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【電子書籍化】転生したらラノベヒロインの妹だったので推しの顔を見にライバル校へ行きます。  作者: 雪菊
2章

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41.特に何もないって良いことですね




年始の挨拶も兼ねて親戚に婚約者の顔見せとかした後、少しして3学期が始まった。


特に何もないって素晴らしいと思う。

いいとこ、藍川姉がごめんね言いにきたくらいである。知らない間に雰囲気が柔らかくなったし、もう陽玲に行くの辞めたらしい。

それがいいと思うよ、なんかいきなり会いに来て冷やかして帰った壱流くん曰く、今の一花ちゃんとってもやばいらしいので。


ところで壱流くんが終夜さんを煽りながら教えてくれたけど、勇樹くん私のこと狙ってるって本当なの?なんの都合で?

誰得なんだよ姉妹で同じ男取り合うって。そういうのは創作物だけにしてください。私はそういうの読んだり見たりしないので解釈違いです。

というか、それ本当なら私が一花ちゃんに殺される可能性高いので大人しく一花ちゃん一筋で生きてほしい。私の人生に関わるな。お願いだから。



「3学期やることっていったら卒業式とその後のプロムの準備くらいなもんだよな」


「3年生、プロムで永久就職先を血眼になって探してる先輩方がいるってお姉様方に聞いたんだけど、やっぱり良いところの御令息御令嬢って大変だよね」


「おい、良いところのお嬢様の筆頭」



そんなことを言いながら予算案の計算とか会議の意見の清書とかやってる私と穂積くん。


お前らも割と良い家の出身だろうと言われそうなものだけど、相手がいる人に突進するような人間はだいたい終夜さんが強制排除してるので。相手がいない人にアタックしてください。

たまに誰か紹介してって言われるけど、私ちょっとアレな従兄弟とだいぶアレな幼馴染みしか知り合いいないので……えっ、弟?三月くんに私が紹介したらそれこそ三月くんの好感度が下がりそうな気配がひしひしとするので、おすすめはしていない。



「優奈はすごいぞ。家が立て直す見通しついた瞬間群がって来ようとしたやつらに『私の婿に何か』って言って追い払ってた」


「そういえば婿入りだっけ。あそこお父さんは完全実力主義系だけどお母さんは息子溺愛過保護ママだからそこそこ大変じゃない?」


「あそこの息子より俺らのが優秀だと水城の家が認めちまったから何かしようとした瞬間別宅で幽閉だってよ。お義母様よりお義兄様が真っ青だったな」


「優奈パパならやるな。絶対やる」



優奈のしてやったり、という顔が目に浮かぶ。優奈のお父さんはその…結構な事業を手がけているお家の頂点に立ってる人である。お母さんも息子を溺愛しているときはちょっと言葉にしがたい、だいぶぶっ飛んだ人なのだが、仕事の時はできる女やっている。

なんというか、優奈兄は一花ちゃんに惚れなきゃまともだっただろうになって……。我が姉ながら罪な女である。


それをいうなら一花ちゃんだって勇樹くんに……惚れてなかったら鈍感系主人公みたいな人だったな。どっちが良いのか悪いのかは分からないけど、でも勇樹くんいなかったら平和だったような気はする。



「そっちは突撃来ねぇの?」


「正直、私に来ても終夜さんのとこ行っても、終夜さんに喧嘩売ることになるからなぁ。終夜さんに喧嘩売るのお馬鹿だと思う」


「わかる」


「君たち、不穏な会話を事もなげにエンターテイメントとして消費しないでください」


「遥先輩追われる側で盾が一切ないですもんね」


「俺の彼女が美人な上に強くてすみませんね本当」



にっこり笑った遥先輩にゴッと脛を蹴られた穂積くんはうめいていた。



「遥先輩って意外と足とか出ますよね」


「言葉だけでは分かり合えないことも多いんですよ」



サラッとそう言って席に座る。遥先輩も兄弟喧嘩とかするんだろうか。

モニターの電源をつければ、次年度の生徒会選挙が映る。



「月岡、割と良いとこまでいってるな」


「まぁ、できる子ではありますからね」



立候補したのは現会長と月岡くんの二人なのだが、今年も日上先輩が勝ちそうである。

投票結果が出ると、本気で悔しそうな顔をした月岡くんは本当、もう少し落ち着けばもっといい戦いができそうな程度には票を稼いでいる。



「再来年の生徒会長は月岡くんかな」

「だろうな」



それにしても、月岡くん悔しげな顔も美人だな。終夜さんには負けるけど。



「それにしても、先見があるやつってもうちょい要領がいいのかと思ってたな」


「ああいうものは『降ってくる』か『降ろして頂く』かになるそうですが、降ろして頂く場合には集中力と相当量の魔力を使うから多用はできないそうですよ。自分のことはあまりよく見えない、と母も言っていたましたしね」


「ああ、そういう感じの力なのか。思ったより不便だな」



穂積くんが言った言葉に同意する。

狙われるのに自分がそれを予知できないなんて、怖いにも程があるもんなぁ。

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