表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

陰陰鬱鬱、我が人生に価値は無い

作者: 御船

 ……本当は、分かっていた。

どうせ好かれてはいないだろうって、分かっていた。


 でも、もしかしたらって思ってて、それが為に……今日、振られた。


 今になって思うのは、告白なんてしなけりゃ良かったという後悔の念。


 これでもう、友達ですらいられなくなった。


 悲しい、寂しい、辛い、苦しい、嫌だ、何で、止めて、嫌わないで……様々な感情が精神を侵し、狂わせ、堪えきれずに涙が零れる。


 気持ちを切り替えるなんて、出来る訳が無い。


 忘れるなんて、出来る筈がない。


 時間は元には戻らないし、一度壊れた関係は元には戻らないし、これでひとりぼっちになってしまった事実も変わらない。


 誰もいない一人きりの部屋で、声を押し殺して泣く。


 側にいて慰めてくれる存在なんている筈が無いし、泣いたところですっきりする訳でもなく、むしろ落ち込んでいく。沈んでいく。


 楽しかった過去を思い出し、懐かしい過去を思い出し、気分は更に沈んでいく。


 嫌い、憎い、なんて逆恨みする気にはなれない。まだ好きだから。まだ、愛しているから。


 だから……だから?何をすれば良いんだろう?何を考えれば良いんだろう?何を?何を?何が?


 次第に思考力が鈍っていき、何も考えられなくなる。


 近くの存在を知覚出来ず、認識出来ず、何が何だか分からなくなる。


 白痴化、精神の防衛機能……よく分からない言葉が頭を過り、次第に全てが歪み、混ざり、溶けていくような気分になってくる。誰が?誰って何?何?なにって?


「……ああ、そうか」


 そこまできて、良い考えが浮かんだ。思考がクリアになってくる。


 思考力が戻っていき、目の前のものが机だと認識出来るようになった。周りのものも、次第に理解出来ていく。


「……死んでしまえば良いんだ」


 答えに行き着き、早速行動に移していく。目指すは自殺。至上の喜び。


 調べた結果、近くにいい廃墟があったので、着の身着のまま夜道を駆け足で行く。


 見上げれば、なかなかの高さがあるビルが見つかった。中はボロボロで、窓ガラスは割れている。


 なんという素晴らしい場所か。


 目を輝かせて屋上まで向かう自分の足音が、やけに大きく聞こえてきた。


 着いた。


 屋上から見下ろし、人の近付く気配が無い事を確認すると、ほっとため息を吐く。


 さて、後は飛び降りるだけ。

地面に叩きつけられ、死ぬだけだ。


「……大丈夫、死ねる」


 そう自分に言い聞かせ、深呼吸をしてから、ぴょんと飛び降りる。


 落ちていくスピードはなかなかのもので、思ったよりも早く地面にぶつかりそうだ。


 その時、ちらりと人影が見えた。あの服は……ああ、振った人だ。幼馴染だ。あはは、驚いて……





……グチャッ!!




  - BAD END -




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] この程度の残酷さでR15であることに驚きました。この作品はむしろ残酷描写が足りないと思います。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