いつもと違う風景
掲載日:2012/09/30
小さい頃、親にいって運転席にのせてもらったことがある。
エンジンは切っていて、安全な状態でだ。
俺はその時の眺めを忘れることができない。
この車で世界中いけると知っていたからだ。
だから俺は、誇らしく感じたものだ。
「はい、じゃあね、運転席に座ってくださいね」
自動車学校で、実技教習を受けている。
今日からは実車だ。
何かあれば、助手席に座っている先生が車を止めてくれる。
コースを走りながら、自分がこの車を動かしているという実感がやっとこみ上げてきた。
速度は、普通車法定速度の3ぶんの1だったが、それでも今の俺には十分だ。
ゆっくりとの加減速だったが、俺は興奮していた。
なによりも、助手席と1メートルほどしぁ違わないというのに、視界の開き方が全く違う。
運転しているということも含めて、初めてのせてもらった時とはずいぶんと違っていた。
「はい、じゃあ時間なんでね」
車を止めるように指示をされて、その場所に止めた。
「どうでした」
指導員に聞かれて正直に答える。
「嬉しかったです」
「そうですか、それはよかった」
指導員に、今日の講習について言われてから、明日以降について考えた。




