表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/28

ゼクス、ズィベン、アハト、ノイン、ツェン

 ヘレナは馬車の屋根から飛び降りるとレンの元に駆け寄り堰を切ったように話し出した。


「なに、この子達。信じられないんですけど。ゴブリンより強いコボルトなんて初めて見たわよ。馬に追い付きそうになるくらい速く走るし、弓や槍や剣まで使えて、と言うか使いこなしてるじゃないの。本当にコボルト? おかしいよね。人間が中に入ってる何てことないわよね? それから、生活魔法を使うのも信じられないわ。これが綺麗で臭わないコボルトの秘密ね。まさか、魔物にスクロールを使ったの? 魔物もスクロール使えるの? それなら他の魔法も──」


「ストップ! そのくらいにしてくれよ。後片付けがあるからさ。じゃあ!」


 止まらないヘレナのマシンガントークに辟易したレンが何とか話を止めた。


 そして、ゴブリンを解体しているコボルト達の元に走って行く。


 アインスは飢えて腹ペコの新入りコボルト達にいつもの焼き謎肉と謎ホルモン焼きを食べさせていた。


「ワフワフワフー、ワフフワフワフ」

(肉はこのちょっと炙った程度のレアが美味いんだワン)


 一心不乱に食べている新入り達に説明していた。


「ワフワフ」(ホルモンはしっかり焼いたほうが良いワン)





「うへぇ、ゴブリンも解体して食うのか」


 人間にとってゴブリンの肉は不味くて喰えないので、食べる為に解体しているのを見て、フェルダーが顔を顰めてドライに尋ねていた。


「ガウガウ」(ゴブリンも割と美味しいワン)


 ゴールデンレトリーバーのコボルト・ツヴァイと、ドーベルマンのコボルト・ドライ、フラットコーテッドレトリバーのコボルト・フィア、シベリアンハスキーのコボルト・フンフの4匹はゴブリンを解体していた。


 ゲイルとエリー、ダリアはゴブリンの魔石だけ抜くと後はコボルト達の解体を見ている。


 エリーはレンが近付いて来るのに気付き声を掛けた。


「あの子達にも名前を付けるでしょ」


「そうだね。名前を付けないとね。ん〜、こっちを見てるのがゼクス、寝てるのがズィベン、まだ食べてるのがアハト、アインスと話しているのがノイン、臭いを嗅ぎ回っているのがツェンだな」


(名前は考えるのが面倒なので、ドイツ語シリーズだ。6がゼクスで7がズィーベン、8がアハト、9がノイン、10がツェンだったはず。ズィーベンは呼び難いので、ズィベンだ)


 ゼクスはアイリッシュウルフハウンドのコボルトだ。アイリッシュウルフハウンドは狼を狩っていた世界最大の大型犬。毛色はグレー。


 ズィベンはグレートデンのコボルト。グレートデンはアイリッシュウルフハウンドに次ぐ大型犬で垂れ耳で短毛、毛色はフォーン。


 フォーンは子鹿の毛のようなやや明るめのブラウンらしい。


 アハトはワイマラナーのコボルト。ワイマラナーはドイツの狩猟犬で、短毛で光り輝くシルバーグレーの毛色が特徴。


 ノインはボルゾイのコボルト。ボルゾイはロシアで狼を狩っていた大型の狩猟犬。ロシア語で俊敏の意味を持つ名前の通り、走るのが速い。被毛は、絹のように細く、ウェーブのかかったオーバーコートと、寒さに耐えるために生えたアンダーコートをもつダブルコートなので、モフモフファンには堪らない。毛色はブルー。


 ちなみにブルーは青ではない。黒みがかったグレーの毛色をブルーと言う。


 ツェンはチベタンマスティフのコボルト。チベタンマスティフは長くて黒いダブルコートの被毛を持つ大型犬で、「東方神犬」の異名を持つ。


 ツェンは首周りの毛が長い獅子型のチベタンマスティフでその風貌は一見するとライオンのようにも見える。モフモフフリーク垂涎のコボルトだ。

------------

カクヨム様にて先行掲載中、

続きが気になる方はどうぞ。

------------

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