あれ?チートは?女神様どしたん?
目覚めると、知らない天井だった。
おはよう世界!
今日から私は自由だ!
朝早くから出勤しなくていい!
脱・公僕!
・・・あれ?ちょっとまって?
まだチートな能力も強力な装備も何一つもらっていないよ?
もしかして初期設定から地道に頑張ろうってか?
そんなことを考えていると、恰幅のいいマダムが覗き込んでくる。
モヤモヤするが仕方ない。
割り切って頑張ろう。今度会ったら文句のひとつでも言ってやろう。
まずは挨拶。コミュニケーションにおいて基本中の基本だね!
(やぁ、はじめまして。自由な僕だよ。)
「---。-------。------。」
ほぇ?なんて?
チート能力はまだしも、言語からですか??
ちょっと冷たくないですか女神様?
本当にただのすっぽんぽんの赤ん坊からのスタートですか?
黒板のこの漢字が読めますか?
あの子の心情は読めますか?
ていうか上手く喋れなかったな。
まだ発声器官が未発達なのか。
しばらくは話す・聞くが当面の目標だな。
まぁ言語の習得なんて、語彙の獲得と文法の理解だ。
なんてことないさ。
教育歴30年のメソッドで、トライさんもビックリなスピードで学習してやるんだからね!
へけっ!!
こうして私の異世界転生は外国語のお勉強から始まったのだった。
お読み頂きありがとうございます。
描き終わりまでのシナリオは練り終わっていますが、書き始めるとなかなか進まないものですね。
楽しみながらテンポよく進めていきたいと思います。