恋愛禁止という古臭い校則を撤廃したら周りの美少女達からのアピールがすごい
「私が生徒会長になった暁にはっ!『恋愛禁止』という古臭い校則を撤廃し!皆様に甘くて酸っぱい青春をお届けします!」
あの日、俺は生徒会選挙当日に確かに言った。言ってやった。
私立小鳥遊学園。英国の学園をモチーフにして作られたちょっと日本っぽくない学校。雰囲気が良く、教師も超一流ということなので、倍率は高く、俺もその狭き門をくぐり抜けた猛者の1人だ。
俺はこの学園で楽しい学園生活をすごし、作れたらでいいから彼女と楽しい楽しい青春をするんだ!と意気込んだものの、なんと校則には『恋愛禁止』の四文字が。
正直、クソッタレと思った。この学園のお偉いさん方は髪と一緒に考えることも抜け落ちてんのかゴラァとか本気で文句言いつけようかと思ってたけど、友達に全力で止められた。
だから俺は生徒会長となって、恋愛禁止の撤廃を掲げたんだ。
もちろん、生徒会選挙の時に、俺の恋愛禁止撤廃を聞いて立ち上がった生徒もいた。何故かそいつは途中で辞退して副生徒会長になったけど。
そして生徒会長になって半年……いよいよ恋愛禁止が撤廃されたのだ!
「会長!おはようございます!」
「おはよう」
よく部活会議で顔を合わせる家庭科部部長に挨拶を返す。
「恋愛禁止、やっと撤廃になりましたね」
「そうだな………やっと俺たちみんなの悲願が達成されたんだ……!」
実際既に、俺の友達なんかは恋愛禁止が撤廃された瞬間にアタックしに行ったやつがいた。撃沈だったが……後で傷心焼肉パーティーにでも誘ってやろう。
「恋愛禁止が撤廃出来たのは、皆のおかげだと俺は思っている」
「でも、会長がやってくれなかったらこのままだったと思うから、MVPは会長だよ……というわけで、はいコレ」
「………なんだこれ?」
渡されたのは白い紙。振ってみるとシャカシャカと音がする。
「これ、家庭科部からのお礼のクッキー。本命いくつか入ってるから、楽しみにしててね」
「んなっ!?」
それじゃあねぇ~と言って去っていく家庭科部部長。それを皮切りに、何人もの生徒に話しかけられる。
剣道部は女子にいいとこ見せるんだ!とかなんとかで全体の士気が上がったとか、文化部系からお礼の品を貰ったりとか、生徒会室に行くまでに随分と時間がかかってしまった。
ガチャ……とドアを開けると、小さな何かが俺に突撃してきた。
「な、なんだ!?敵襲か!?」
「んなわけあるかい」
と、入ってきた俺に対して書記がツッコミを入れる。正体を確かめてみると、俺を『お兄さん』と呼んでしたってくれる小鳥遊学園付属中学校生徒会長が俺に抱きついていた。
「お兄さん………!私はこの日をずっとずっと待ってました………っ!私と結婚を前提にお付き合いを――」
「ちょっと待ちなさいよこの女狐!会長は私が目をつけてたって言ってたでしょ!?」
「お………おおお!?」
何がなんだが分からずに女子にもみくちゃにされる。あとから突っ込んできたのは幼なじみだった。
なんでそもそも幼なじみが生徒会室にいるんだよ………っ!とか思いながら、何とか抵抗するが先程まで受け取った荷物が足を引っ張った。
そして、ドアの音が開いたと思ったら、また体に衝撃。
「会長!私とは遊びだったっていいうの!」
「ちょっと待てぇぇぇぇぇぇ!!」
後ろから抱きついてきたのはミス小鳥遊の先輩だった。
何が何だか分からなくなった俺は逃げた。
後二人ほど出したかったのですが、内容が足りないのと皆さんを生殺しさせるために今回は見送って貰いました。