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駆け引き



 グレンに言われたとおりフードを被って塔を出たが、敷地内を歩いても、立っている警備兵たちは、ティコを誰何することも呼び止めることもなかった。

 こちらを一瞥はしても、グレンの顔を確認すると舌打ちしそうな表情で視線を逸らしてしまう。

 どうやらグレンは彼らに好かれていないらしい、ということは判ったが、それにしたって警戒心が薄すぎる。

 こんないい加減なことでいいのか、いやむしろ何かの罠なのではないかと疑惑を深めるティコに、グレンは気軽な調子で手を振った。


「だから問題はないと言っただろう? 君のことを知っているのは上のほうのごく一部だけなんだ。俺は一応彼らに顔が知られているし、その俺の連れと認識されれば特に何も訊ねてはこない。……それにこの城の兵たちは、正体不明の怪しげな人間、というものには慣れているからね」

「何を言っているのかまったく判りません」

「これから判ると思うよ。ヴィラ城という場所は入るまでは大変だけど、入ってしまえばある程度は自由に動ける。もちろん、気軽に出入りできないところも多いけど」


 歩きながら、グレンはティコに城の構造を説明した。


「ここはもともと城塞だったから、基本的に戦闘と防衛を念頭に置いて造られているんだ。第一廓、第二廓とエリアが分けられていて、いちばん高台にあり盾壁に囲まれたこの場所が第一廓。宮殿、主塔、礼拝堂、馬場などがある。その一段下に第二廓があり、兵や使用人はそこに居住している。あとは武具庫や食料庫、菜園などもある。それら全体をぐるっと取り囲む高い城壁を抜けると、さらに一段下に城下町が広がっているというわけだ」

「はあー……」


 ティコは思わず間の抜けた声を上げてしまった。

 ここには馬車で連れてこられて、しかもその時は拘束され、左右を兵にぎちぎちに固められていたので、とてもではないが全貌を眺める余裕はなかった。

 こうして見ると、なんという規模の大きさだろう。


 その中でもとりわけ目立つ三階建ての宮殿は、途方もなく巨大で壮麗な建物だった。


 小さな村や森の中しか知らないティコはひたすら圧倒されるばかりである。

 威容を誇るその宮殿に足を踏み入れると、グレンはすたすたと迷いもせずに目指す場所へと向かった。建物内はどこもかしこも豪奢で美しく、輝く壁や床に目が眩みそうだ。


「──さて、ここだ」


 目的地はそう遠くなかった。

 北棟の入り口から少し進んだところによく目立つ両開きの扉があり、グレンがその取っ手に手をかける。

 扉の前にも警備の兵がいたが、彼はフードを被ったティコを目にして「またか」という表情をしたものの何も言わず、グレンをじろりと見て忌々しそうに顔をしかめただけだった。

 この場所に入るのに、特に許可も必要ないらしい。ティコの混乱は増す一方だ。

 ギイ、と小さな音を立てて扉が開かれる。

 ──途端に飛び出してきた音の洪水に、ティコは飛び上がりそうになった。


「いや違う! 私が思うにこの文献の解釈は」

「待ちたまえ、それでは計算が合わぬだろう!」

「聞いてくれ、僕はついに世紀の大発見をしたよ!」


 怒鳴るような音量の声ばかりか、ピアノやハープの音までが聞こえてくる。それらが入り混じって大きな喧騒となり、やかましいことこの上ない。

 驚いたまま隣を見ると、グレンはさっさと自分の両耳を手で塞いでいた。


「なんですか、これ?」


 問いかけたが、耳を塞いだグレンはこちらを見て首を傾げている。その手を掴んで引きずり下ろし、「これ何ですか?!」と大声で叫んだ。


「ここがヴィラ宮殿の名物、『文化と芸術の間』さ。スパニアだけでなく他国からも芸術家、科学者、占星術師、錬金術師などを招いて、それぞれ研究を行ったり、腕を磨いたり、互いの意見を戦わせる場だ」


 二階分ある広い円形のホールは中央が吹き抜けとなっており、一階では芸術家たちが各々勝手に楽器を演奏していたり、油絵を描いたりしていた。

 階段を上ってぐるりと輪になった二階部分では、いくつかに別れたテーブルで、男性たちが声を張り上げ熱い議論を交わしている。

 壁のあちこちには絵画が飾られ、棚の上には美しい美術品や工芸品が並べられて、室内の隅には用途のよく判らない機械のようなものまであった。


 一言で言えば、混沌としている。そしてうるさい。ティコも耳を塞ぎたかったが我慢した。


 グレンが言っていた意味がようやく判った。そりゃこんな変人ばかりが大手を振って宮殿内を闊歩していたら、多少他とは違う恰好をしている娘なんて大した問題ではないと思うようになっても無理はない。


