表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
時き継幻想フララジカ 第三部 『真界編』  作者: ひなうさ
『第三部 真界編』 プロローグ
1/466

~かりそめのうた~

挿絵(By みてみん)













『―――先日起きた【救世】を名乗る団体による都庁占拠事件の続報です。 事態の終息後、事件に直接関わった【救世】の残るメンバーの行方は以前不明。 また、間接的に関わったとして現在二人の容疑者が警察によって確保された模様です―――』










『―――【東京事変】以降【救世】の活動は見られず、世界各国では次々と事態の完全収束を発表しています。 日本政府も続き安全宣言の声明を発表するとして―――』











『―――先日、【魔特隊】解散を訴えるデモが魔特隊本部前にて行われました。 このデモは一日のみの予定でしたが勢いは収まらず、今なお訴える声は留まる所を知りません―――』










『―――どうやらネット上では【救世】の思想に感化された人もいるようです。 彼等が言っていた事が真実なのか虚偽なのかはわかりませんが……正直な所、世界が滅ぶなどと言われても実感ありませんね―――』










『―――先日未明、【救世同盟】を名乗る団体が【東京事変】を起こした【救世】の思想を受け継いだ事を宣言しました。 彼等の最終的な目的は世界を救う事とのことですが、その手段が闘争という所もあり、各国では慎重な対応を見せています―――』










『―――速報です。 国連決議の結果、【救世同盟】はテロリストには認定されないとの発表が先程行われ、この結果を受けた政府関係者には動揺の声が上がっている様です―――』










『―――本日のピックアップ記事です。 どうやら【魔者】を殺傷可能な武器の開発に成功したとの事。 これで【魔特隊】に頼らなくても魔者問題の解決が計れそうですね―――』










『―――【救世同盟】の思想はどうやら正義感が強い方ほど感化されやすいといった統計が出ているようですね。 世界を救うといった理想がそういった人々を引き付けるのでしょう。 実際、各国の軍隊にすら彼等に同調する声を上げる者も少なくはなく―――』










『―――見てください、あれが【魔特隊】の戦いです!! 【魔者】に立ち向かうあの姿は未だ健在と言えるでしょう。 しかし、【魔者】と戦うあの姿はどうにも【救世同盟】と重なる雰囲気があるのは否めません―――』










『―――この度、日本政府は正式に【救世同盟】をテロリスト団体と認定し、今後一切の関わりを法的に禁じられるよう法整備を行う予定です。 これは【東京事変】が起きた当事国として当然のスタンスであり、各国にも同意を求めていく所存です―――』










『―――【東京事変】から二年が経とうとしています。 あの事件での被害者はおりませんが、以降【救世同盟】メンバーによる事件は今なお海外では起き続けており、これに伴う被害者は日に日に増加の一途をたどっています―――』










『―――ご覧ください、【魔特隊】隊員達による子供達とのふれあいイベントの様子ですよー! 不思議な力もこうして平和的に使えば便利なものですね!―――』










『―――今日は一日晴れ間が続き、洗濯物を干すには最適な一日と言えるでしょう。 それでは週間の天気の予想図です―――』








――

――――

――――――




 薄っすらとした雲のちらつく青い空が閑静な住宅街を包み、僅かな影を屋根に映す。

 そんな空から覗けば、道路を走る車の騒音など微風(そよかぜ)(ささや)きにすら届きはしない。


 いつもながらの光景。


 歩き、車を走らせ、電車に揺られ、いつも通りの道を行き交う。

 学校で学び、仕事に従事し、遊びを嗜み、会話に華を咲かせ、食に舌鼓を打つ。

 外で起きている争いなど気にする事なく……人々は今ある恩恵にあやかり、生活を十二分に満喫していた。




 二年前に起きた【東京事変】など、日本にはもはや過去の出来事に過ぎなかった。




 厳密に言えば水面下では燻っているのだろう。

 でも実社会においてはそんな事など全く何の影響も無い。

 襲撃のあった都庁は別に移され、事件の現場は【東京事変の傷跡】として一種の観光名所となりつつあった。


 人は過去を忘れ、今に生きる。




 だがそれは、思えば忘却ではなく……安寧への依存だったのかもしれない。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