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17話



パロフラウというドラゴンと旅ができる事になり、いつも以上にテンションの高いちーちゃんは次の計画を立てていた。

僕が風呂を済ませ、前日同様ミシェリアに借りている部屋に戻ると、ベットの上でちーちゃんとスイ、スニが寝そべり話をしている。


「うふふ、次はケモっ子だよー!楽しみだよね!」

「「ケモっ子ぉ。」」


スイとスニは学習能力が高く、着々と言葉を覚えている。

もちろんちーちゃんが言ってることを繰り返し言っているだけでこの時点では言葉の意味を理解していない。

ちーちゃんが発した言葉を覚えて僕の所へ意味を聞きに来る。


「お風呂上がったよ。そろそろ寝た方がいいんじゃない?」


僕が声をかけるとスイとスニがすかさずケモっ子の意味を聞いてきた。


「まーくん、ケモっ子って何?」


いつの間にか二人からは「まーくん」と呼ばれるようになった。

二人は知らない言葉を覚えるのが楽しいらしく、毎回目をキラキラさせながら聞いてくる。ちょっと……いや、かなり可愛い。

娘を持つ父親気分で、悪い気はしない。


「ケモっ子っていうのはね、獣人の事だよ。僕達の世界ではケモっ子って呼ぶ人もいたんだよ。」

「ケモっ子……これ?」


簡単に説明すると、スニが以前ちーちゃんがこっそり楽しんでた時に覚えたであろうネコミミをちょこんと出した。


「うんそう。それだよ。」

「スニちゃん、尊い。」


案の定ネコミミのスニを見たちーちゃんは手で目を覆い、撃沈。


「まーくん、ちーはケモっ子に会いに行くって言ってる。」


言葉を話し始めて間もないというのに、なんと上達の早い事か。

話しかけてきたスイの頭を撫で、部屋にある椅子に腰掛ける。ネコミミスニを手招きし、確保したちーちゃんが話し始めた。


「ぽんくんがお風呂の間にミシェちゃんに聞いたら、ケモっ子がいっぱいいるケモっ子村がここから二日くらい歩いたところにあるんだって。そりゃ、行くっきゃないよね!ってなったわけです。」


ネコミミスニに頬ずりをし、撫で回し、堪能するちーちゃん。

スイは僕に頭を撫でられ満足そうにしている。まるでもふられている時の猫のようだ。ネコミミはないけど。


「獣人の村があるのは分かった。急ぐ予定があるわけじゃないし、そこに行くのも問題ない。ただ、そろそろ服とか身の回りの物を揃えた方がいいかなと思うんだけど、どう?」

「あ!確かに。そうだね、私達出勤前に来たからオシャレ服じゃないね。そもそもこっちの世界の服じゃないもんね!明日ミシェちゃんに聞いてそういうお店が途中にないか確認しよう!」

「お金も持ってないからね、どこかで手に入れる方法考えないと。」


通貨の事を聞き忘れていた。大陸、いや国ごとに違うんだろうな。日本にいた時も全世界共通だと旅行とか楽なのになって思ってたんだよな。

スマホでいつの間に撮ったのかラウニやルヴィさんとの写真を眺めているちーちゃんとスニとスイに翌日ミシェリアに確認する事を相談して休む事にした。



「「まーくん、まーくん。朝です。」」


ぺちぺちと冷たいものが顔を叩いてくる。


「はーい。起きました。」


スイとスニによる目覚まし。目を開けるとまだ外は薄ら明るいという程度。

隣を見ると、珍しくちーちゃんがいない。僕より早く起きるなんて滅多にないのに、おおよそは検討がつくけれど…。


「ちぃがね、早くケモっ子に会いたいのってまーくん起こしてきてって言ったの。スニ、ちゃんと出来た!褒めて!」

「あ、ス、スイも出来た。」


ほら、やっぱりね。そんな事だと思った。

スイとスニがこちらを見ているので、頭を撫でておく。

見た目はそっくりなんだけど、徐々に性格の違いが分かってきた。スニは活発で褒めて褒めてと自己主張が激しい。一方スイは恥ずかしがり屋というか控えめだ。褒めて欲しいが自分では言い出せないという感じだ。

もう本当に可愛い子達だ。もう僕の子供って事でいいと思う。頭を撫でたついでにハグもしておく。


「二人とも偉いな!ぎゅっとしてやる!」

「「きゃー!」」


スイとスニもまんざらでもない様子でぎゅっと抱きつき返してくる。もう僕はだめだ。二人の可愛さにやられてしまった。


可愛い二人を堪能してたらバタバタとした足音が聞こえ勢いよく部屋の扉が開いた。


「あー!!!スイもスニも戻ってこないし、ぽんくんも全然起きないと思ったら三人でぎゅーしてずるい!!!」


「私も混ざる」と突進してきたちーちゃんを支えきれずみんなで僕が腰掛けていたベットに倒れ込む。


「重いんですけど。」


三人分の重さがのしかかって凄く苦しいのだが……それ以上に幸せなのですが、どうしましょうか。



とりあえず、しばらく全力で堪能する!



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