距離感
新しく出来た縁があり、ある人が隣に立っていた
足元に引いた線 人との距離またはテリトリー
そこを踏まない人だから私は仲良くなったのだ
次の日もある人は、私の隣にやってきた
足元に引いた線 人との距離またはテリトリー
線の前で止まるから私は良い人だと疑わなかったのだ
次の日もある人は、私の隣にやってきた
足元に引いた線 人との距離またはテリトリー
線の上で足を上げてたけど私は無害だと信じていたのだ
次の日も次の日も次の日も
私の隣に定期便の様にやってくる
そして
私が気付かぬうちに
線を越えていたのだ、あの人/奴は
『週末、2人で出かけないか?』
『今日、一緒に帰らないか?』
『明日、家に来ないかい』
足元に引いていたはずの線は消されていて
奴は目の前で手を伸ばし
甘い言葉で出来た手で頬を撫でたのだ
欲しがりの瞳が気味悪く微笑むのだ
恐怖恐怖恐怖恐怖恐怖恐怖恐怖恐怖恐怖恐怖恐怖恐怖恐怖
意味の成さなかった線を引くための筆を握る
(震えている)
足元に引いていた線を、人との距離を、テリトリーを
(冷や汗が止まらない)
奴との間にぶつけて引け!
縁があり、隣に立っていた人
人との距離を保てると思っていた人
疑わず、無害だと思っていた人
それらが貴方の線を踏み越えるならば
それらが貴方の恐怖を煽るのならば
貴方は線を引かずして自身は守ることは出来ないのだ
ありがとうございました