エルフからの使者が来た
最近の僕の日課は、僕の住む魔地の外側に壁を築くこと。
トリティアの根により守られているこの地の外側に壁を築き外敵からの攻撃
をその壁で押さえる。
これを造るきっかけとなったのは、水のエルフの里に行った時に見た光景だ。
頑丈そうな壁が、水のエルフの里を囲っていた。これはモンスターなどの外敵
から身を守るためだとリアスさんから聞いた時は
「え・・じゃあ僕の家危なくないか?」
僕の家(霊樹)の周りには天然の巨大なトリティアの根しかないので、外敵の
襲撃から身を守る壁は存在しない。
そう思い言ったのだが・・
「・・あの土地の魔力は高過ぎなので、そこらの雑魚モンスターは近づけないです
よ・・それにあの巨大な根がある意味天然の壁ですしね」
とリアスさんに言われ、皆に笑われてしまった。
だが、その根もただ乱雑に置いているだけなので隙間もそれなりに出来て
いる。そのため、僕は壁を築くことにした。
土を魔法で盛り上げ高さ8mの壁を築いていく。その壁の上からトリティア
の根が数本(凄く大きい)が顔を出し、壁の外側に着地する。
もし外敵が来たらこの壁で攻撃を防ぎ、トリティアの根で外敵を弾き飛ばす。
そして、ウォッタムが造った壁から数m先の川に落とされ数km遠くへと
流されて終了となる。
この布陣で僕は住居を守ります。
もし、モンスターなどが死んで素材が回収出来るなら流すのは勿体ないと
思われるがそこも問題は無い。
流れた先は、一種の集積所となっているのでそこに流れついたモンスター
が死んでいたらウォッタムが素材を回収することになっている。
この川には、ちゃんと橋も数本架けてある。
別に来て欲しい訳では無いが、来客にも問題は無い。
僕は、強着魔法でジャンプして渡れるが強着魔法が出来ない人もいると
リアスさんに言われた。
(そこまで強力な強着魔法が出来るのも貴方くらいです)とも言われた。
なんか、僕の住居が神秘的な光景な場所になってしまった。
元から神秘的だったが・・
ん?・・森から誰か来るな。
森から歩いて来たのは、見事な金髪と金眼を持つ美しいエルフのエルラさん
だった。
彼女は、僕の住居の変わりように少し驚いてから
「まぁ・・君なら何でもアリですよね」
と何か遠くを見るで僕に言ってくる。
今日は、どうしたんだろう?
僕が疑問に思っていると、遠くに意識を飛ばしていた彼女が戻ってきて
説明を続けてくれた。
「今日から、君とエルフの関係を友好的にするための特使として派遣されました」
そう言って彼女は、肩から提げていた鞄から一枚の紙を取り出し僕に
差し出してくる受け取って読んでみた。
それは、彼女の父であるハレイドからの手紙だった。
要約すると・・
『若いエルフと君は友好的な関係を築けると思う。代表として我が娘を派遣した
ので仲良く暮らしてくれ。他のエルフの里を訪れる時は、その娘に相談してく
れ・・結婚おめでとう』
という様な手紙だった。
(何で結婚?誰が?え・・僕とエルラさんが?)
黙ってエルラさんを見ると彼女も苦笑いで教えてくれた。
リアスさんのがハレイドさんに密告し、ハレイドさんはこれを娘をイジる
ネタに使っているのか。
ハレイドさんもリアスさんも後で一発殴ろうかな・・
この時、某エルフ二人は変な悪寒がしたと後に他のエルフ達に語ったという。
とりあえず、美しい金髪金眼のエルフのエルラさんが特使として一緒に住む
ことになった。
続く
エルラさんの仲間入り。