異世界に、よしいくぞう
光の元まで辿り着くと、そこにはそれはそれは神々しい女神様がいた。
忖度抜きで神々しい。The 女神やぁ~。
せっかくの天国だ。お近づきになっておこう。
「天国って思ったよりも殺風景なんですね。」
「? 天国がどのようなイメージなのかはよく分かりませんが、ここは天国ではないですよ。」
なんと。小生、天国に行くとばかり思っていたが、まさかの地獄行きか?
そんなに悪いことはしてなくてよ?
手違いではなくて?
道徳を習ったし教えもしたから、徳をツムツムしまくってるもんだと思ってたのに。
「となるともしかして地獄、ですか・・・?」
「まさか!ここは貴方の世界と異世界とを繋ぐ中間地点です。まずはなぜ貴方をここに呼んだのかからお話しますね。」
確変きたな!
これは俗に言う異世界転生というものか?
チートにハーレムでウハウハなのか?
やっぱり徳をツムツムしてたのか!!?
「実は私が治めている世界が若干ピンチでして・・・。未来視をしたところ、文明の歪な進化により滅亡してしまうようなのです。」
ほほう。そこを救うために俺は遣わされたって訳ね。
なるほど。分からん。
もっと詳しくプリーズ。
「地球とよく似た惑星なのですが、大気には魔素が満ちており、魔物が存在しています。魔物に立ち向かうために魔素を使う魔法が発達している所が、地球との大きな差かと思います。」
ほうほう、ファンタジックで大変趣深いではないか。
「創世記には純粋な強さが身分の保証となっていましたが、貨幣の発達により、武力はお金で買えるようになりました。お金をたくさん持つ商人の身分が高まり、次第に貴族へと発展していきました。」
どこの世界も知的生命体は似たような経路をたどるんだな。ちょっと面白いな。
「次第に貴族は腐敗していき、やがて革命が起こります。地球の歴史であれば革命により安定へと向かうのですが、魔法があるが故にそう上手くはことが進みませんでした。魔法の暴走による甚大な被害により、文明は滅亡してしまうのです。ここまでが未来視で視た内容です。」
なかなかディープなことを淡々と。
まぁ魔法があったらそんな最期になるのもわからんでは無いな。
「貴方には文明を導いて頂き、滅亡を回避して欲しいのです。前世で果たせなかった校長先生へのキャリアアップも、この世界であれば冒険者という形で果たせるでしょう。」
「なんだか内容モリモリでいまいち頭が追いついていませんが、ただ死んでいくよりも幾分か面白そうですね。引き受けましょう。」
こうして私はめでたく異世界へと転生することになった。
か、勘違いしないでよね!
私利私欲で愉しむために引き受けただけなんだからねっ!
お読み頂きありがとうございます。
説明が多くなり過ぎたかもとは思いましたが、ここから面白おかしくやっていけたらと思っています。