「アーモス王は無類の『新しいもの好き』でね……というより、どんなものでも自分が一番に知り、一番に試してみないと気が済まない性分、と言ったほうがいいかな。誰よりも先に自分が見たい聞きたいという欲求から、新たな芸術を生み出すのも、新しい何かを発見するのも、王の目と手が届く範囲でやれ、と無茶なことを言い出してこうなった」


 上体を傾けたグレンが、ティコの耳元まで口を持ってきて話す。

 こうしないと声が届かないというより、さすがに大声で言うのは憚られる内容だからだろう。


「はあ、なるほど……」


 自分で何かを生み出そうという発想はないわけね、とティコは内心で思ったが、口にはしなかった。


「まあ、文化の発展に寄与しているという側面は確かにある。役立つ発明もあったし、進歩した技術もあるよ。そういう意味では悪いことばかりではないんだが……文化と芸術の保護という名目で、莫大な資金が惜しみなくつぎ込まれるのが困った点だな。研究者といっても皆が皆、向上心を持った人間ばかりではないから、金目当ての詐欺師のような輩まで宮廷内に入り込むこともままある。学問にしろ何にしろ、成果が出るまで時間がかかるものもあるのに、王は飽きっぽいから、これといった結果が出ないとすぐに放り出してしまったりするし」


 それでティコのことも、ろくに調べもせず引っ張ってきたはいいが、思いどおりの結果が得られないと判った途端、塔の中に入れたまま放置しているというわけだ。

 そんな人間が君主でもやっていけるのだから、国というのは大したものだと思う。


「彼らの中には魔術について研究している者もいるよ。気になるかい?」

「ぜんぜん」


 きっぱり言うと、グレンは小さく噴き出した。

 ティコは二階で議論を交わす人々をちらっと見た。

 たとえば知識を得て研究を重ね、死に物狂いで魔術というものを頭で理解できたとしても、肝心の魔力がなければ術は発動させられないのである。もちろん努力は必要だが、だからといって努力だけでも魔術師にはなれない。


 たまたま持って生まれた力。それがなによりも重要なのだ、皮肉なことに。


 ティコと、ティコの母はその力を備えていたが、そういうことは非常に稀で、普通は遺伝や血筋と関係なく魔力持ちは生まれる。

 師のマルティンによると、この国に魔力持ちは決して多くないという。ましてや魔術師ともなるとその数がさらに少なくなる上に、彼らはできるだけ人目を避けて暮らすのが普通だ。

 今もこの国の辺鄙な地域では、魔女狩りという忌まわしい風習が残っている。

 何の力もない無実の人でさえ犠牲になることがあるのに、ましてや実際に変わった力を持ち、不可解な術を使えることが判れば、一体どれほどの迫害が待っているのだろうと怖れるのは当然のことではないか。

 あのように大声を上げて自己主張する人たちの中に、「本物」がいるとは到底思えなかった。


「それで、目当てのものはどこですか?」


 かき鳴らされる楽器の音と男たちの大声に辟易して、ティコはグレンをせっついた。今まで静かな環境にいることに慣れてしまった身に、この場所は少々きつい。

 異様な熱気と、交錯する人々の喚き声。

 ……過去の嫌な記憶が頭の内側をチクチクと刺激して、気分が悪くなってきそうだ。


「ああ、こっちだ。おいで」


 グレンもそれ以上解説を続けるほどの興味はないのか、あっさり言って足を動かした。

 なるべく目立たないよう俯きがちにして彼のあとについていくと、絵を描いていた男が突然「おお、麗しのヴェロニカ様! 美しい貴女に是非この美しい絵を!」と朗々とした声を上げたので、ビクッとしてしまった。

 なぜいちいちそう大仰なのか。絵くらい静かに黙って描いたらどうなの、とティコは内心で毒づいた。

 大体、男が描いているのはまだ下書きの段階である。この状態ではまだ美しいもへったくれもない。

 彼の周りの床には折れた木炭がいくつも落ちていて、なかなか下書きから進んでいないだろうことが推測された。


 ティコは前を歩くグレンに目をやってから、さりげなく静かに身を屈めた。

 床から拾い上げた木炭の欠片を、そのまま自分の手の中に握り込む。


 絵や楽器の間を縫うようにしてホール内を歩いていたグレンは、階段下まで来るとぴたっと足を止めた。

 壁一面に据えつけられた書棚に、ずらりと本が並んでいる。


「ここにある本は持ち出し禁止だが、基本、この中に入れる人間なら誰でも見ていいことになっている。正式な書庫は別にあって、そちらはいろいろと制限もあるし、王族しか見られない禁書も存在するらしいが」

