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何も銑十郎元帥  作者: 神山
昭和11年 / 1936年 / 紀元二千五百九十六年
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林銑十郎内閣総理大臣の施政方針演説 / チェンバレン大蔵大臣のマンション・ハウス・スピーチ / グレートブリテン及びアイルランド連合王国 首都ロンドン ダウニング街11 大蔵大臣公邸(1936年5月)

『全力を尽くすだけでは十分ではない。時には必要なことをやらなければ』


ウィンストン・チャーチル(1874-1965)


 不肖今般図らずも大命を拝して内閣を組織致しました林銑十郎であります。


 まずは先の事件において命を落とされた後藤前内務大臣を始め、身命をとして職務を遂行せんとした警察官21名の御霊に、謹んで哀悼の意を顕するものであります。第69回帝国議会は、新に当選された諸君を迎えて既に召集せらるべき筈でした。然るに過般の事件に因り内閣は更迭致し、不肖図らずも大命を拜しました。唯渾身の力を捧げて奉公を致す覚悟であります。


 また先の事件において、私は陸軍大臣経験者として深くその責任を痛感する次第であります。陛下の軍を私物化し、国民に銃口を向けた反乱軍は鎮圧されました。現在も裁判が続いておりますが、政府としては再発防止に向けて全力を尽くす決意であります…


- 第69回帝国議会(臨時会)における林銑十郎内閣総理大臣の施政方針演説より -



 -…自由貿易に関して連合王国の国論は長らく二分してきました。しかし自由貿易が国家と国民にもたらした経済的な側面というのは無視出来ません。議論があることは承知しておりますが、政府はスターリングブロックを世界恐慌の荒波を乗り越えるためにはやむをえない一時的な緊急手段として選択しました。


 金本位制が崩壊した世界経済の先行きは不透明であり、その原因が純粋な経済のみの問題でないことは明らかであります。欧州およびアジアにおける現状打開勢力が、わが連合王国および自治領との国益とぶつかる場合、如何に対応するべきか。また国際経済におけるポンドの優先的な地位をどのようにして維持していくか。政府としては【あらゆる選択肢】を考えておりますが……


- 1936年5月 ネヴィル・チェンバレン大蔵大臣のマンション・ハウス・スピーチより抜粋 -



 シティ・オブ・ウェストミンスターのダウニング街。バッキンガム宮殿とセント・ジェームズ・パークに隣接し、貴族院と庶民院の議場があるウェストミンスター宮殿ともほど近いこの街は、まさに大英帝国の心臓部である。かつては3棟あったという10番街の建物は、老朽化や取り壊しにより今ではひとつしかない。


 最後まで残された建物の表玄関には、所在地を示す『10』の文字。通称-ダウニング街10。このあまりにも質素で飾り気のない3階建ての構造建築物こそが、日の沈まない帝国を差配する首相公邸であり、1936年5月当時の主は、今回で3度目の登板となるスタンリー・ボールドウィン(保守党)である。


 当然ながら10番街に隣接する建物も政府の重要施設ばかりである(にもかかわらず近年まで一般人の往来を、大して規制していなかったのが、いかにもこの国らしいのだが)。9番には国王の顧問たる枢密院の司法委員会。12番は与党の院内幹事長公邸(与党幹事長公邸)。そして11番が第二大蔵卿-大蔵大臣公邸である。


 憲法ですら慣習法で事足れりとする、この世界最古の立憲国家において、中でも11番街の住人の政治的な地位は、その政治家個人の力量に左右されるところが大きいのが特徴である。


 元々予算を握るだけに、他省庁への影響力は正式な権限だけでもかなりのものだ。しかし所属政党内における政治的な地位、および政府首班たる首相との関係性を構築できなければ、単なる伴食閣僚に過ぎなくなることもある。先の政権(第2次ボールドウィン内閣)において閣内対立や首相との関係悪化で事実上更迭された、スペンサー=チャーチル卿がよい例であろう。


