ネコネコストーリー4
僕はノエルドと一緒にナイトフォールド神殿に向かって歩いた。
「アラビアータランプアブラカダブ」
と僕はぼそっと言った。
「にゃんだそれ?バグダードランプアブラカダブじゃないのか」とノエルドが言った。
「どんな災いも防ぐ魔法の呪文らしい。
そして、願いが叶うらしいよ。」
と僕は言った。
しばらくすると僕達は神殿に着いた。
見たこともない神秘的な列柱が並んだ神殿。
そこには、古代ローマ風の神殿があったのだ。
僕達は、神殿の中に入っていった。
僕は、とりあえず歩いたのだった。
「さて、私の魔法研究所はこの先だよ。
どうだい?この神殿。
あの、有名なジュピター神殿とかに似ているだろ?」とノエルドが言った。
「あ、確かに似ていますね。
でも、驚きましたよ・・・・・・。
ジュピター神殿とそっくりな神殿がこんなところにあるなんて。
だってここは、空の高いところですよね」
「私は月から来た猫族・・・・・・女神の化身だ。
君達を守り続けるためにこのような神殿にいるのだ」
そうして、僕達は神秘的な列柱が続く神殿の中を進んだ。
中はまるで王族の宮殿のような場所になっていた。
神殿の中を歩いていくと、猫の石像が二体建っている場所にたどり着いた。
その石像の付近には図書館のような本棚があり、休憩用のテーブルとイスがいくつかあるのだった。
「善と悪。正解と間違い。賢者は常に学び続けなければいけないのだよ。
そして、祈ることをやめてはいけないよ。」
彼女は本棚を眺めながら言った。
「たとえ本の内容がわからなくてもいいよ。学ぼうとする気持ちが大事なんだ。」
「僕達の文化は未熟すぎて、宗教的な神々の世界には近づけないのかもしれません。
いや、近づいてはいけないのかもしれません。
でも、神々を信じるということは無駄ではないと思うのです。
僕はどうしてこの砂漠まで来たのでしょうか?
争いに染まっている社会が、嫌になったからでしょうか?
その意味もわからずに、僕は救いの教えを求めてこの場所まで来たのです。
でも、それは幻なのかもしれません。」
「ただ、救われぬ者達の為に。
君が求めていたのは私のような存在じゃないのか?
バステート神に憧れ、猫達に救いを与えていたのは君だよ。
君達人々は見かけや能力のレベルの高さで基準を判断する。
しかし、我々の社会ではそのどちらも満たすことが可能だ。
善の心を持っていても救われぬ者達がたどり着く場所。それがこのナイトフォールド神殿だ。」と彼女は言った。
その時だった・・・・・・神殿の入り口の方から白いメスの猫が走ってきた。
猫は僕達のいる場所まで来て止まった。
「お姉さま。呪われたメギストの書物の魔法を使おうとする者達が現れましたよ。ど、どうしましょう?
しゅ、出撃準備ですか?」と白い猫が言った。
「・・・・・やばいな。歴史や考古学の勉強不足だよ。変な魔法を見つけて欲望の為に使おうとしているみたいだな。
あれは神々でさえ、解読するのが難しい書物なのだ。ああいう、訳のわからない書物のせいで人々は差別と争いをなくすことができないのだよ。
良いだろう。出撃する。」とノエルドが言った。
「え!?どうしたのですか?出撃ってどこかへ行くのですか?
まさか・・・・・戦いに行くとかじゃないですよね?」
「だいじょうぶだよ。うむ・・・・・そうだね。
じゃぁ、一緒に私の仕事についてきてくれないか?
いつも、少しばかり寂しくてね。」