ネコネコストーリー11
「大丈夫だよ、私はこわくないよ」
しばらくすると、エリコ達はキャラバンの者達に本を配り始めた。
彼女はどのような本を配っているのだろうか?
やはり魔法関係の書物なのだろうか?
僕の考えは半分正解だった。
なんと、その本はメギストの書物だったのだ。
僕達はメギストの書物を配っているエリコ達を
見ていた。
そして、彼女達は本を配り終わった。
「うむ、悪魔召喚ができる危険な書物を配っているよ。
えーと・・・・・私が止めなきゃいけないよね」とノエルドが言った。
「え・・・・・やっぱり戦うのかい?
僕は剣の戦いなんて見たくないよ。
あの・・・・・実は僕、友達がほとんどいないんだよ。
あの、できれば戦いじゃなくて、君が僕と一緒にいてくれると嬉しいんだけどなぁ」と僕が言った。
「・・・・・大丈夫だよ。
私は必ず君のとなりに戻るよ」そのように言った後、彼女はエリコ達に近づいていった。
◇◆◇◆
ノエルドはしばらくの間姿が見えないようにしていた。
その時すでにキャラバンは立ち去ってしまっていた。
そして彼女はエリコの所まで、
あと残り1mくらいの所に近づいた。
彼女はおんみつ行動の魔法を解除した。
すると、エリコ達は急に怪しい気配を感じた。
その後、急に気分が悪くなったので全員目を閉じた。
「うわっ‼どうなってるのよ?ちょっとおかしいんだけど‼」
彼女達は少しの間、驚きながら目を閉じていた。
そしてゆっくりと目を開けた。
すると、どうだろう‼
エリコ達の所にノエルドが現れたのだ。
「こんにちは、エリコちゃん・・・・・。
その本私もほしくなったよ」
「あぁー‼ノエルドちゃん‼
まさか・・・・・・私のことを尾行していたのかな?」
「ニャフフフフ、ごめんね。
君のことを尾行しちゃったよ」
「・・・・・えーっと。
つまり、私の本を没収するってことでしょ?」
「うむ、そのとおりだよ。
君達が魔法クラブとして使っている古いお城まで案内するのだ」とノエルドが言った。
「やーだよ。そんなことするわけないでしょ?」
「ニャフフフフ。エリコちゃん・・・・・今、君の周りには、見えない魔族の者達がたくさんいるのだよ。
もし、襲われたら対抗できるかどうかはわからないのだよ」
「大丈夫だよ。私は強い魔法が使えるからね。
フフフフフ。で、どうするの?私とバトルするってことなのかな?
フフフフフ、いーやーだーよー。
冗談はやめてね」
「ニャオ・・・・・私は君と戦いたくないんだけどね」
「フフフフフ、エヘヘヘヘ。
わからないよ、すべてのことが」とエリコが言った。
そうして、彼女達は剣の戦いを始めた。
僕はとても驚いた。
戦いが始まると、エリコの持っているナイフが手を離れて浮かんだのだ。
白い仮面をつけているエリコが謎の技を使っている。彼女のナイフは空中を飛ぶことができるのだ。
「エリコ・・・・・悪夢の始まりだよ」とノエルドが言った。
すると、彼女はエリコから走って逃げた。
走った後、彼女はエリコから10mくらい離れた場所で止まった。
◇◆◇◆
エリコはナイフを飛ばすことができなかった。
どうやら、彼女はエリコの動きを封じたらしかった。
「へぇ・・・・・私の動きを封じるとはね。でも、解除しちゃうよ」とエリコが言った。
それから5秒後、エリコのナイフが空中を飛んだ。
ナイフがノエルドに向かって飛んでいく。
すると、ノエルドはすばやくロングブレードナイフをとりだした。
ギィィンッ‼
彼女は飛んできたナイフをこちらの剣で受けとめた。
「・・・・・」その時ノエルドは無言だった。
ギチギチという音をたてて、剣が交差して止まっている。
僕はノエルドを助けたかった。
僕は彼女を守るべきである。
しかし、エリコは僕が対抗できる相手ではなかったのだ。
そして、悪夢のような剣さばきが始まった。
ギンッ‼ガギィィンッ、ギンッ、ギンッ、ギンッ、ギンッ、ギンッ、ガギィィンッ‼
彼女は空中に浮かんだナイフと剣さばきを繰り返した。
しばらくの間、僕はノエルドの後ろで、黙って戦いを見ていた。
僕はとても弱かったので、いっしょに戦うことができなかったのだ。
ギィィンッ‼
しばらくすると、彼女はこちらの剣で相手のナイフを勢いよくはじきとばした。
剣の戦いが始まってから、時間はおよそ25分くらいたっていた。
「・・・・・あー、そんなことしていいのかな?私、悲しいんだけど」とエリコが言った。




