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【電子書籍化】転生したらラノベヒロインの妹だったので推しの顔を見にライバル校へ行きます。  作者: 雪菊
1章

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21.花火大会を観覧しました




休暇の最中、お母さんの実家は少しだけ行ったけどお父さんの実家は寄り付いていない。一花ちゃんは呼ばれてるっぽいんだけど、お父さんが「近づかないように」と念押ししていた。壱流くんが近くにいるのもあって少し警戒してるみたい。

一花ちゃんは軽く「もう私も17なんだし、そこまで警戒しなくても」と言っていたけど、それちょっと甘いと思うんだよね。お父さんもそう言って一花ちゃんを叱っていた。

お願いだからお父さんに心労をかけないでほしい。


約束通りお友達と花火大会に行く準備をする。一花ちゃんたちに誘われたけど、先約があるので断った。不服そうだったけれど、私には私の友達がいるし、トラブルに巻き込まれたくない。


実家に帰れば、前みたいにガッツリ警護される立場になるので、私たちは普通にお祭りとか込みでの花火大会を楽しみたいんだけど、それやると警備の人が大変困るらしい。原作の皆様は楽しんでいらっしゃったけど、なんか失敗したら上の首が何人か飛ぶくらいには困るらしい。

一体原作では何をどうして強行突破したんだろう。


そういうわけで私たちの花火大会は友人家の屋形舟での観覧になります!流石に警察や警備関連とかのお仕事の人の首はなるべくやめて差し上げてほしいので、強行突破しません。皆様にも生活があるからね!


三月くんの分の浴衣も用意したかったんだけど、「一人くらい動きやすい格好の方がいいと思うんだ」と困った顔をされてしまったので、ちょっとした正装くらいのものになっている。弟の浴衣はこうして今年も見せていただけないのでした。……お姉ちゃんちょっと残念です。



「あ。みんな到着したんやねぇ」



現れた朱音の浴衣は白色地に、淡いパープルの縦ラインで赤ピンク系の色使いの幾何学模様のようなレトロな花柄。

婚約者が用意したというそれは朱音によく似合っていた。



「弟くんも久しぶりやね」


「お久しぶりです。白石さん」



何回か会ったことがあり二人は小声で何かを話すと、朱音は使用人を呼んで要件を伝えていた。

ここにはいるんだよね、使用人。お家によってはガチの執事とかメイドさんもいる。



「あれ、小鳥遊さんと水城さん。こんなところに何の用?」


「「やっぱりか」」



現れた巫東馬に私たちはそんな気がしていた、と頷いた。

白石家は巫女姫も輩出した家系なのでバッチリ彼のお家とは関わりがあるみたいだ。……というか長女が巫女姫である。神様の子供が欲しいとか言っちゃった先輩元気かなー……。そしてそれに対して「別にええんとちゃう?」と言ってしまえる白石母は強いと思う。いいのか。



「朱音さんの友人です。お世話になってます」


「同じく朱音さんの友人です」


「ああ。そういう繋がりか。こちらこそ、婚約者がお世話になってます」



互いに挨拶をすると、朱音は「え〜知り合いやってんなぁ。これも縁やね」と巫くんの腕の中へするりと入っていった。仲良しなのはいいことである。

八神先輩は「婚約なんて大概政略だし面倒なだけだよ」って言ってたけど本当に仲がいいならそれに越したことはないだろう。というか八神先輩が若干特殊なだけな気がする。



「それで、彼は?」


「私の弟で三月くん」


「小鳥遊三月です。姉がお世話になっております」



三月くんが挨拶をする様は、私の弟とは思えないくらいには優美である。でもそのちょっと相手を値踏みしてる感じの目はやめなさい。お姉ちゃん、三月くんの向かう先が心配です。実際に口を出したら「二菜ちゃんを保護するために頑張ってるんだよ……?」と言われる可能性が高いのでいえないけれど。保護が必要だと思われていることが少しきついし、そろそろ私以外にも目を向けた方がいいとは思ってるんだけど実際に周囲の意見としても保護が必要なタイプの人間らしいので何もいえないのである。悲しい。



「三月くんはどうして付いてきたんだい?」


「最近、花から花に移っていこうとする害虫が煩わしくて」


「……それは目が離せないね」



一瞬朱音も見られていた気がするけど、なんで?勇樹くんあちこちにこなかけてるとかないよね?基本、「目に届く範囲にいる奴らは助けたい!」とかいう系の男でそれに惚れた女の子たちがハーレム形成し始めるみたいな感じのラノベだったんだけど。自分から行ってるなら私と同じような立場(前世の記憶がある)かもしれないんだが。



「ええ。特に忌々しいことに一匹だけでないようなのがなんとも」


「こちらでも少し調べてみるよ。情報に感謝する」



朱音の肩を抱いてイチャイチャしながら特等席に向かう二人。



「ねぇ、これ詳しく聞いた方が自衛できる話?」


「いや?別に大丈夫じゃないかな。二菜ちゃん、もう少ししたら令月にまた行くでしょ?そっちに行ったら会長さんたちの庇護下に入るわけだし」



庇護下になかったら自衛必須だったの?

そんな会話をしていると、爆発音がした。窓の外を見ると、夜空に大輪の花が咲く。



「今年も綺麗ね。来年は朱音並みにとはいかなくとも彼氏と見たいわね」


「私は絶対彼氏できない気がするんだけど、そのときは優奈、また一緒に来てくれる?」


「私に彼氏がいなかったらね」



後ろで弟が何か言った気がしたけれど、花火は綺麗で出される食事も美味しいので気にしない方向で!

ところでなんかやたらと炎にしか見えない感じの爆発が見えたけど花火の暴発でもしたのかな?それなら花火自体止まるだろうし気のせいか。


帰ったらヤバい組織の抗争が花火会場近辺で起こってて、それを勇樹くんたちが止めたとかいう話を一花ちゃんにされた。そのヤバい組織とやらが狙ってたの一花ちゃんじゃないだろうな?


怖くなったのでお父さんに連絡したら調べてくれるらしい。というか連絡したのをありがたがられた。なぜ。

まさかそんな事案があったのに連絡無しだったんじゃ……!?

……まっさかー。


やばい、否定できない。一花ちゃんは何も考えてなさそう。

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