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【電子書籍化】転生したらラノベヒロインの妹だったので推しの顔を見にライバル校へ行きます。  作者: 雪菊
1章

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25.警備、どうなっているのでしょうか




「本当にやるんですか?」


「何か問題でもあるのかい?」



いや、ないけども。

無難にお返事をして息を吐いた。

どうしてこうなったの。






事の始まりは昨日。

トーナメント表を見ながら、一花ちゃん達とは最後までいかなきゃ会わないなぁ、と思いながら魔石の加工をしていた。とは言っても、魔法陣を掘った魔石にガンガン魔力通すだけなんだけどね。


魔法陣は魔力に対応して特定術者しか魔道具を使用できないようにする術式のもの。要するに魔道具とかを自分にしか使えないようにする時とかに行うものだ。


先輩達にもご協力願って魔道具に同じ術式を採用させて頂いている。これもあって、盗まれたとしても悪用されない仕組みを作った。この学校でそんなことする人って少ないけどね。私たちの足を引っ張りたい人たちって先輩たちに淘汰されているし、最近仲のいい可愛いお姉様方も粛清?とやらに一役買っているみたい。

それでも最近、近隣の学校では魔道具の泥棒も出ているらしいので念には念を入れないといけないかも。


そうやっていると、八神先輩から声がかかった。



「1回戦なんだけど、穂積くんと遥くんに任せることにしたんだ。その間、僕の“掃除”を手伝ってもらってもいいかな?」



掃除、に何かしらの含みを感じる。

救いを求めて日上先輩を見ると、「頼んだぞ」とノールックで言われた。マジで目線すらよこさなかった。


そういうわけで説明を受けたところ、私たちについて探りを入れてくる他校の困ったちゃんとか、闇討ちして戦力削ごうとしているアサシン系の人らが一回戦の最中に動きそうだから、その掃除をするとのことだ。日上先輩は大将なのでずっと会場にいる必要があるし、戦い自体は藍川くんと遥先輩で十分だから私と八神先輩らしい。


そして、今に至る。

仕掛けられた罠とかを探知機使って解除したりとか、逆に向こうへの罠に改造しながら進むと出るわ引っかかるわの大惨事である。

先輩は「ここまで酷いとは思わなかったよ。…流石に命の危険まであるのなら君を連れてくるんじゃなかったな」とぼやいていた。珍しい。憂い顔の先輩も素敵ではあるけれど、不敵な笑顔の方が好きなので皆さん許すまじである。


仕返しは私よりも八神先輩のがエグい。

私は淡々と解除していってたんだけど、叫び声が聞こえたと思ったら後ろで八神先輩が「で、君はどこの人かな?」と宙吊りの青年に問いかけていたりする。

悪い顔した八神先輩の顔も大層美しかった。美しい顔は正義である。



「死ねェェェ!!」


「いや、殺さないでほしいな!?」



そんなものたちを対処していると、背後から男に金属バットで襲いかかってこられた。それに拘束魔法をかける。

久しぶりだな、金属バット。これで頭かち割られかけたことある。頭の代わりにランドセルが大破した思い出……。


そんなことが少し頭に過った瞬間、「死ね……?」とど低音の凄みの利いた声がした。気がついたら拘束魔法をかけていた男が八神先輩にふまれていた。



「へぇ?こんな事しといて無事に済むと思ってるんじゃあないよね?」


「我らは大義の……ガッ!?」



思いっきり顔面を蹴り上げた先輩の顔に表情はない。美形の「無」の表情は凄みがある。



「先輩先輩、これ多分ウチの本家の逆恨みだと思うんで」


「じゃあ、人の命を奪おうとすればどういう目に遭うか……その一端だけでも味わわせて返そうかな」



もしや私の愛する国宝級の美貌を持つ先輩、過激?

なんだろう。微笑みが怖……あ、もしかして魔王ってこれのことだった!?


とりあえず、お父さんに通報するとなんか軍の人10分くらいできた。早い。

そしてその間にヤベェ地雷系魔法の魔法陣とか爆発系の魔道具を携えてきた連中数人を捕まえた。いや、どうして高校生の試合にこんなヤツらが来てるんだろう。恐怖しかないんだけど。


どうしてとか言ったけど、試合でいい成績残したら学校に対する優遇措置やら、将来の就職・進学に際しての便宜とかをはかってもらえるケースがあるみたいなので必死な人はやるかもしれない。

それでも、犯罪起こしてまでやることではないと思うんだけど。


お父さんが来てくれた後もこっそり本家が送っていたらしい暗殺者も数名見つかったり、ヤケクソでやばい術式を持ち込む人とか出たりした。

最終的に怖すぎて八神先輩の背中に張り付いていた。先輩にバフかけるのが仕事になっていた。先輩もぼやいていたけど、ガチで命狙われるって話は聞いてない。



「被疑者の確保にご協力いただきありがとうございます!」



元気よくそう言われた。それに対して「警備が甘いのではありませんか」と地を這う声で告げる先輩流石である。



「こちらも小鳥遊の本家より圧がかかっていてな。迂闊に軍を動かせんのだ。四家の権力の強さはおまえも知っているだろう、終夜」


「僕の後輩が殺されかけている、それ以上の問題が今、お有りですか?兄上」


「おまえよりも二菜嬢の方が余程、軍の立場を分かってくださるだろうよ」


「いや、個人的にはめちゃくちゃあの人たち摘発して権威叩き落として欲しいですけど」



無駄にドヤ顔されたのでついそう言ってしまう。こんな事態ずっと続いたら死んじゃうじゃん。そんな時に軍の立場を分かってくださるとか正気か?お父さんでも言わんわ。



「ですが、こういうことでもない限り簡単にいかぬことはお分かりでしょう?」


「こういうことがあっても数年でまた出てくるんですけどね」



軍が無能というよりは小鳥遊の上の方が要らん権力持ちすぎな感じと、腐っている感じがする。

だけど、一花ちゃん最近あのヤバ祖父母通じて本家の連中と会ってるらしいんだよなー!一花ちゃんの媒介、原作でもいきなり出てきたけどまさか本家から融通してもらってたとか知らないじゃん……。夏休みに護衛についてくれてたお父さんの部下から聞いた時、一瞬気が飛びそうだった。



「ですが……今回は少し痛い目を見せてやれそうですよ。何せ、我が家や令月生徒会メンバーの家からも後押しできそうですからね?」



そう言って口角を上げた八神兄の悪い顔は八神先輩とよく似ていた。なお、美しさでは先輩の圧勝だと私は思う。八神兄はカッコいい系なので。


それはともかく、本当に私が死なないうちに摘発してほしい。お父さんはガチでやる気でも要らない茶々入れがはいるの本当に無理。

お父さんがガチで潰す気なのわかってるからか権力を今以上に持たせたくないらしく、昇進も中々ない。無理矢理今の立場まで上がってきてはいるけど、それでもまだ足りない。

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― 新着の感想 ―
[一言] うん?一花は本家に籍を移したのかな? その考えを念頭に置きながら最初から読み返すと一花側で何が起きているか何となく想像できるのがとても気分がいい。 まあ、家族第一主義の小鳥遊家分家(一花…
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