角を表した者にしか、今後は名前を付けないからね。俺に認められるように頑張って! 以上」
「ところで、ツェンの従魔の首輪はどうするのかな? 街に入るのに必要じゃない?」
ヘレナが従魔の首輪を持ってレンに尋ねる。
「冒険者ギルドで買おうと思ってたよ」
「テイマーズギルドでも従魔の首輪は用意しているのよ。と言うか元々テイマーズギルドで扱ってたモノ何だけどね」
「ああ、そうなんだ。ツェンの分を一つ買うよ」
「ふふ、お金は良いわよ。持って行きなさい」
「良いの? 有難う」
レンはヘレナから貰った首輪をチベタンマスティフのコボルト・ツェンに着ける。冒険者ギルドと何かあったようだが、深くは聞かないようにして………。
そして、レン達は辺境の開拓村を後にした。
日中は寄り道をせず進み。野営や休憩中にフェルダーとエリーが秋田犬のコボルト・アインスとツェンの指導を行い。
ゲイルはシベリアンハスキーのコボルト・フンフに指導の仕上げを行う。
アインスとツェンも見る間に上達して行くのが分かる。
レンは食事係として忙しいので、訓練には参加しないのであった。
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