死。そして、始まり。
その時は突然訪れる。
享年19歳、まさかこんなことになるとは思っても見なかった。
その日はあまりいい日ではなかった、いつもは寝坊なんてしないのにしてしまったり、朝ごはん食べ損ねて、お昼ご飯はいつも食べてるオムライスは売り切れで、バイトはいつもより忙しくて、早くあがれなくて、だから急ぎすぎてしまった。
“死ぬってこんなあっけないのか…あまり辛くない、いやそんなことないか、結構、いや相当痛い。血が身体から出ている。なんか寒いなぁ、冬だからかな、いや、血が出てるからか。周囲の人が騒いでる声がだんだんかすれる、意識が遠のいているのかな。ああ母に昔、一番の親不孝は親より先に死ぬことだって言われたなぁ、すまんよ母。”
ーぷっ
次に目を覚ました時に驚いた。
“あれ?生きてるみたい。ウケる。え?死んだよね?母にすまんとか言っちゃったよ?笑やだ恥ずかしい//まぁいいか、
………ん?でもここどこだ?車に轢かれたら、普通、病院に搬送されるよね?なんか古い家?ぽいとこにいるんだけど…もし、死んだんだったら三途の川渡って、お花畑見るはずだよね?確か死後の世界ってそういうのじゃなかったけ?
え?私の拙い頭じゃ理解できない…どういうことだ…?
仕方ない。まずは生きているかの確認してみよっと。はい、声は出るかな?”
「あ"〜〜」
“え?何この声?知らない声だ。でもとりま叫んでみただけだから次は…”
「おぎゃあああああ」
……え、ん?今、自分の中ではトイレ行きたーーーいって言ったつもりなんだけど、どーした?”
まさかと思って、自分の手を見てみると、赤ちゃんみたいな手だ。
“わたしの赤ちゃんになっちゃったのーーー?”
衝撃の事実に驚ける暇もなく何処からか声がした。
「おはよう、マリア」
“誰?ってマリアって私?”
「起きたか、おはよう」
「今日もかわいいね、おはよう」
「マリアちゃん、おはよう」
“…?誰
見た目から言って、1番初めに声をかけてきたのは母ぽい、断然今世の母の方が美人だ。すまんよ前世母。次に声をかけてきたのはたぶん兄1(名前は不明)イケメンだ。歳は10歳ぐらいかな?次は兄2(以下同文)兄1に比べるとヤンチャそうだ。同じくイケメン。イケメン耐性皆無の私にとっては神々しすぎる。歳は7歳ぐらいかな?最後は姉(以下略)とにかくかわいい。かわいい子好きにとっては愛でたい。かわいいー‼︎歳は5歳ぐらいだと思う。まぁ考察はこんな感じで…まだわからないことだらけだ。
…腹減った。そーいえば赤ちゃんの食事っておっぱいだよね?うわぁ…ちょっとヤダ。前世が仮にも男だとしたらこれはラッキーすぎるが、前世で今世でも女な私にとってはあまり嬉しくない事実。まぁ仕方ない。これが赤ちゃんの運命だ。
食事、大好きだったんだけどなぁ…それが生きる生きがいだったんだけど。普通の食事ができるようになるまでの辛抱だ。ミ○キーはママの味とか言われてたけど、なるほどね、感想としては牛乳の甘い感じかな、まぁ許容範囲…たぶん乗り切れる気がする。