ネコネコストーリー2
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僕は昔の物語を聞いた。
それをここに記しておく。
見えない者達がいるということは、真実なのだ。
その時、クウェートの修道女が言った。
いいかい、旅人よ。
この世は、そのほとんどが幻なのだ・・・・・・。
この世は幸せなことよりも、苦しいことのほうが多いのだ。
そして学業ではわからないことがいっぱいある。
他人を決してうらやんではいけない。
どんなに強くても、大自然にはかなわないのだ。
実は君よりも弱い者達はいっぱいいる。
他人をうらやんだり、競争しようとすることはとてもくだらないことだ。
欲を捨てなさい。そして、心を無にするのです。
大事なのは鳥達の教えを学ぶことです。
社会とは幻のような場所です。
その幻のような世界で、相手の能力と私の能力を比べることなんてとても無意味なことだと思いませんか? ほんの少ししかない幻のような幸せを奪い合うことは、とても悲しいことです。
誰もが願いというオアシスを目指して進むのです。
しかし、その願いにたどり着くことは難しいのです。 でも、あきらめずにいれば、カタチは変わるかもしれないけど、必ずたどり着くことができるでしょう。
誰もが友人や恋人と一緒になりたいでしょう。
だけど、思いとおりにはならないことがほとんどです。
そんな時のために魔法の言葉を用意しておきましょう。
この言葉を心に念じれば、必ず君のところに良き友人や恋人が現れて助けてくれるだろう。
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僕が砂漠を歩いていると、今度はちょっとやせたおじさんに出会った。
おじさんは馬のとなりでイスに座って牛乳を飲んで休んでいた。
「あなたは強く吹きあれる風を自在に操ることができますか?
落ちてくる雷を自在に操ることができますか?
そんな能力を持った者などいないでしょう。
たとえ、相手に劣っていたとしても、無能なんて言葉は本当はありえないはずなのです。」
そのおじさんが言った。
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僕が砂漠を歩いていると、今度は女神の像を作り続けている謎のおじさんに出会った。
その男はらくだのとなりでイスに座わり、女神の像を作り続けていた。
それは天使の姿をした女の子、サラスバティ、バステト、イシュタル、ラクシュミなどを真似た像だった。
やせこけたその男は、木彫りの職人だった。
人の心は汚れやすいと、その男は言った・・・・・・。
恋心や仲間のことを忘れてしまった者達や、お金や物欲におごれてしまった者達をその男は何人も見てきたのだ。
彼は無言で女神の像を作り続けていた。
「少しでもいいので、優しい心を勉強してほしい」
しばらくすると、彼はぼそっとした声で言った。
彼は砂漠でらくだといっしょに苦行していたのかもしれない。
僕は像を一つだけ買って大事にすることにした。