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第1話

もう力のない手を握る。ベットに横になった彼は動かない。悲しんでいる暇はないぞ、と自分に言い聞かせる。彼からの最後の言葉。

「あの子を…頼むよ。」

私は一種のあきらめとも取れる決意をして顔を上げた。



冷たい、痛い。布1枚ではこの石の上で寝るのは苦痛だ。ここでの暮らしも何年目になるだろうか。不意に牢屋の扉がたたかれる。

「囚人番号47448番死刑囚ダリア。飯の時間だ!起きろ」

監守が叫ぶように言う。

「そんなに大きい声出さなくても聞こえるって!」

毎回毎回死刑囚って呼ばなくていいじゃない。と思いつつも自分のこの処遇は受け入れてしまっている。自分で言うのも何だか私は危険過ぎる。


毒の花。25年前見つかった奇病だ。体に毒が回りつづけいずれ死に至る病だ。症例が少なくこれ以上のことは分かっていない。1つを除いては。この病は患者が死ぬときに...1番近くにいた者に全く同じ病気を移すというものだ。私はこの病に罹っているのだ。実の母親から移されて。

「貴様に面会がある。」

監守が藪から棒に言った。

「私に!?」

「そうだ」

私に面識のある親戚もいないし、親しい友人もいない。いたとしてもこんな危ない奴に会おうと思わないだろう。

「13時に面会室だ」

「誰がくるの?」

「教える義務はない」

「義務はない…が貴様に良い出会いになるだろう」

なんだそれ、と思っている裏腹に浮足立っている自分がいる。この牢屋を出るのは何年ぶりだろう。16歳のときに捕まって以来だから...大体3年ぶりか。この牢屋のすぐ横には別の死刑囚がいる。万が一私が死ぬ事があった時の保険だろう。

「時間になったら来る」

そう言い残して監守は去っていった。



「うぅぅぅ、お前面会来るんだって?」

隣の牢屋の囚人が唸りながら話しかけてくる。

「ああ、そうらしい」

声を張って言う。なにせ厚い石の壁だ大きな声を出さないと聞こえない。幸い私の周りに監守はめったに来ない。近づきたくないのだろう。それにここは最下層だ、脱走しようとすら考えることはない。よって意外にも自由がある。

「ずるいなぁ、俺にも来ていいはずだろ」

隣の囚人…確かフィップスだったけな。殺人、強姦、麻薬、詐欺etc。はっきり言ってくそ野郎だ。犯罪者を擁護する気はないが、この病を移す可能性があるこいつには、ほんの少しの罪悪感があった。

「私だって初めてだ」

「あんたはただちょっと変な病気に罹っただけだろ?それなのにこんな所にぶち込まれて、怒りだとか憎悪とかないわけ?」

...

沈黙が流れる

「…これは運命だ。受け入れるしかない」

乾いた唇から音が出る。知ったようなことを言う自分が嫌いだ。

「ふーん」

聞いてきたフィップスは興味なさそうに答える。



「時間だ」

呼ばれる声がする。あの後特にやることが無かったので定期的に支給される本を読んでいた。

「ついてこい」

そう言うと鍵が開けられて男が2人入ってきた。と、同時に目隠しを付けられ、手も縛られた。

「ちょっと!何するのよ!」

「規則だ」

それだけ言われると私は引きずられるように、面会室につれていかれた。


面会室についたのだろう目と手の自由が戻ってきた。

「もう少し丁重に扱ってもいいじゃない」

悪態をつく私とは別に周りの見張り達は神妙な顔をしている。

「ねえ、誰が来るのよ!いい加減教えてよ」

「黙れ!!もうあの方がいらっしゃる」

「はぁ?それって…」

言い終わる前に向かいの扉が開く。

「皆の者敬礼!」

「いいですよ皆さん楽にしてください」

入ってきた2人の男の1人が言った。その男はとても紳士的な印象を受ける好青年だった。

「こんにちは、レインク・ダリアさん。私はこの国ミリーア王国騎士団、団長のハーリアです。いきなりの訪問失礼いたします。」

ハーリアとか言った男は笑顔を絶やさずに語りかけてきた。

「は、はぁ…そんなお方が私に何の用ですか?」

と言いつつもハーリアの隣の男に目が行く。身長190cmはあるだろうか。筋骨隆々でいかにも強そうだ。何より眼圧が強い。ぶれることなくこちらを見てくる。そんな私を見てハーリアは笑いながら言う。

「ああ、すみません。こいつはグラン、僕の部下です。お気になさらないでください」

そんなこと言われても萎縮してしまう。

「さて、本題に入りましょう。」

そんな私をよそに話を進める。

「単刀直入に言いましょう。ダリアさんここから出ていいですよ」

今作は長編になります。拙い文章で、日本語がおかしかったりするかもしれませんが、楽しんでもらえると嬉しいです。更新は不定期ですが、空きすぎないように努力します。

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