表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【電子書籍化】転生したらラノベヒロインの妹だったので推しの顔を見にライバル校へ行きます。  作者: 雪菊
1章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

24/61

23.対抗戦の予選です



遥先輩が「魔王を見ました」というのだけど、魔王って誰のことだろう。日上先輩に聞くと、「俺は知らんが害がないなら放置しておけ」と言ってたので素直に放置することにした。

藍川くんは「いやぁ、これマジかぁ」と呟いていたんだけど何か問題あるんだろうか。



「多分、魔王の正体気がついてないの小鳥遊だけだぞ」



藍川くんにそう言われた。彼曰く、魔王とやらは私に甘いらしい。

謎だ、と首を傾げれば八神先輩にチョコレートを口に突っ込まれた。甘い。美味しい。


そういえば、3年のお姉様がなんか悲しげにしくしくと泣いていたので励ましたら、お菓子くれた。何か、好きな人に割と酷い目にあったらしい。結構綺麗な先輩だったので、一生懸命ヨイショした。「癒し枠は遥様でなくあなただったのね……」という感情の籠った言葉はなんだったのかは少し気になるところだけど。生徒会の中での癒し枠っていうのであれば間違いなく遥先輩だと思う。


それはともかく、綺麗な先輩だったので次に会った時もご挨拶をすると、少し照れたように手を振ってくれた。綺麗な先輩は可愛い先輩でもあった。

後ろにいた優奈は何とも言えない顔をしていた。



そして九月半ば。

対抗戦の予選が始まった。



「予選はなるべく1年二人で切り抜けてもらう。この地区の連中であれば、薙ぎ倒せるだろう?」


「出た、会長の無茶振り!」


「信頼と言え」



楽しそうに笑う藍川くんはなんか一番馴染んでいる気がする。これが正しい後輩キャラなのか……!?


どこかから私のメアドを仕入れた壱流くんが「対抗戦の俺の活躍見てろよ!」と送ってきていたが、昨日あった向こうの地区予選の映像見てたら藍川姉に巻き込まれかけてて可哀想だった。彼女ら戦い方見てても割とガチで勇樹くん以外興味ないな。壱流くんにもう少しだけ気を遣ってやれ。


向こうの地区予選は数日に分けて1校vs1校での勝負みたいだ。原作でもそういう描写あったなぁ。ピンチになった勇樹くんを助けるために制御が難しい魔眼を完全に支配できるようになる一花ちゃんのシーンが大変人気だった。アニメ化した時もすごく映像が凝っていた。

心の底から戦いたくないなって思いました、まる!


そして、今日の私たちの地区予選だが……。



「バトルロイヤルって正気かな……」


「みんな真っ先に俺らを潰しにかかると思うんだけど」



令月はなんやかんやエリート校なので実は狙われがちなのだ。害意を持たれることには比較的慣れているはずなんだけど、久々なのでちょっと憂鬱だ。令月にきてからは結構甘やかされているので。


昨日も2年の先輩(女子)から「頑張ってね」って応援してもらった。可愛かった。陽玲にいた頃では考えられなかったのでやっぱり令月は療養所である可能性がある。

え、ない?今までが酷かった?マジか。


なぜか男子とは関わりがあんまりないけど、優奈と藍川くんと巫くんの3名によると「魔王が怖いから声がかけられないだけだよ」とのことである。

魔王ってマジで誰のことだろう。誰も教えてくれない。みんな「マジでわからないの?」みたいな目をしてくる。


フィールドに出ると、みんながギラギラした目で見てくる。1年だしさっさと倒してしまおうという思考が透けて見えるんだよな。ところで後ろにいる先輩方は見えておられない?良い笑顔の日上先輩&八神先輩と、ハラハラしている遥先輩が後ろにいるんだけども。「1年だけで倒してね」とか言われてたの校内なんだけど誰か私らしか基本戦わないって漏らした?

……いやでも普通考えたら危なそうなら先輩達出てくるの想像つくしなぁ。



「上位何チームが予選突破だった?」


「3チームだよ」


「じゃあ……全員アウトにしちまえばライバルがそれだけ早くいなくなるんだよな!」



何意味わからんこと言ってるんだ藍川くん。

そう思ってたら、戦闘開始の鐘が鳴った瞬間みんなこっちに向かってくる。



「<鳥籠>!」



魔法陣が地面に広がって、緑の蔦が鳥籠のように飛びかかってきた連中を捕らえた。詠唱が術式名だけなことにビビっているけど、私のはあくまで捕まえただけなので、この後を覚悟して欲しい。



「空を切り裂く光よ、我が求めに応じてこの地に降りよ!<雷電>!!」



……素直に自分に結界張っとこ。

藍川くんが使った魔法はそれなりに強いものだけど、術者が優秀なので彼自身には影響がない。

でも私は当たるとめちゃくちゃ痛いので、自分を守るためにまるく結界を張った。


もう捕まってる相手にぶちかましたので、それでみんなゲームオーバーである。ハイタッチしてから、皆様の着けている腕章を順番に頂いて史上最速での本大会出場が決まったのだった。



「俺たちが負けるビジョン見えなくねぇ?」



そう言って藍川くんは「調子に乗るな。勝った時こそ気を引き締めるべきだ」と日上先輩に怒られた。

その後、「それはともかく、今回はよくやった」とお褒めの言葉を頂いて一瞬で機嫌を直していた。ワンコ属性なのかな?

最近藍川くんと一緒に話してて気がついたんだけど、私たち褒められるのめちゃくちゃ好きっぽい。

あ……じゃあ私もワンコ属性なのかな!?



「君も、素晴らしい働きだったよ」



私も褒められた!

やっぱり先輩に褒められるって最高だなぁ。勇樹くんたちのそばにいると自己肯定感ガンガン下がっていくので、今が普通なのかもしれないけどやっぱりいいなって思う。



「やっぱ、あの人めちゃくちゃ小鳥遊に甘いと思うんスけど」


「自覚がないみたいなので放っておきましょう」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 今朝この作品を見つけて最新話まで読みました。 いや~、勇樹くんは清々しいくらいのクズですね。 特に某令嬢の婚約破棄騒動。 というかほぼ確実に京月のご両親は彼と娘を結婚させることを決定事項と…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