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【電子書籍化】転生したらラノベヒロインの妹だったので推しの顔を見にライバル校へ行きます。  作者: 雪菊
1章

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24.家の評価と社会の評価って違う場合がありますよね




SNS上で1年生がバトルロイヤルで勝ってたのを「今年のヤベー奴ら」として紹介されてしまったけど、主に映ってるの藍川くんだけだった。

いや、ここまで私の顔映ってないの情報統制でもされてるの?出場選手、男子が多いからか観にくるの女子が多いのでそういうのが関わってるのかなーって感じもする。


ちなみに勇樹くん達も「ヤベー奴ら」扱いである。壱流くん、なんやかんや怪我一つせずに勇樹くんの背中バシバシ叩いて笑っていたところに小鳥遊の血を感じる。

ちなみに彼らの「ヤベー奴ら」は多分近づくのやめよっかな、の意味もある。評判は前ほど良くないみたいだ。なんで以前はあんなに評判よかったんだろう?そっちの方が謎。



「陽玲のある地区の予選終わってから俺たち、影薄くなったな」


「その方がいいよ」



溜息を吐くと、遥先輩がお茶を目の前に置いてくれた。お礼を言うと、微笑んでくれる。奇跡のようなお顔立ちだ。


そういえば月岡くんが出来損ない呼ばわりしていた遥先輩だが、バトルロイヤルで怪我していた連中を初級の回復魔法でサラッと全快させてドン引きされていた。どこが出来損ないだよ。教会関連がザワザワする能力値だよ。

月岡くんとは一回話をすり合わせる必要があるかもしれない。何か意図があったんじゃないのこれ。


ついでに、対抗戦ということで肉体へのダメージは軽減される装備処置がされているはずなのに結構なダメージを与えていた藍川くんもドン引きされている。

藍川くん家の爺様とやら、こいつより藍川姉贔屓ってマジ?後継としては話通じる上にお金の計算ちゃんとできる藍川くんの方が絶対いいと思う。でも本人嫌がってるので個人的には逃げて欲しい。藍川家、姉贔屓な人と藍川くんが上に立たないと家が潰れると必死な人で二分してるっぽい。


色々考えてみたけど結局はその家の考え方によるもんね。私もそこそこにできる子って最近言われてるけど、小鳥遊ではダメな子らしいし。


そんなことを考えながらお茶を飲むと、なんだか体の内側から疲れが癒えるような感覚がする。咄嗟に遥先輩を見ると、少し困ったような顔をした。



「ああ……そのですね。僕のユニークスキルなのですが、常時発動型でして」



自ら作った料理や注いだ飲料が回復アイテムになるらしい。え?やば……。



「回復特化すぎません!?教会と医療機関が目の色変えますよこれ……」


「月岡は呪いの浄化などの数値も高いからな。聖人の称号も狙える」


「いえ、どちらかと言うと医療関係を専攻しようと思っているので聖人は困りますね」



日上先輩の言葉にクスクスと笑う。曰く、月岡の系列の魔法ではないため出来損ないではあるらしい。



「家の基準と社会の基準は違いますから、継ぐか継がないかの問題でしかありませんが」



そうやって束の間のおやすみ(ただし生徒会の仕事は有り)を過ごしていたら、八神先輩が書類を持って帰ってきた。

本戦の案内かな、と思ったら当たっていたようでその内容を知らされる。



「ここからはトーナメント戦になるよ。例年通り魔道具も使用可能だ。それと……今年からマジカルフィールドの導入が許可された」



少しだけ苦々しげに告げられたその言葉に、藍川くんが「マジカルフィールド?」と首を傾げた。

マジカルフィールド、というのは軍部が訓練で主に使用している装置で、簡単に言えば魔法で対戦用の場所を用意する装置だ。一昨年までは競技用の場所を用意されていたのだが、何がどうなったのか今年から対抗戦への導入が決まったらしい。おそらくは割と危険な連中がちらほら存在するので物理的な被害を減らすためと考えられる。



「近場では紅南エリアのとある代表校が競技用の場所を凄まじい威力の魔法で破壊したらしくてね。あとは黒北エリアでも貸した競技用広場が酷い有様のようだ。あの装置も尋常ではない値段なはずだけど使った方が被害額が少ないと踏んだらしい」



どんだけ酷い破壊の仕方をしたのか。

なお、犯人は予想するまでもなく勇樹くんハーレムである。


ちなみにうちは青東エリアだ。ギリギリ紅南エリアには入らなかった。結構雑に関東エリアを東西南北に分けてるみたい。


ちなみに関東エリア限定なのは単に他の場所に魔法科高等学校がないからだ。

北海道だろうが沖縄だろうが、魔法科高等学校に進むのであれば皆関東エリアにくる。

地方差別とかっていうよりは「その方が中央が管理しやすい」という理由が大きい。力を持ち始めたばかりの魔法使いなんて何するか分からないしね。力を開花させて狂う人間なんて一人や二人ではないわけだし、魔法学校に通えるだけの能力がある人間は政府が管理した方がみんな安全、というわけだ。



「そこまで大きな破壊をしておきながら、令月のように1校で出場を決めたところはないようだがな」



資料を見ながら「他所のエリアでは余程の豪傑が複数いるのか……?」とお悩みの日上先輩だった。

多分思いっきり魔法を放てる場所がそう多くないのでみんな張り切って破壊しちゃっただけだと思う。

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