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第69話 色々と便利な使い方ができそうだ


アルク

 種族:猫人族

 種族レベル:48

 力:SS 耐久:SS 器用:SS 敏捷:SSS 魔力:SS 運:SS

 状態:リオンの従魔


イリス

 種族:猫人族

 種族レベル:48

 力:SS 耐久:SS 器用:SS 敏捷:SSS 魔力:SS 運:SS

 状態:リオンの従魔



 エンペラーオークを含む大量のオークを討伐したお陰か、双子のレベルが大幅な上昇を見せていた。

 しかしそれをさらに上回るレベルアップを見せたのが、スーラである。



スーラ

 種族:レッドスライム

 種族レベル:99

 力:SS 耐久:SSS 器用:SS 敏捷:SS 魔力:SS 運:SS

 状態:リオンの従魔



「いつの間に?」

『はち、いっぱいたべたのー』


 どうやらオークの森の中で、キラービーを狩りまくった結果らしい。

 しかもレベルが99でカンストしている。


「この分だとまた進化するかもしれないな」

『うーん、そういえば、なんかちょっとくるしいのー』


 言われて気づいたらしく、急にぐったりしだしたスーラ。

 その後、前回と同じように完全に元気を失ってしまったスーラは、身体の発光も始まった。


 前回は初見だったため驚いてギルドに駆け込んだが、今度は安心して見守ることができた。

 やがて進化が終わったようで、光が収まった。


「見た目はまったく変わっていないな」


 大きさは変化なし。

 色も赤いままだ。

 リオンが鑑定してみると、



スーラ

 種族:クイーンスライム

 種族レベル:1

 力:SS 耐久:SSS 器用:SS 敏捷:SS 魔力:SS 運:SS

 状態:リオンの従魔



「クイーンスライム?」


 聞いたことのない種族だった。


「キングスライムなら知ってるんだけどな」


 キングスライムはその名の通りスライムの王様とされる種で、身体が大きく、時には家よりも巨大化することがあるという。


『おおきくなれるよー?』


 中身の方も変わっていないようで、いつもの調子でスーラが言う。


 ところで彼らが今いるのは、王都に来てからずっと借りている宿の一室だ。

 スーラの重量化が進んでしまったこともあり、このままでは床が抜けかねないと危惧したリオンによって、こっそり床や柱が補強されているのは宿の主人には内緒である。


『こんなかんじー』

「「おっきーい」」


 大きくなったスーラは、頭が天井に届き、部屋の半分以上を占めるほどとなっていた。


『もっとおっきくなれるよー?』

「これで最大じゃないの?」

『そだよー』


 どうやらこの部屋の容量を考え、制限したようだ。

 というわけで、どこまで大きくなれるのかを試すため、リオンたちはいったん王都を出て誰もいない草原地帯へと足を運んだ。


「よし、ここなら目いっぱい大きくなっても大丈夫だぞ」

『やってみるのー』


 再び頭乗りサイズに戻っていたスーラが、ぐんぐん巨大化していく。

 平屋の大きさを超え、二階建て家屋の大きさを超え、それでもまだ止まらない。


『げんかいなのー』

「ちょっ……」

「「お~」」


 ようやく最大化したときには、三階建ての建物に匹敵する大きさになっていた。


「これがクイーンスライム……」

『まえからできたけどねー』

「できたんかい」


 要するに普段はこれを圧縮していたわけで、相当な重量になっているのも当然だった。

 恐らくリオン以外が軽々しく頭に乗せたりしたら、首が折れて死ぬだろう。


「じゃあクイーンスライムとしての特徴は別にないわけだな」

『うーん、ちょっとまってねー』


 スーラがふるふると巨体を揺らす。

 すると身体の一部が盛り上がっていき、やがて瘤のようになる。

 そしてその瘤が分離し、ぷにょんと地面に落ちた。


 何だこれはと観察していると、それが独りでに動き始める。

 リオンたちの周りをぐるぐると回ったかと思えば、ぴょんぴょん飛び跳ねて存在をアピールしてきた。


『みてみてー』

「まさか意識的に分裂したのか?」


 スライムの繁殖は、個体が単独で分裂することによって起こるとされている。

 しかし通常それは自然発生的になされるものだった。


 スーラはさらに次々と身体の一部を切り離していく。

 それぞれが独立して動き出した。


『わーい』

『りおーん』

『たーのしー』


 そして各々が意思を持っているらしい。

 鑑定してみると、どの個体もリオンの従魔となっており、ステータス的にはスーラ本体よりも低いものだった。


 さらにそのベイビースーラたちがスーラの身体にくっつくと、ずぶずぶと中へと取り込まれていく。

 やがて何もなかったかのように元のスーラに戻っていた。


「なるほど。つまり好きなときに分裂して、好きなときに合体できるってわけか」

『なのー』


 どうやらクイーンスライムが持つ固有の能力らしい。

 それから色々試してみて、分かったのはひとまず次のような点だった。


 ・分裂体の大きさや強さはある程度、自由に決められる。

 ・分裂体の数に制限はない。

 ・分裂するほど本体が小さくなり、弱くなる。


 さらに分裂体はすべてリオンの従魔なので、リオンとの意思疎通ができる。

 しかも念話を使えば、例えば街の各所に彼らを配置しておくことによって、人海戦術的な情報収集が可能になるだろう。

 身体が小さなスライムは、物陰にでも身を潜めておけば見つかりにくい。


「色々と便利な使い方ができそうだ」



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