 そして今の主は1931年より今に至るまで一貫してその地位を占め続けており、次期保守党党首及び連合王国首相の地位を確実視されていた。


「あんなにあつかましい日本人は見たことがない」


 マクドナルド挙国一致政権時代より、11番街の住人として帝国政府の金融財政政策を取り仕切るアーサー・ネヴィル・チェンバレンは、大臣公邸でアン夫人に零していた。


 疲れきった表情でソファーにもたれ掛かり天井を仰ぐ主人に、夫人は蒸らしたハンドタオルを差し出した。アーサーはごしごしと顔を拭こうとしたが、それも途中で億劫となったのか目を閉じて瞼の上に手ぬぐいを畳んだまま置く。


「日本人とおっしゃいますと?」

「マンション・ハウス(ロンドン市長公邸)の経済演説に、新任の日本の大使も招待されていたのだよ。私の演説をどこまで聞いていたのか、あるいは最初から興味がなかったか。リットン伯に絡んでいたのが印象的ではあったが」

「リットン伯爵と申しますと、元のインド総督の?」

「例のマンシュウでの鉄道爆破事件の調査団長だよ。あの条文はどうだの、あの見解は事実誤認があるだのと大きな声で詰め寄っていた」


「まるで周囲に日本の立場を説いて聞かせるようにな」とチェンバレンは続ける。目元が隠されていたが、主人が露骨に顔を顰めたのがアンには伝わった。


 新任大使の熊のような顔は新聞に掲載された写真でアンも見た記憶がある。下膨れの顔にいかにも押しの強そうな眼差し。薄くなった頭をなでながら大きな口を開けて笑う写真は、アジア人の顔の区別がつかないとされる英国人にすら、一度見たら忘れることが出来ないほど強烈な印象を与えた。


 かつての同盟国である日本は満洲における軍事行動以来、よくない噂や評判ばかりが聞こえてくる。たしか2月には首都において大きなクーデター未遂事件が発生したはずだ。


 その鎮圧に貢献したのが、今の首相であるセンジューロー・ハヤシという陸軍大将らしい。


 外国人記者を対象に開かれた記者会見において、件の人物はその見事なカイゼル髭をねじりながら取材に応じた。亡命中のドイツのカイザーでもあるまいに、時代錯誤なその姿は通信社を通じて全世界に報道され、格好のネタとなった。「そのような低俗なものを読むな」とアーサーが怒るため、こっそり大衆紙を愛読しているアンは『禿のカイザーが熊のような大使を送ってきた』と、面白おかしく書かれた記事があったことを思い出していた。


「なんでしたかね。その熊のような大使のお名前は」


 相変わらず布巾を顔に載せたまま、アーサーはその熊の名前を、言いにくそうに伝えた。


「カズシゲだ。いや、姓と名がこちらとは逆なのでウガキか。ウガキ・カズシゲ…」


 その名前を告げると同時に、チェンバレン家の老執事が足早に主人夫妻のプライベート空間に入り込んでくる。普段は存在というものを意図的に消し去るように振舞っているが、今はむしろ自身の存在を周囲にアピールするかのような足取りで、ソファーに寝そべる主人の下に駆け寄る。


「ご歓談中失礼いたします。旦那様、奥様」

「何だね」

「只今、玄関口に急の来客が」

「……来客の予定はあったかな?」

「熊のようなアジア人の男性が、至急旦那様に取り次ぎを願っておられます」


 慌しく続けた執事の言葉にチェンバレンは目元を温めていたタオルを外すと、自身の夫人と顔を見合わせた。


「日本の大使であると名乗っておられますが、如何なさいますか?」

「……見てわかるように、私はすでに就寝している。後日、日を改めてと伝えてくれ」


 主人の命令に、執事は慇懃ながらも断固とした意思の感じさせる口調で反論した。


「……その、大変申し上げにくいのですが、お会いするまで帰らないと。『日本の天皇エンペラーから任命された大使に対して、門前払いとはどういうつもりか』と。国際問題だ、かつての同盟国への配慮はないのかと、今も玄関で守衛と押し問答を続けておりまして」


