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第2話

「はぁ?」

予想外の言葉に情けない声が出る。

「いきなりすみません。順を追って説明しますね。長くなりますがよろしいでしょうか」

「もちろんです!!」

私は間髪入れずに答えた。その反応を見てハーリアは話し始める。


「まず貴女の病気、毒の華についてです。この病気は記録上は25年前に初めて見つかりました。初めその病気が見つかった時は衰弱していくだけだと思われていました。しかしご存知の通り、毒の華は患者が亡くなるときに1番近くにいた者に移すという特徴がありました」

知っている情報が耳に入ってくる。

「しかしこの病気は患者が生きてる間は感染しない、つまり世界に1人しかこの病気に罹らないという事が最近に王国の研究で分かってきました」

この情報は初耳だ。でも…

「そのことと、私が出れること、あまり関係ないように思えるのですが」

私の言葉にハーリアは表情を変えずに話し続ける。

「そうですね、この情報だけでは別の案も出てくるでしょう。ですが…」

急に歯切れが悪くなる。

「今この世界にマモノがはびこっていることはご存知でしょうか」


マモノ。私がまだ捉えられる前にもいたので当然知っている。姿かたちはそれぞれだが人や家畜を襲う危険な奴らだ。牢屋でマモノについての本があったのである程度の知識はある。

「はい。確か30年位前に突然現れ、当時後手後手になった人類は苦しい暮らしになったと文献で見ました」

「そうです。そのマモノが毒の華に関係があるかもしれないのです」

一瞬頭がフリーズした。

「ど、どういうことですか?」

私は反射的に聞いていた。とにかく話を聞かなないといけない。

「マモノの体にとても少量ですが貴女と同じ毒素が流れていたのです」

私とマモノが同じ…

「すみません、聞いてて気持ちのいい話ではないですよね」

「大丈夫です。続けてください」

正直言ってかなり動揺している。でもそんなこと言ってられない。

「ありがとうございます。それでダリアさんには2つのことを世界各地を回って調べてもらいたいのです。1つは毒の華の治癒方法を模索してもらいたいのです。世界で1人しか罹らないと言ってもまだ解らない事が多いので調べていただきたい。そして2つめはマモノについてです。奇しくも同じ毒素が流れてる貴女なら新しい事が分かるかもしれません」

つまり毒の華とマモノについて調べながら旅をしろ、ということか。

「いきなりこんな事頼んでしまいすみません。色々不満があって当然です。正直言って今、国はバタバタしているんです。そんな中少しでも国民を安心させれる材料が欲しいのです。一方的なお願いになってしまいますが引き受けてくれますか?」

不安はある。体のこと、本当に人に移さないのか、とか。でも…それ以上にワクワクしていた。

「受けます。あんな牢屋で一生うじうじしているよりも何倍もいいです」


この言葉を聞いてハーリアは安堵の表情と共にふぅ、と息をついた。

「いやー、良かった。この計画を受けてくれなかったら貴女近く処刑されてたんですよ」

先ほどまでの硬い雰囲気がハーリアから消える。それにしてもサラッと怖いことを言う。

「どうしてあなたは私にそんな親切にしてくれるんですか?」

純粋に気になって聞いてしまった。

「国王が決めたからって理由もありますが…むかつきませんか?何も悪いことをしてない貴女が自由を奪われるなんて。それに…」

ハーリアの言葉が止まる。

「いえ、何でもありません」

どうしたのだろう?まぁいいや、まだ気になることがいくつかある。

「いつ私はここを出れるんですか?」

「明日です。」

「え?あ、明日?」

今日は驚かされてばかりだ。

「詳しいことは明日、ここを出るときに伝えます。今日はゆっくり休んでください」

自分が書いていて面白いと思えるような作品をつくることをモットーにしています


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