「こちらは研究者たちのために与えられている本、ということですね」


 言いながら、ティコは本の背表紙を左から右へと流し見た。

 さすがに潤沢な資金が使われているだけあって、どれも装丁が立派できちんとしている。これらのうちの一冊だけでも、驚くほどの金額なのだろう。

 なるべく顔には出さないようにはしていたが、胸の高鳴りは抑えがたかった。この城にいた頃の師匠のことが少しでも知ることができると思うと、どうしてもワクワクしてしまう。

 出会った時、マルティンはすでに長い白髭をたくわえた老人の姿だった。自分でも年寄りだと言っていたし、時々腰が痛いとぶつぶつ愚痴を零していた。

 ある時点から容貌にほとんど変化がなくなったらしいが、中身はちゃんと年齢相応に老けているのだと教えてくれたことがある。

 そのマルティンが壮年だった頃の記録。

 本に彼の名前が載っていたとしても、書かれてあるのは事実ばかりではないかもしれない。けれどすべてが虚構というわけでもないはずだ。

 師匠が過去を語ることは滅多になかったが、それでも一時期ヴィラ城に滞在していたことは間違いない。

 その当時は、さぞかし使用する魔術も威勢がよかったのだろう。天才魔術師マルティンの隆盛期。それは興奮してしまうというものだ。


「ああ、ここだ」


 グレンが指したところを覗き込むと、そこには「ヴィラ宮廷の歴史」という同じ題名の分厚い本がずらりと並んでいた。

 背表紙には小さく年代も表記されていて、マルティンがこの城にいたとされる時期のものもちゃんとある。

 その本に指をかけ、グレンがゆっくりと手前に引き抜いていく。

 ティコは期待を込めてそれを見つめていたが、彼のその動きは中途半端な位置でぴたりと止まった。


「? グレンさん?」


 本はまだ半分が棚に収まったままの状態だ。なかなか取り出されないことに焦れて、ティコが彼の顔に目を移す。

 グレンもまたこちらを見返し、やんわりと微笑んだ。

 いや、口元は確かに笑みの形になっているものの、その目は笑っていなかった。

 え、と戸惑って、ティコは思わず一歩後ずさった。


「そうだ思い出した。こんな小難しい歴史書よりも、ここにはもっと面白い本があるんだった。ティコ、そちらを先に見てみないか?」

「面白い本?」


 ティコが問い返すと、グレンは目を細めた。


「──マルティン・セルシウスの手稿」

「え?」


 目を丸くするティコに笑いかけて、彼は出しかけていた歴史書を戻し、再び書棚のほうに視線を戻した。

 何かを探すように、本の背表紙の上に指を滑らせていく。


「つまり日記のようなものかな。俺も実物を見たことはないんだが、聞いた話によると、薄い小冊子で、マルティンが日々の些細な出来事を記したものらしい。しかしなにしろ、内容が細々としすぎていてね。その日食べたものだとか、天気だとか、そんなことばかりが延々と書かれている退屈な内容だから、正式な書庫に保管するまでもないとこちらに置かれているんだそうだ。魔術の研究者たちの間でさえ、まったく価値がないと一顧だにされていない代物だというよ」

「日記……」


 今度は別の意味で、ティコの心臓が跳ね上がった。

 マルティン自身の手で記された手稿。日々の些細な事柄だけが書かれ、誰からも見向きもされていない。



 だとしたらそれは、()()()()()()()()()()()()()()という可能性が高い。



 ティコの手元にある本と同じだ。

 マルティンの魔術をかけられたものは、決して普通の人間の前では正体を現さない。その下にあるはずの真の姿を見つけるためには、術を外すしかないのだ。本人か、あるいは同等の力を持つ魔術師が。

 術を外した時、果たしてそこには何が書かれている?

 グレンがちらりとティコを見た。


「興味あるかい?」

「……どうでしょう」


 浮足立つような気持ちを押さえつけ、苦労して曖昧な笑みを作った。


「俺は興味があるな」

「どうしてですか?」


 ティコは本心から不思議に思って訊ねた。

 グレンも興味がある? 術を外せない人々にとっては、退屈極まりない内容なのに?


「だって、マルティンの()()が確認できるのは、その手稿だけだというからね。稀代の魔術師と呼ばれた人物は、どんな文字を書くんだろう。……知りたくないかい?」


 そう言われて、重要なことに気づいた。背中が水をかけられたようにさーっと冷える。

 グレンは相変わらず穏やかな態度のまま、唇の端をゆっくりと上げた。


「俺はね、魔術というものには懐疑的だ。でもマルティンが実在した人間である以上、足跡を辿るのは不可能ではないと思っている。城から行方をくらませたといったって、いくらなんでも本当にぱっと存在自体が消えたはずがない。生きた人間には食べるものも住むところも必要だ。城を出てどこかで生活していたのなら、彼に関わった人間も必ずいる。マルティンは独身だったというが、城を出た後に恋人や妻を持ったかもしれない。まずはそういうところから調べてみるべきなんじゃないかと思うんだ。……ああ、うん、本当に君がマルティンという人物と無関係だということがはっきりすれば、助けられる確率も高くなるしね」


