日常とはじまり
「はんぶんこ。」第2話です!
プロローグと比べて、今回は少し長めの構成になっています。
ここから、、、という感じでしょうか笑
あの事故から3年。リハビリなどを乗り越えて、やっと元の生活ができるにまで回復した僕は、都心の有名私立大学を受験したが失敗し、滑り止めで受験した同じく都心のそこそこレベルの大学に合格。田舎から出てきて都会暮らしが始まって、約4ヶ月といったとこか。都会の生活にやっと少し慣れてきたかなという感じだ。今はアパートに一人暮らし。都会に憧れ、一人暮らし楽しみだなあ!とか言っては僕は何処へやら。帰ってもテーブルにあったかいメシは置かれていない。風呂はたかれていない。母の偉大さを身を以て痛感しているところだ。
授業がおわり、アパートまでのゆるい坂道をママチャリでくだる。燃えさかる太陽からの痛いくらいの日差し、それが地面に反射して下からも。暑すぎる。着いたらアイス食べよう。ちなみにアパートから大学まではチャリで5分。恵まれてるぜ。そんなことを考えながら交差点に差し掛かった時、
「あーおちゃーん」
馴染みのある声がした方に目を向ける。
女の子が横断歩道の向こうから楽しそうにこちらに手を振っている。
彼女は水瀬玲奈。いわゆる幼なじみという表現が適切であろう。保育園から一緒で、昔からお互いをよく知っている。切っても切れない腐れ縁という感じなのだろうか。
「今帰りなのー?」
「あちー」と言いながら手を顔の前でうちわのようにパタパタさせながら玲奈が言う。
「おう。さっき授業終わって今帰るとこ」
「じゃー、一緒に帰りまそ!暑すぎて溶けそうだよぉ」
合流してアパートに向かう。僕は築十五年の二階建てのアパートの一階に住んでいる。そして、玲奈も同じアパートに住んでいるのである。でも現実はそんな甘いもんじゃない。彼女は二階に住んでいる。しかも真上に。うちの板が薄いのか知らないが、とにかく上からの騒音ともとれる生活音に僕は日々悩まされていた。ドンドンどんどん、何したらそんなにうるさいんだってくらいうるさいのである。
「昨日の夜もやっと寝れたの夜中の1時過ぎだぞ。いい加減にしろよお前。」
不満たっぷりに僕が言うと玲奈が反論する。
「しょーがないじゃない。ラスボスがなかなかの強敵だったのよ」
「はあ?ゲームくらい静かにやれるだろ?こっちはそのせいで寝不足でほんっと迷惑してんだよ!」
「興奮しちゃうと勝手に手足が動いちゃうのよ。しょーがないじゃない!」
いつもこんな調子で僕らは大学生活を送っていた。
最近、何かがおかしい。奇妙なことが立て続けに起こっていた。家でテレビをみていたら突然消えたり、電源をつけていないはずのテレビが突然ついたり。最初はテレビの調子が良くないのかな程度にしか思っていなかった。しかし、それがテレビだけでなく、扇風機、エアコン、電子レンジまで同じようなことが起きるようになった。それが昼ならまだしも(それでも十分怖いけど)夜だと全身の血液が凍ったかのような感覚に襲われる。そろそろマジで勘弁してほしい。あの事故後、手に入れてしまったあの能力(能力という表現が妥当かはわからないが)のせいで大体の予想はついていた。
この部屋には、いる。
最後までお読みいただき本当にありがとうございます!
ここから物語はどんどん発展していきます。
次回もお楽しみに!