 更に言葉を続けようとする老執事を、主人は手で制した。疲労から来る耳鳴りで片付けようとしていたが、実のところ先ほどからの玄関先での喧騒は彼の耳にも届いていた。


 チェンバレンはタオルで顔を乱暴に拭うと、立ち上がりながら夫人に告げた。


「アン。夜の熊見物としゃれ込もうじゃないか」

「熊退治でなくて?」


 予期せぬ仕事を課された主人の緊張をほぐそうとするかのような妻の言葉に、チェンバレンはようやく笑みを見せた。



 聞くところによるとエンペラー・ヒロヒトは、この老人を好んでいないという。かのロシアを破った日本陸軍の伝統的な派閥の後継者であり、軍制改革に手腕を振るった自他ともに認める首相候補でありながら、何ゆえなのかと英国政府および外務省は長年疑問としてきた。



『これはこれは!夜分遅くに時間を割いていただき、大変恐縮ですな!このたび天皇陛下より貴国の大使に拝命されましたカズシゲ・ウガキと申します!!』


 濁声でなまった英語をまくし立てるように一方的に挨拶する日本の大使は、発言の内容とは裏腹に一切の躊躇もなく力強く握手を求めた。


 その握力に思わずチェンバレンは顔をしかめたが、宇垣はまったく力を緩める素振りも見せない。なるほど、これがこの日本人のやり方かと、チェンバレンは内心の辟易とした感情を取り繕ってこれに応じた。思想信条はともかく、これでは何事も謙虚たらんとするエンペラーと折り合いが悪いに決まっている。 チェンバレンは大英帝国が長年抱えていた疑問が瞬間に氷解する思いであった。


 膨れ上がった体にかぶせるように着せたフロックコートをとり、ミスター・ウガキは遠慮する素振りも見せずに、応接のソファーに深く腰をかけてしまった。


 これではどちらがこの屋敷の主人かわかったものではない。傍らを見れば彼の夫人などは、動物園の珍妙な生物を見たとでもいわんばかりに、軽く下を向いて笑いをこらえていた。


『いやいやいや!大英帝国の次期首相の呼び声高い閣下と早々にお会い出来るとは!私も運がいい!』


 どうにも相互の認識に重大な差があるらしい。お会い出来たのではなく、一方的に押しかけてきたはずなのだが。


『実は私もこう見えて、首相候補の呼び声が高いのですよ!今の与党、あぁ、先の総選挙で第一党となったのですがね。そこからは、すぐにでも総裁に迎えたいといわれるほどでしてな!私としては男よりも女性にもてたいのですが、まあこの際、贅沢は申しません!まっ、そんなこともあり、閣下は他人のような気がしません!』


 貴方と私は赤の他人であるし、勝手に政治的同胞意識をもたれても困るという言葉が喉元まで迫り上がったが、チェンバレンはそれを飲み込むのに酷く苦労をした。


 それを見越したかのように、この老人はとんでもない爆弾を突如として放り込んできた。


『夜分に押しかけてきたのはほかでもありません!どうです?!わが日本を揚子江の傭兵として雇うつもりはございませんかな!』


 『お安くしておきますよ?』と肩をすくめる日本の大使にチェンバレンは絶句し、アンはアーサーの表情にこらえきれず噴出した。



 老執事と守衛の労を労い「確か日本ではこういう時に塩をまくのだったか」とつぶやきながらチェンバレンが部屋に戻ると、アンがスコッチウィスキーをグラスに手際よく注いで用意していた。


 アーサーはそれを口に含んで唇を濡らすと一気に呷る。疲れた胃が、一挙に流し込まれた蒸留酒により急速に熱を帯びるのを感じる。医者にはよくない飲み方だと忠告されるが、この際そんなことは言っていられない。