 最後の言葉は非常に付け足し感がすごかったが、言っている内容に嘘はないらしい。

 ティコはひそかに奥歯を噛みしめた。

 つまりグレンは魔術というものを信じてはいないが、「普通の人間」のマルティンとティコの間に何らかの繋がりがある、という疑いは抱いているわけだ。

 ひょっとしたら、ティコが口実として作り出した「祖父」というのがマルティン自身なのではないか、と考えているのかもしれない。

 マルティンとティコに血縁関係はなく、正真正銘赤の他人だが、その推論自体はさほど的外れではない。

 いや冷静に感心している場合ではなかった。これはまずい。大変まずい。グレンがじっくり見ていたティコの本は確かにマルティンが書いたもので、過去のマルティンが書いた文書と照合すれば、一発で筆跡が同一だと知れる。

 ティコがマルティンの身内ではないにしろ関わりがあることが判明すれば、せっかく忘れかけてくれている国王が再びティコに興味を示すだろう。

 そうなれば師匠の手がかりを探るどころではない。


 やられた。


 焦りが出そうになる表情を引き締めた。

 最初から手稿の存在を明らかにせず、歴史書で釣ってわざわざティコをここに連れてきたのは、隠蔽工作を防ぐためと、こちらの反応を見るためだ。不用意な言動は自分の首を絞める。

 急いで対策を考えよう。要するに、手稿と塔の中にある本、それらを並べられないようにすればいいのだから──

 必死に頭を絞りながら、さっき拾った木炭を握り直した時、グレンが「……あれ」と不審げな声を出した。


「おかしいな……ない」


 書棚に向けられた彼の口元からは、さっきまで浮かんでいた笑みが消えている。


「このあたりにあるはずなんだが……抜かれている」


 指し示す場所には、歴史書ほどの厚さではないが、確かにぽっかりとした空間ができていた。

 どこかに紛れ込んでいるのかもしれないと何度も確認したが、「マルティン・セルシウスの手稿」は見つからなかった。難しい表情をして考え込むグレンとは逆に、ティコは心からほっとした。どうやら幸運の女神はこちらの味方をしたようだ。


「まああ~、残念ですねえ。わたしも見てみたかったんですけどお。マルティンさんが毎日何を食べていたのか、とっても興味があったのに~」


 両手を組み合わせて眉を下げ、大げさなくらいに残念がってみせたら、グレンに睨まれた。安心しすぎて、嫌味が隠しきれていなかったらしい。


「……ちょっと警備の兵に聞いてくる。君はここを動かないでくれ」

「はい」


 真面目な顔で言われたので、殊勝に返事をしておく。もちろんここから動くようなことはしない。

 かつかつと靴音を立てて去っていくグレンの背中を見送り、彼が部屋の外へ出て行くのを確認すると、ティコは手の平を広げてそこにある木炭に目をやった。

 この幸運を無駄にするわけにはいかない。グレンが見つけるよりも先に手稿のある場所を把握し、なんとか手に入れておかなければ。

 マルティンの手稿があったと思われる場所の前に行き、周囲を見回す。誰もが自分のことに熱中していて、こちらを気にしているような人はいなかった。


 ティコは書棚の空いた部分に、木炭で小さな円を描いた。


 その中に五芒星と古代文字を記し、魔法円を作成する。

 失せ物探しは極めて初歩の魔術だから、構築する術式も単純だ。素早く書き終えると、円の中にそっと自分の人差し指を置いた。

 少しずつ、指先から魔力を注ぎ込む。ティコはこの調整が下手なので、慎重に力を制御した。

 使う力は最小限で済ませること、そうしなければ反動が怖い。

 木炭で描いた魔法円が、ティコの魔力に反応して淡く輝いた。


 マルティン・セルシウスの手稿。現在の在り処を示せ──


 普通ならこれだけで充分のはずだった。術式も何も間違えていない。失せ物探しの術はきちんと発動し、術者であるティコに解答をもたらしてくれるはず……だった。


 ティコはすぐに違和感に気づいた。


 発動の仕方がおかしい。魔法円が異様な光を放っている。まるで危険を示すように輝きが明滅した。初歩の魔術がこんなにも強烈な反応を示すはずがないのに。

 ひとつ小さな息を吹き入れたら、それが不気味なうねりを打ち、暴風になってこちらへ返ってくるような。


「えっ……」


 ぞわりとした悪寒が走る。咄嗟に魔法円から指を離した、その時だ。


 バン! という激しい音ともに、赤い閃光が迸った。





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