炎と救世の始まり
世界とは。海とは。宇宙とは。生とは。死とは。“時”とは。
この世の全事象は一つの時間軸という糸に存在する量子。
その時の流れを遡るなど、何人たりともできはしない。
だから人という生き物は“今”を懸命に生き、朽ち行くのだろう。
それをわかっていながら今、この時を無駄遣いする若者が一人。
俺である。
いつも通り高校から帰宅し、特に何をするわけでもなくベッドでスマートフォンをいじくり回して時間をつぶす。
ここまでは実にくだらない人生だった。
日本という島国に17年前に生を受け、特に不自由もない過程で山も谷もなく育ってきた。
中学までは剣道をやっていたが、高校に入ってからはなにもしていない。
今も別にやりたいことがあるわけでもない。唯、日々を無駄に消費するだけ。
これからもそんな生活は続くのだろう。
スマホをいじくり始めて1時間ほどたった頃、俺のTwitterに一通のDMが届いた。
俺のアカウントは非公開だ。ましてDMも開放していないのだから、DMなど届くはずはないのに。
「……?」
DMの内容はたった一枚の画像と短いURL。
画像には謎の記号と美しい草原の風景が映し出されていた。
草原のほうは少し空に違和感を感じたが、俺は画像よりURLが気になっていた。
少々危険な気もしたが、俺はそのURLを開いてみた。
URLを開いたスマホの画面には一文。
「――Welcome, savior……」
その一文を視認した直後、俺の視界は光に支配された。
激しい光と謎の浮遊感、そして耳に飛び込んできた―――
『世界は…君を―――』
俺が意識を保っていられたのはここまでだった。
次に目覚めた場所は―――
日常の営みから外れた世界だった。
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