「ミスター・ウガキは帰られたので?」

「あぁ。君にもよろしくと言っておったよ」

「まぁ、それはそれは」


 口元に手を当ててころころと笑う妻の顔に、チェンバレンは複雑な感情の入り混じった憮然とした顔を浮かべた。


「……個性的な人物であることは確かだな。あれで私より1歳年上なだけだとは」

「あら、そうでしたの?」


 再び口を押さえて笑う妻を尻目に、アーサーは手でコップを弄びながら、宇垣大使との先ほどの会談の内容を反復していた。


 ヴィクトリア女王陛下のもとで全世界に植民地を広げ、日の沈まない帝国と呼ばれた大英帝国も、20世紀初頭の北清事変により限界が露呈した。制度的というよりも地理的な限界である。


 19世紀の中頃までは清と英国の間に紛争が発生しても、イギリスは其の度に植民地たるインドからチャイナ大陸へ派兵しても間に合った。アヘン戦争(1840-42)やアロー号戦争(156-60)において、世界に名だたる王立ロイヤル海軍ネイビーはインドからの派兵を滞りなく進めた。


 また清王朝は広大な国土と外来の征服王朝という政治的に欠陥を抱えており、異民族の王朝が負けたとしても民衆は冷淡であった。


 ところが鉄道網の発達と、度重なる革命によるチャイナの民族意識の高まりが状況を一遍させた。兵の動員では、船は鉄道に到底敵わない。地理的にもインドと、華南の揚子江流域に点在する英国の権益は遠すぎた。北進事変(1900年)においてイギリス政府は単独での武力介入-インドからの派兵が間に合わず、地上軍においては日露の戦力を頼る結果となり、これ以降も状況に変化はなかった。


 イギリスの大陸政策にとって更なる痛手となったのは、ワシントン会議における英日同盟の失効(1923年)である。


 アメリカに根強い日英同盟警戒論-北米大陸を東西から挟撃するのではないかという懸念に対処するため、発展的解消はやむをえないという苦渋の決断であったのだが、日本からすれば裏切り以外の何物でもなかった。英国政府は1920年代の国民党の北伐において、それを思い知らされた。


 おまけに英日同盟廃棄後の日本外交を取り仕切ったシデハラ外相は反英的な人物であり、上海をはじめとした連合王国の権益防衛のために派兵を何度要請しても、つれなく袖にされるばかり。


 発展的解消という名目でフランスとアメリカをくわえた4カ国条約が成立したが、アメリカは共和党政権の下でモンロー引き篭りに回帰し(そのくせ口ばかり出す)、フランスは政変ばかりで役に立たない。


 英日同盟の廃棄はイギリス政府の大陸政策にとって痛手であったが、ほかに方法はあったのかといえば疑問符がつく。現状、英日の間で大陸問題について共同歩調がとれないことを懸念しているチェンバレンですら、当時政権を担っていれば有名無実であっても4カ国条約に賛成したと思う。


 アメリカ本土とアラスカで陸続きで国境を接するカナダ、日本の南洋植民地と目と鼻の先にあり、その強大な海軍と対峙せざるを得ないアンザック諸国。欧州大戦(第1次世界大戦)で日本海軍はシーレーン防衛で協力してくれたとはいえ、実際に陸上戦で血を流した自治領の声は大きく反映されやすい。


 彼らの懸念は-たとえ根底にアジア人蔑視の黄過論があったとしても、一定の軍事的な合理性があった。ましてアメリカと国境を接するカナダの場合はより切実だったろう。


「家族と友人で優先順位をつけろというようなものだ。どうしても問題は出る」


 「帝国は広すぎる」とアーサーは自分自身に言い聞かせるように呟いた。


 欧州大戦では英国の圧倒的な海軍力は、帝政ドイツ(当時)の動員の抑止力には全くならなかった。今、それと同じことがアジアで起ころうとしている。


 そして今の日本には、当時のドイツとは比べ物にならない強大な海軍が存在している。


(提案ではなく脅迫だな)


 チェンバレンは『カイザー首相』の意図するところを、何ゆえあのような押しの強い男を大使にもってきたのかを察した。


 外交のプロではなく職業軍人を、それも伝統的に王立ロイヤル海軍ネイビーと関係性が深い海軍ではなく、首相候補ともされる陸軍の重鎮を選択した意味。大使は国家を代表しているとはいえ、官僚と軍人、そして政治家では自ずから意味合いが異なる。


 そしてウガキは職業軍人である以上に、政治家であることは先の面会で理解した。


 ならば話は簡単である。こちらも外交官や軍人ではなく、政治家として扱うべきであろう。


 相手の思惑に乗るのは癪だが、あの大使なら日本人らしからぬ即断即決が期待出来そうだ。大陸政策においてシデハラのような優柔不断国家に永遠の友人はないというが、一緒に仕事をするのは何も友人でなくともかまわないのだから……


 主人がそこまで考えを進めるのを待っていたかのように、それまで黙って微笑んでいたアンは口を開いた。


「カーゾン侯を思い出しますわね」

「……あぁ、なにか既視感があると思ったが」


 アーサーは妻の言葉に「わが意を得たり」と何度もうなずいた。


 ジョージ・ナサニエル・カーゾン侯爵(1859-1925)は早くから保守党の政治家として活躍し、外相やインド総督を歴任した。今の首相とは保守党のトップ(すなわち首相)を争ったこともある。


 だが有能ではあったが、必要以上に攻撃的な性格を始めとして人格的に難がありすぎ、国民的な人気はおろか、保守党内部からもその経験と能力は認めても首相に支持する声は圧倒的な少数派であった。結局、首相にはなれないまま死去。これにより彼が初代であったカーゾン侯爵位は消失した。


 アーサー自身、閣僚としてカーゾン侯とともに仕事をしたことがある。確かに有能な人物ではあったし、個人的には嫌いにはなりきれない妙な愛嬌のある人物ではあった。


 とはいえ首相として相応しいとはどうしても確信できなかった。相手が首相であろうとも(野党議員なら尚更)、見当はずれなことを言えば露骨で馬鹿にしたような表情を浮かべ、他人の失態に厳しかった。その有能さが他者への批判へと純粋に向けられた時の苛烈さは、その対象が自分でないことを神に感謝したものだ。


 生前の故人の取り澄ました顰め面を思い浮かべつつ、チェンバレンは続ける。


「確かにそうだ。ミスター・ウガキはあそこまで苛烈ではないかもしれないが、押しの強さは確かに似ていなくもない」

「ならば首相候補というのも疑わしいですわね。カーゾン侯が晩年に枢密院に押しやられたように、案外、左遷人事なのかもしれませんわよ」

「それはないだろう。ウガキ氏の前職である朝鮮総督といえば、日本の首相を何人も輩出したポストだ。日本が連合王国との連携を重視している表れではあっても、左遷ということは考えにくい」

「家の中で揉め事が起これば、片方が表に出るのはよくあることではなくて?問題解決にはならなくても、当面の衝突は避けられますからね」


 アンはそこで言葉を区切ると、意味深な笑みを見せた。


 それが夫婦の関係ではなく、異母兄との関係を指摘しているのは、アーサーにも理解出来た。気取った片眼鏡を愛用する兄は現政権の対ドイツ外交を批判し続けており、閣内にいる自分も自然と関係が疎遠となっている。そして体調がよくないとも。


 全く、いつまでたってもこの妻には敵わない。


「わかったよアン。ジョセフ兄さんと会えばいいんだろう」

「あら?私は何も言ってませんけど」


肩をすくめる妻にアーサーはそれ以上何も言わず、再びスコッチを開けた。


・政界の惑星、ロンドンで輝く(頭ではない)

・『宇垣一成日記』には「!」が2千回以上、「!!」が1千回以上登場するそうです。日記に「!」と書く神経

・そしてそれを数えたという某国立大の先生。あなた暇なんですか(真顔)

・史実のチャーチルって改めて凄いなあと。

・常設陸軍が少なすぎるんや、どうやったってドイツにはかなわんのや。フランスはあんなんやし…ソビエト?知らない子ですね

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